質問力とは何か?成長を加速させる最強のスキル


質問力とは、
単に質問する能力だけではなく、的確で深い質問を通じて相手の考え方や情報を引き出し、それによって円滑なコミュニケーションや問題解決につなげていくスキル
のことです。
私自身、仕事においての質問力はまだまだレベルが低いと感じています。
しかし、剣道における質問力については、高校時代に徹底的に鍛えられました。
高校時代、指導者から「質問の仕方を考えろ。ただただ質問しているんじゃ強くなれない」と何度も言われたのです。
強くなりたい人ほど、質問力を鍛えることによって剣道のスキル向上につながり、日常生活においても大きなメリットがあると確信しています。
質問力が重要な4つの理由
理由①:信頼関係を築きやすくなる
質問は相手の話を引き出したり、共感したりする効果があります。
質の高い質問をすることで、相手に「この人は真剣に私の話を聞いている」と感じてもらえ、信頼関係を築きやすくなります。
理由②:相手の意図や考えをより深く理解できる
私は以前、「これどうしたらいいですか」と聞き、「はい、わかりました」と答えてすぐに作業に入っていました。
しかし作業中に「あれ、これよくわからないな。どうやってやるんだろう」と悩むことが頻繁にありました。
一方、仕事ができる人や強い人は、「じゃあこの時ってこうすればいいですかね」「この時ってこうすればいいですかね」と、最初の会話の時点で、作業に入る前に疑問を解決してしまうのです。
これができる人は本当にすごいと、今でも感心します。
例えば、YouTube動画を作ってと言われた時、私なら「わかりました、動画作ります」と答えて、撮影が終わった後に「あれ、これ次どうやるんだっけ」となってしまいます。
しかし仕事ができる人は、動画撮影の指示を受けた段階で
「台本から作ったらいいですか」
「動画撮影したらいいですか」
「サムネイルとか概要欄も作った方がいいですかね」
と、先のことまで考えて理解しようとしています。
これが、深い理解を得るための質問力なのです。
理由③:問題解決力の向上

深い理解につながる質問ができるようになると、問題の本質を探る質問をすることで、効率的に解決策を見つけることができます。
物事の本質を見極めることは非常に難しいことです。
特に経験が浅い分野では、何が本質なのか全くわからないこともあります。
理由④:コミュニケーション能力の向上
質問力を磨くことで、対話を円滑に進めることができ、議論やプレゼンテーションも効果的に高めることができます。
私は対話自体がそこまで得意ではありません。
特に1対1で話すと、興味があれば質問が浮かびますが、そうでない場合はすぐ無言になってしまいます。
相手の話を頭の中でぐるぐる回転させて「こういう考え方をしているんだな」と考えるだけで、質問せずに沈黙が起きてしまいます。
しかし質問力が高い人は、
「この時でこうですか」
「この時でこうなんですか」
とどんどん質問を重ね、対話が途切れることがありません。
話すこと自体が苦手な人は質問をあまりしない傾向がありますが、質問力を磨けばコミュニケーションは劇的に改善されます。
高校時代の質問環境:日本一の先輩から学ぶ贅沢
私の高校では、稽古後に必ず先輩にアドバイスを聞く時間がありました。
ただ「稽古ありがとうございました」で終わるのではなく、
先輩、今さっき打った技ってどうやって打つんですか?
と必ず質問する環境が整っていました。
ただアドバイスをもらっている人もいましたが、積極的な人は
「先輩、この時ってどう考えてたんですか」
「どういう風に技を出しているんですか」
と深く掘り下げて質問していました。
何も考えていない人は、稽古が終わったら「ありがとうございました。何かアドバイスください」と言うだけです。
これだと明確な深い質問や本質的な部分を探ることができず、深い理解も得られません。そして何より、相手の信頼を得ることもできないのです。
質問力の差が成長の差を生む
私が上級生になった時、後輩が質問してくる場面がありました。その時、よく考えている後輩ほど質問の仕方が全然違うことに気づきました。
「先輩、今日はありがとうございました」「先輩、今日も強かったです。ボコボコにされました、ありがとうございました」で終わる人もいます。
正直、こういった人はそこまで伸びませんでした。実際にレギュラーになれなかったり、あまり強くなれなかった印象があります。
しかし質問力が高い人、特に中学生でも優秀な選手は次の稽古では、教えた新しい技を実際に打ってくるのです。
自分で考えてやっているから、吸収が早いのです。これが、質問力があることによって成長できる人と成長できない人の差だと思います。
中学生の時点でそういった環境を整えているのは本当にすごいことです。
ただ剣道をやるだけでなく、先輩に質問し、それを稽古に落とし込む。
もう中学生がやることではないレベルですが、それが最初からできているからこそ、考える力、理解を深める力、コミュニケーション能力が自然と身につき、剣道の成長にも勝手につながっていくのです。
質問力を高める具体的な方法
ステップ①:ざっくりとした疑問を持つ
まず、「先輩、強いな」「先輩、小手打ち早いな」といったざっくりとした疑問を持ちます。
しかし、それをそのまま言葉にしてはいけません。そのまま質問してしまうと、浅い質問になってしまいがちです。
もう少し頭の中で深掘りできるといいのですが、これができない人からすると最初はめちゃめちゃ難しいのです。
「先輩、なんでそんな早いの?
」「先輩、なんで小手打ちそんな上手いの?」
と聞いてしまいがちです。
星子選手の失敗談から学ぶ
実際に私の1年生の時、星子選手が先輩に「なんでそんな小手打ち上手いんですか?」と質問したところ、先輩が「センス」と答えたことがありました。星子選手はブチギレていました。
星子選手は本気で聞いたからこそ、「こういう打ち方したらこうできると思うよ」といった具体的なアドバイスが欲しかったのです。
本気で強くなりたかったからこそ質問したのですが、「どうやったら小手上手くなりますか」「どうやって打っているんですか」と少し広く聞いてしまったからこそ、「センス」という回答になってしまったのです。
もちろん、そういった先輩もいたというのもありますが、もし「先輩、こういう風に打ってますよね。
これがこうこうでこうこうだからこうなってるんですか?」と深く聞いていたら、「こいつめちゃめちゃ考えてるな」と思われて、回答が変わったかもしれません。
ステップ②:感じたことをそのまま質問しない
感じたことをそのまま質問しないというのが結構大事です。
「先輩、小手打ち上手いな。どうやって小手打ってるんだろう」と思ったことをそのまま質問すると、「先輩、どうやって小手打ち打ってるんですか」という浅い質問になってしまいます。
ステップ③:客観的に見たことを交えて質問する
- 先輩、小手打つ時に右足と同時に左足を引きつけているな
- 打った後、右側にさばいているな
- でもさばいたと思ったら、ちゃんと戻っているな
- 打つまではまっすぐだな
これを前提に置いた上で、実際にそれを体感してみます。
- やっぱり打つ時めちゃめちゃ早いな
- 打った後、小手返し面を打とうと思っても当たらないな
- でも当たらないと思っても、体当たりした後はもう体勢が戻っているな
そして、こう質問するのです。
「先輩、打つ時めちゃめちゃ早いですよね。僕見てたんですけど、右足踏み込む時、左足でも同時に着地させてません? これ意識してるんですか? どういう意識で着地させてるんですか?」
「打った後、さばいてますよね。でもさばいた後、めちゃめちゃ早く戻ってません? 体当たりする時、これって強化したんですか? どんな強化したら打った後に戻ることできるんですか?」
客観的な質問がもたらす4つの効果
①信頼関係の構築:相手は「この人は真剣に私のことを見ている」と感じます。
②深い理解の獲得:「よく見てるね。右足着地させる時に左足を着地させるとキレが良くなるんだよ」「反発が上がるんだよね。左足が残らないから、打った後の寄せが早くなるんだよね」といった深い理解を得られます。
③問題解決力の向上:本質を探る質問につながります。
④コミュニケーションの円滑化:対話が深まり、コミュニケーション能力が向上します。
客観的な研究力を身につける難しさ
ただし、客観的に研究するというのはめちゃめちゃ難しいです。
日頃から何かを分析したり研究したりする癖がついている人は、これが得意です。
例えば、小手打ちについて客観的に観察してみます。
星子選手の分析力
星子選手がその典型例でした。星子選手は小手打ちを打った後について、「この先輩はこう打ってるけど、この先輩はこう打ってるから、多分打った後の足さばきって2種類あるんだよな」と言っていました。
そんなこと気づきます? と思いますよね。
幼少期の話も聞いたのですが、星子選手は自分で車庫にビデオを設置して、引き技を打って自分自身で研究していたそうです。
引き技をどう打っているのか、自分でどういう風になっているのかを小学校時代から分析していたからこそ、高校になっても相手を見ての分析が得意だったのです。
私の反省:分析を避けていた小学校時代
逆に私は全く分析をしていませんでした。
お父さんが「試合を見ろ、自分の試合を見ろ」と言われても、めちゃめちゃ嫌々見ていたし、見ながら寝ていました。
自分の試合なんで見ないといけないんだよ
負けた試合なんで見ないといけないんだ
と思っていました。
これが、小学校時代に全然結果を残せなかった梶谷彪雅の特徴なのだと思います。
中学になって叩き上げて、肉体だけ、スピードだけでなんとかこねくり回してやろうとしていたからこそ、全然頭を使えていなかったのです。
感覚的な部分、直感的な部分が多かったのだと思います。
しかし高校でそこを補わせていただき、また違った梶谷彪雅を手に入れることができました。
直感や肉体の強化も大事ですが、それだけでは足りません。もちろん分析だけでもダメです。
分析することを実際に行動してやってみたり、スピードが足りないならそれを強化してみたり、練習の中でどういう風に足の使い方をすればいいんだろうと考えて行動しないと、結果は変わりません。
しかし、この質問力を鍛えることによって、全然違う世界、全然違う結果が待っているのです。

指導者へのメッセージ:環境づくりの重要性
チームを指導している先生や保護者の方々へ。質問力を育てる環境づくりがあるだけで、子どもたちの成長スピードは変わります。
ただただ練習させるのではなく、いかに分析させ、質問させる環境づくりができるかが非常に大切になってきます。
- 稽古後に必ず質問の時間を設ける
- 浅い質問には「もっと具体的に観察してみて」と促す
- 良い質問をした選手を褒める
- 先輩に質問する文化を作る
こういった環境があれば、選手たちは自然と質問力を磨き、考える力、理解を深める力、コミュニケーション能力が向上していきます。
まとめ:質問力が人生を変える
これによって以下のような効果が得られます。
メリット
- 信頼関係の構築:相手との深い信頼が生まれる
- 深い理解の獲得:表面的ではない本質的な学びが得られる
- 問題解決力の向上:物事の本質を見極め、効率的に解決できる
- コミュニケーション能力の向上:対話が円滑になり、議論やプレゼンが上達する
- 成長速度の加速:学びの質が上がり、短期間で大きく成長できる
デメリット
- 習得に時間がかかる:客観的な観察力や分析力を身につけるには日々の訓練が必要
- 最初は難しく感じる:直感的に質問する癖がついている人には、考えて質問することが難しい
- 分析が苦手な人には負担:普段から分析する習慣がない人には、最初は大きな負担に感じる
しかし、これらのデメリットは練習によって必ず克服できます。質問力は剣道だけでなく、仕事、人間関係、あらゆる場面で人生を変える力を持っています。
ぜひ今日から、感じたことをそのまま質問するのではなく、一度立ち止まって客観的に観察し、深く考えてから質問する習慣を始めてみてください。
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