剣道の試合で勝つ!仕掛け技と応じ技の割合と戦略



YouTubeライブ配信での質問から生まれた記事
Youtubeのライブ配信でいただいた質問から本日の記事は作成しました。
今回の質問内容
「試合状況にもよるのですが、梶谷さんは試合で仕掛け技と応じ技を狙う割合はどのくらいにされていますか? 自分は7対3くらいで試合しています。ご助言いただけると幸いです。」
この質問は、自分から積極的に打っていく技(仕掛け技)と、相手の技に反応して打つ技(応じ技)の割合をどのように設定しているのか、という内容です。
結論:相手と場面で割合は変わる
結論から申し上げますと、
仕掛け技と応じ技の割合は「相手による」というのが答えです。
そしてもう一つ重要なのが、
「場面による」という点です。
この2つの視点について、これから詳しく解説していきます。
相手によって技の割合が変わる理由
相手が面を狙っているケース
相手が面を狙ってくる選手の場合、こちらは応じ技を中心に組み立てます。具体的には:
- 出鼻小手(相手の面を出鼻で小手に返す)
- 返し胴(相手の面に対して胴を返す)
このように、相手の攻撃を利用した応じ技が有効になります。
相手が小手を狙っているケース
一方、相手が小手を狙ってくる選手の場合、もちろん返し面という選択肢もありますが、返し技で待つよりも自分から仕掛けて打っていきたいというのが私の考えです。
例えば:
- 回して面(相手の小手を誘っておいて、回し技で飛び込み面)
これは仕掛け技に分類されます。このように、相手の狙いによって技の選択肢が変わるのです。
守っている相手への対応
相手が守りの姿勢を取っている場合、こちらも様子を見て守ってしまうと、試合展開を作れなくなってしまいます。
相手が小手を誘っているパターンもあり、打開が難しくなります。
そのため、自分から仕掛けていく技が必要になります。ただし、相手が何を待っているのか、何を誘っているのかという見極めは重要です。
相手を探る動作の重要性
前に入るときには:
- 竹刀を押さえてみる
- 面のフェイントをしてみる
- 小さい技で攻めてみる
こういった相手を探る動作が必要です。「ちょっと打ってくる気配がないな」という時は、仕掛けていく技が多くなります。
どの場面で応じ技に転換するのか
自分が技を出した後が狙い目
応じ技を狙うベストタイミングは、自分が惜しい技を打った後、あるいは自分が技を出していった後です。
喧嘩で例える剣道の心理
私はいつも「喧嘩」で例えて説明しています。
私があなたを殴った時、ビンタした時、何もないのに急に殴られて「ああいいよ、反対の顔もパンチしていいよ」という人はいないですよね? 多分キレられます。「なんでお前急に殴ってくんだよ」って怒ると思います。
これが剣道の真理なんです。自分から技を出していくと、相手は「くっそー、打たれた。打ち返さなきゃ」という心理になります。
殴られたら殴り返したくなる、触られたら触り返したくなる、これが人間の自然な心理です。
惜しい技の後は打ち返しやすくなる
基本的に惜しい技を打った後は、相手が打ち返しやすくなります。また、2本3本と自分から技を打っていった後も、相手が打ってきやすくなります。
もちろん、レベルが上がればこれが絶対というわけではありません。
ずっと我慢している相手や、待つことが先導スタイルの選手もいるので注意が必要です。
しかし、心理的にはこういう状態になりやすいという大前提を理解しておくことが重要です。

仕掛け技と応じ技のバランス
五分五分では試合が動かない
私が自分から打っていって、相手が打ち返してきて、また打っていって、打ち返してきて…というパターンだと、これはずっと五分五分の状態です。
そのため、どちらかというと仕掛け技が多くなっていきます。
守っている相手にも打ち返してほしいので、まず打つパターンを増やします。
攻めてくる相手への対応
逆に、相手がどんどん仕掛けてくるパターンの時は、私も意外と打ちに行きます。
攻められ続けるというのは試合展開的に厳しく、それをさばき続けるのもかなり厳しいからです。
かかり稽古のようにどんどん打ってくるタイプには、私もできるだけ対応して打っていくようにしています。
そして落ち着いた時に狙うという感じです。
私の技の割合
比率で言うと:
- 仕掛け技:約6割
- 応じ技:約4割
ただし、相手によっては5分5分くらいになることもあります。「相手によって変わる」というところだけ押さえていただければいいと思います。
場面によって技の割合が変わる
団体戦や個人戦での違い
団体戦の場面や、個人戦で1本取っている場面、あるいは1本取られている場面では、試合展開が変わってきます。
絶対に取り返さないといけない場面
団体戦で絶対に取り返さないといけない、個人戦で1本取られているから絶対に取り返さないといけない、こんな場面で待っていては絶対にダメです。
攻め、仕掛け技が7割、8割になってくる可能性があります。
私の場合は8割、9割くらい仕掛け技になってくるんじゃないかと思います。
ただし、相手も狙ってくるので、仕掛け技の中で応じ技を狙ったりする必要もあります。ここがちょっと難しいところです。
1本リードしている場面
逆に1本リードして守ることができる場面では、応じ技の方が多くなってくるんじゃないかと思います。
相手が面小手を打ってくるのを予測して:
- 相小手面
- 小手返し面
- 抜き胴
こういった技を狙っていくと打ちやすくなります。
守るだけではダメな理由
守るだけだと、どうしても相手ペースに巻き込まれていきます。惜しい、惜しい、惜しいとなってくると:
- 審判の先生も旗を上げやすくなる
- 審判の判定が軽くなってくる
- 「こいつ守ってるな」と思われて反則を与えられる
こういったことが起き得ます。
守っているように見せて狙う
そのため、できるだけそういったことを見せないように、守っているようで狙っておく、狙っているように見せて狙っていない、というところを使い分けることができると非常にいいと思います。
小学生剣士へのアドバイス
特に小学生は、これが分からないままやっていると交通事故が多発してしまいます。
一斉に打ってしまって、スピードが速い相手に負けてしまうのです。
相手が来るところは簡単に返せるのですから、それを利用しない手はありません。
仕掛け技と応じ技の使い分けを意識しながら試合をすると、かなり試合が楽になってきます。
まとめ:試合を有利に進める技術
今回は「仕掛け技と応じ技の試合での割合」についてお話しさせていただきました。
結論は:
ぜひ、仕掛けるとき、守るとき、応じるとき、こういったところも意識しながら試合をしてみてください。
これができるようになると、試合運びが格段に楽になります。
メリット
- 相手のタイプに応じた戦術が組める
- 試合展開を自分でコントロールできる
- 審判の印象を良くできる
- 心理戦で優位に立てる
- 交通事故(同時打ち)を減らせる
デメリット
- 相手を見極める観察力が必要
- 瞬時に戦術を変更する判断力が求められる
- 初心者には使い分けが難しい
- 守りと攻めのバランス調整に経験が必要
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