出鼻技 vs 飛び込み技|「ほぼ同時」で勝つのはどっち?

出鼻面を狙うと、いつも”ほぼ同時”で負けるお子さんへ
「出鼻面を狙っているのに、相手とほぼ同時に当たって、なぜか相手の一本になる」——。お子さんの試合で、こんな悔しい場面はありませんか?
今日は「出鼻技を狙うか、飛び込み技を狙うか」というテーマで、“ほぼ同時”の時にどちらが一本になるのか、そして出鼻技を一本にする鍵をお伝えします。
剣道は「先出し」と「後出しジャンケン」
剣道は大きく2パターンに分けられます。自分から先に攻める飛び込み技と、相手の仕掛けに応じる応じ技です。ジャンケンで例えると、こうなります。
後出しジャンケン=応じ技。相手が面に来た→返し胴。小手に来た→避けて返し面。相手の手を見てから勝つ。
先出し=飛び込み技。自分から先にパーを出して、規格外のパワーで相手の”チョキ(応じ)”ごと砕くイメージ。相手が避ける前に、スピードとパワーで凌駕する打ち方です。
ちなみに、出鼻技は応じ技に分類されますが、僕は出鼻を”後出しジャンケン”だとは思っていません。その理由は、後ほど詳しくお伝えします。

大事なのは「自分はどっちが得意か」
先に仕掛ける技も、応じる技も、どちらにもメリットがあります。スピードやパワーがある子は、先に攻めて打つのが得意。まだスピードが出ない子は、相手が来るのに応じる方が得意かもしれません。
大事なのは、「自分はどっちが得意で、改善すべきはどっちか」を考えること。できないことをそのままにすれば、ずっとできないままです。最終的に目指すのは——相手が来たら応じられる、相手が下がっているところは自分から攻め崩せる、その両方です。
「ほぼ同時」なら、飛び込んだ方が一本になる
ここからが本題です。試合分析で、こんな質問が来ました。「相手に合わせてしまって、負けてしまうんです」。試合を見ると、相手が先に動き出し、それに対して出鼻面を狙っている。でも——ほぼ同時に当たっているんです。
同時に当たったら、どっちの旗が上がると思いますか?
結論から言うと、僕は「飛び込みに行った方」が面ありになると思っています。
実際、ある全日本選手権の決勝でも、トップ選手同士の相面があり、片方は飛び込みの面、もう片方はその場の出鼻面。当たったのはほぼ同時。でも、旗は”飛び込んだ側”に上がりました。これまでの試合解説でも、タイミングがほぼ同時の場合、飛び込みの面が一本になる割合がかなり高いんです。出鼻面はその場で打つので、前に飛んだ方が有利に見えてしまうんですね。
出鼻技で一本にする「2つの鍵」
では、出鼻面のタイプで一本にするには、どうすればいいか。鍵は2つあります。
- わずかでも速く当てる+打突後のスピード(飛び込みは勢いが強い。それを凌駕する”打った後のスピード”が必須)
- 待つのではなく、自分から「誘い出す」(相手に打たせる形を作る)
これが、出鼻を”後出しジャンケンではない”と言う理由です。待って打つと、相手が打ち出したように見えて、面に乗られたように見えてしまう。だから、右足で誘い出しながら出鼻面、左足を下げて引き込みながら出鼻面——「自分が主導して、相手に打たせる」ことが大切なんです。
ジャンケンで言えば、「最初はグー」の時に、もう手を開いてパーを見せておく。「こいつ、そのまま面を打ってきそうだな」と思わせて相手にチョキ(応じ)を出させ、こちらは出鼻小手を打つ。出鼻小手も同じで、待つと面に乗られやすいので、「面が打てるよ」と思わせて誘い出すのが理想です。
「本物の後出しジャンケン」は、避けてから打つ技
では、本当の意味での”後出しジャンケン”は何かというと——相手に打たせて、完全に避けてから打つ技です。出鼻を捉える必要がないので、純粋な後出しになります。
| タイプ | 代表技 | ポイント |
|---|---|---|
| 誘い出して打つ | 出鼻面・出鼻小手 | 自分から作る/打突後スピードで凌駕 |
| 避けてから打つ(後出し) | 面返し胴・小手返し面・抜き面 | 完全に避けてから次へ/フェイントに弱い点に注意 |
ストレートの技に対する”最強の後出しジャンケン”は、面返し胴と小手返し面。ただし、面フェイント面・面フェイント小手などのフェイント系に弱いリスクは、頭に入れておきましょう。

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まとめ:出鼻で負けるなら「誘い出し」を確認しよう
出鼻技は、同時になると「打たれたように見える」。だからこそ——誘い出して打つか、自分から形を作って打つ。これをまず練習することが大事です。
お子さんが出鼻を狙って負けているなら、①相手を凌駕する打突後のスピードがあるか、②相手を誘い出せているか——この2つを、ぜひ確認してみてください。「待つ出鼻」から「作る出鼻」へ。今日の学びを、次の稽古に生かしてもらえたら嬉しいです。
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