📢 講演会・稽古会のご依頼はこちらをクリック

胴技の打ち方|梶谷彪雅が教える基本から応用まで

このnote投稿は2025年1月21日voicyの音源の内容をもとに作成したものです。

胴技って難しくないですか?

基本的な胴打ちの考え方から応用技まで、プロ剣道家・梶谷彪雅が深掘りします。

返し胴、抜き胴、飛び込み胴、逆胴…これらの技を使い分けられれば、試合の組み立ての幅が劇的に広がります。

彪進会の胴打ち解説はこちら

胴打ち解説動画はこちら

目次

胴技が難しい理由|4つの基本パターンを整理しよう

相手が来る時に打つ返し胴抜き胴、そして自分から攻める飛び込み胴逆胴

胴技にはいろいろな打ち方がありますよね。

だからこそ、どの技をどんな時に使うのか。この使い分けが難しいんです。

ここから、梶谷彪雅が実践している胴技の考え方を、一つひとつ解説していきます。

胴技の基本①|返し胴と抜き胴の違いを徹底比較

返し胴とは|相手の面を完全に防ぐ戦略

返し胴は、相手が面に来てくれるのに対して、避けて返すという打ち方です。

相手の面を完全に防ぐことができるというメリットがあります。

ただし注意が必要です。

避けた時に返し胴のモーション・動作がバレてしまうと、逆に返し胴を避けられやすくなるんですよね。

よく面を打ち切ってくれる人なら対応できるんですけれども、面を打った瞬間に面を途中でやめる選手もいます。

そうするとどうしても返し胴が打てなくなるんです。

ここで大事なのは「返し胴だと分からないように返し胴を打つ」というのが非常に大事なポイントです。

これはちょっと難しいポイントなので、後ほど詳しく説明しますね。

抜き胴とは|相手の面を開けてチャンスを作る

抜き胴は、自分が少し面を開けてあげるイメージです。

相手が面を打ちやすい状態を作りながら、相手が面を打ち出している時には、自分はすでに胴のモーションに入っているんですね。

ちょうど面に来る瞬間ぐらいに、自分の竹刀が相手の胴に当たっているという感じが、抜き胴の理想的な打ち方です。

返し胴 vs 抜き胴|比較表で整理

項目返し胴抜き胴
相手との位置関係相手が前に来ている自分が前に誘う
タイミング面が来た瞬間に避ける面を打ち出す瞬間に打つ
リスクモーションがバレやすい読み間違えると面を打たれる
相手の選別面を打ち切ってくれる相手反応が早い相手

返し胴のメリット・デメリット

返し胴のメリットは、相手の面を完全に防ぐことができる点です。

しかし相手にモーションがバレると、返し胴を避けられやすくなってしまいます。

返し胴のデメリットは、相手が面を打つのをやめてしまったら、返し胴を打つ機会を失うことですね。ここが難しいポイントです。

抜き胴のメリット・デメリット

抜き胴のメリットは、自分から誘い出すので、相手のモーション読みやすくなる点です。

また返し胴よりも、面に当たるリスクが低いんですね。

ただし抜き胴のデメリットは、相手の反応が早かったり、読み間違えたりすると、面を打たれるリスクがあることです。

つまり一長一短ということですね。

相手が面が得意だなとか反応が早いなという相手であれば、抜き胴という選択肢になります

しっかり面を打ち切ってくれるというのであれば、返し胴という選択もできます

胴技の基本②|じゃんけんで理解する返し胴と抜き胴

抜き胴はどちらかというとじゃんけんみたいなイメージですね。

返し胴はどちらかというと後出し胴というイメージです。

返し胴 = 後出しじゃんけん

ただ後出しじゃんけんにもデメリットがあるんです。相手にバレるんですね。

例えば自分がグーを出すじゃないですか。

グーを出して相手がパーを出そうとする瞬間に、僕もパーに変えるみたいなイメージですね。

引き分けして相殺するイメージです。

自分が後出ししようと思って返し胴を打とうと思ってパーを出すんですけれども、やばい、これはパーだと思って自分もパーに変えるという。

後出しじゃんけんにさらに後出しをするような事ができるんです。これが返し胴のデメリットだと思います。

強い選手の「後出しの後出し」戦略

もちろん強い選手は、面打つ瞬間に「やばい、胴だ」って思った瞬間にグーを出そうと思って、面打ちのグーを出そうと思ったけど「うわ、やばい、パーで返される」って思った瞬間に、面フェイントに変えるんですね。

さらにパー出してくるのにチョキで後出しをするような選手も出てくるんですよ。

ここは何回も何回も経験を積まないと分からない部分なんですが、そういったこともできるよということですね。

胴技の応用①|飛び込み胴で相手の手元を上げさせる

飛び込み胴は、自分が攻めることによって相手の手元を上げさせるんです。

例えば面が得意だったら、自分が一歩入ることによって手元を上げさせておいて、胴打ちを狙っていく。これが飛び込み胴ですね。

飛び込み胴の作り方|面を打つふりをする

基本的にはこの「一歩入るときの作り方」というのは、まず僕の場合だったら普通の面を打っておきます。

あるいは押さえて面打ちするように、表から押さえて面打ちしながら一歩入ることによって「うわ、この入りは面打ちだ」と相手に思わせるんですね。

そして手元を上げさせて、胴を打つ。こういった方法があります。

これは逆胴にも応用できます

一歩入って面を打つ。そうすることによって手元を上げさせて逆胴を打つというようなことができると思います。

胴技の応用②|コテ胴とリスク管理

もう一つが「コテ胴」ですね。

よくコテを使う人で「面打ちがちょっと苦手だけど、でもコテを打つんだよね」という人はコテ胴。これ結構有効な技になると思います。

コテを打つことによってコテ返し面だったり、コテ面だったり、回し面だったりそういった技を狙ってくる選手がいると思うので、ここで使うのがコテ胴ですね。

コテ胴を打つ時の注意点|強く打ちすぎない

コテ胴を打つときに大事なのが「しっかりとコテを打たない」ということです。

コテ打ちを強く打とうとしてしまうと、どうなるかというと、どうしても次の胴技までの時間がかかってしまうんですよね。

これで僕実際に負けたことがあります。

コテ胴を打とうと思って後に返す。コテ返し胴を打とうと思ったので避けるのが間に合わずに、返し面の方が早くて面を打たれてしまうということを実際経験したことがあります。

なので、できればコテ胴の時はコテ返し胴じゃなくて、普通にコテ胴の方が早くは打てます。

ただ僕は返した方が打ちやすかったのでコテ返し胴にしたんですが、打たれてしまった。

ちょっと難しいところですね。

コテ胴が有効な相手

コテ面とかコテ返し面に対してコテ胴を打つというのは非常に難しい技ではあるんですが、そういった応用技を打ってくる相手に対しては結構有効になります。

あるいはコテ打ちが得意な人にはかなり有効な技になるんじゃないかなと思います。

胴技の応用③|逆胴を武器にするコツ

そしてできれば逆胴もしっかり練習しておくと、技のバリエーション、試合の組み立ての幅が広がると思います。

基本的には「面打ち」「コテ打ち」「胴打ち」だと思うんですが、逆胴というのは「三所隠し」とか「手元をよく上げる相手」とかそういう相手にどうするかというと、逆胴を打つしかないんですよね。

逆胴・逆胴フェイント面はこちら

学年別の逆胴の有効性

特に小学生はあまり三所隠さないかな。

結構技打ってくるタイプが多いので、中学生ぐらいが一番有効かな。

手元をしっかり守ろう、守ろうという気持ちが出てくるんですね。

高校生になってくると突きとかもあるので、逆胴じゃなくてもいいんですが、僕は突きよりも逆胴の方がリスク低いんじゃないかなと思っています。

梶谷彪雅の得意技:逆胴フェイント面

僕が得意技が「逆胴フェイント面」があるので、逆胴を打つことによって逆胴フェイント面の有効性も出てくるというところで得意な技となっています。

逆胴の打ち方|実践的なコツ

逆胴の打ち方を少し紹介すると、打つ時にしっかりと音を鳴らすというところはこれはもう打ち方というか何回もやっていくしかないんですが、その時に打つじゃないですか。

逆胴に当たりますよね。

当たった後に左手を脇の下に引くというようなイメージで打つと、引っかかりにくくなります。

どうしても腕だけで切り抜こうと思うと、うまく切り抜けないので、左手を脇の下にちょっと持ってくるような、引くようなイメージで打つと、意外とですね、つまらずに打つことができます。

打った後の位置取り|前に詰めることが重要

打った後、前に行くか後ろに行くかというところなんですが、僕は前に行きます。

どうしても後ろに行ってしまうと相手から追いかけられてしまって、後打ちを打たれるということにもなってしまうので、できるだけ早く前に詰めるというようなことを意識しております。

梶谷式|返し胴・抜き胴の「前に行かない」原則

ここまでは基本的な胴技の打ち方を解説してきました。

ここからは、プロ剣道家・梶谷彪雅が実際に意識していることをお伝えしていきます。

胴技の原理原則を思い出す

基本的に胴技の原理原則覚えておりますでしょうか。

ちょっと頭の中で思い浮かべてください。

胴技を打つ時に大切なことですは、「前に行かないということ」でしたね。

前に行ってしまうと詰まってしまうので、基本的に返した後に前に行ってしまわないということを意識してください。

返し胴は前に行ってはいけない理由

これ抜き胴と一緒に解説すると分かりやすいんですが、抜き胴は前に行っていいんですよ返し胴は前に行っちゃダメなんですよ

どちらも一応胴技です。

胴技は基本ベースは「前に行かない」ですが、抜き胴は前に行ってもいいんですよ。

ちょっと矛盾してないって思われるかもしれませんが、先ほど伝えたように返し胴は相手が面に来るのに対してこちらは避けます。

つまり相手の面はすでに目と鼻の先まで来てるわけですよね。

それをギリギリで返さないといけない。

面に来てるということは相手の体はもうすでに前に来ている状態にあります。

だから自分もそこで前に行ったら詰まってしまうよ、というのがこの返し胴の考え方ですね。

抜き胴は自分から誘うので前に行ってもいい

逆に抜き胴の場合、抜き胴というのは相手を待つのではなくて自分から誘い出すんです。

つまり自分が前に行きながら胴に行くんですよ。

相手が面に打とうとする瞬間に、相手は胴に当たるぐらいの感じですね。

ちょっと飛び込み胴に似てるかもしれません。

飛び込み胴の打ち方のように誘って抜き胴を打っていくというような形になるので、だから自分が多少前に行ったとしても相手はまずは完全に体が出てくる前に打っていくというのが抜き胴と返し胴の違いですね。

誘い方が全く違う

誘い方はもちろん全然違いますよ。

返し胴だったら相手が張り合うぐらいの前にグッと入ってあげないといけないし、抜き胴だと面打ちやすいような感じで打ってあげないといけません。

誘い方とか作り方は若干違う部分があるので難しいんですが、こういった打ち方、抜け方、体の出し方、待ち方というのが全然変わってくるよというところですね。

梶谷式|打った後の体の動き|右に抜ける角度の違い

そして打った後も全然違います。

返し胴の場合は僕の場合ですよ、ほぼ真右に抜けます

右に抜けていくような感じですね。

抜き胴の場合は打って若干斜め右前ぐらいでいいかなというイメージです。

返し胴で真右に抜ける理由

なぜなら返し胴は先ほども言ったように相手が前に来ている状態で、その場で打つんですけれども、その場で打った後に前に行くと、これまた詰まったように見えるんですね。

だから真右に抜けるほぼ直角に右に抜けていくようにすると、引っかかりにくくなります。

足掛けへの対応

上に今までの場合はあまりいないんですけれども、「足掛けをしてくる選手」ですね。

胴を打った瞬間にやばいと思って足を掛けてくる選手がいるんですが、そういったのにも対処することができるんです。

さらに切れがよく見えるので、しっかりと切ったように見えるので、こういった練習をするのは非常にいいんじゃないかなと思います。

梶谷式|腰の回転で切れを変える

この返し胴、抜き胴両方打つときに大事になるのが「腰の回転を使うこと」ですね。

手だけで打とうとしてしまうと、どうしても詰まったようになっちゃうんです。

腰の回転で竹刀のスピードを変える

腰の回転でいかに胴に当たってから竹刀が前に行くまでのスピード。

ここがすごく大事なポイントになると思っています。

胴に当たっている時間が長いと、どうしても一歩になりづらい。

切れが悪く見えるというところのポイントがあります。

なので打ってから一早く胴から竹刀を前に持ってこれるか。

これを意識してやってみてください。

これだけで胴の切れが全然変わってくるので、意識してみるといいと思います。

梶谷式|飛び込み胴とコテ胴は「作り」が勝負

飛び込み胴とコテ胴についてはね、これはやはり打つ前の「作りの方が大事」なので、いかに面を打てるか、いかにコテを出しておけるか。

相手によってコテ返し面打ってくる相手にコテ胴を打つのか、相手の手元が上がるからどう打つのか、というこの見極めが非常に大切になってくるんです。

すごく難しいポイントですね。

難易度はすごく高いと思いますが、手段として持っていると手元が上がる相手にはかなり有効な技になります。

大人でも手元は上がる

大人になってくると「手元を上げない」という選手が増えてくるので、ちょっと難しいかもしれませんが、それでも大人の人でもやっぱりね、前にグググッと入っていくと最後は上がるんですよね。

ずっと構えてる人はしっかり前に入ってね、竹刀を制圧して面技を出していっておけば手元が上がる相手多いですよ。

前に入った時の技の選択肢

だからグググッて入っておいて面技を打つ。

ただ技を打ってくる選手もいるんですよね。

先生もいらっしゃるんですよね。グググッて入ってうわ、さっき前に入ってきてるんですよ。

上がっていくから、面来た、じゃあそこに対して技を打ってやろう。出ばな面打ってやろう。って思うからです。

だからここで「抜き胴」なんですよ。

グググッて入ってあげて抜き胴とか、グググッて入ってあげて返し胴とか、そういった選択肢になってくるんですけど、それでも打ってこない相手。

グググッて入って手元を上げる相手には「飛び込み胴」「逆胴」こういった技が有効になってくると思うので、ぜひ稽古で活用してみていただきたいなと思います。

まとめ:胴技で試合の組み立ての幅を広げよう

本日のポイント:

  • 返し胴と抜き胴の違いは「避けるか避けないか」と「前に行くか行かないか」にある
  • 飛び込み胴、コテ胴、逆胴を習得すると、試合の組み立てが劇的に変わる
  • 梶谷彪雅は「腰の回転」と「左手の引き」を意識して、胴技の切れを研ぎ澄ましている

今日からあなたが実践すべきこと

ちょっと今日はかなり踏み込んだところまでお伝えさせていただきましたが、実際には引き胴にも触れていきたいところです。

胴技たくさんあると思いますので、引き胴とか引き逆胴で意識していることもあります。

ただ今日、引き胴、引き逆胴までいっちゃうと頭の中がパンクすると思うので、今日は返し胴、抜き胴、飛び込み胴、コテ胴というところを稽古で実践していただきたいです。

大事なのは「稽古の中で何度も反復すること」です。

返し胴であれば「前に行かない」という原則を意識する。

抜き胴であれば「腰の回転で竹刀を前に持ってくるスピード」を意識する。

一つの技に対して、複数の意識を持つことで、その技は本当の意味で「あなたの技」になるんですね。

最後に

本日も最後まで聞いてくださり、本当にありがとうございました。

梶谷彪雅の考え方や技術が、少しでもあなたの稽古のお役に立てたなら嬉しいです。

剣道は「気の出し方」「足の運び方」「竹刀の扱い方」など、様々な要素が複雑に絡み合っています。

その中でも胴技は、相手との間合い、タイミング、読み合いなど、剣道の本質をすべて詰め込んだ技なんですね。

だからこそ、胴技を極めることで、あなたの剣道全体のレベルが上がっていくんです。

それでは、稽古頑張ってくださいね。

日本一の経験をすぐに聞ける環境に!
あなたの剣道を変える。

剣道で本当に強くなりたいですか?

梶谷彪雅が あなたの試合を個別分析 し、具体的な改善点を直接アドバイスします!

📊 2つのメンバーシップ

プレミアム会員(990円/月)

  • 梶谷による個別試合分析
  • 限定チャット参加権
  • 日々の成長を共有する「剣道ノート部屋」
  • 限定映像・活動報告

サポーター会員(290円/月)

  • 剣道普及活動への応援
  • 限定映像・活動報告

⏰ なぜ今すぐ参加すべきか

現役生の練習時間は限られています。

何を直せばいいか分からない稽古を続けますか?
それとも日本一の視点で課題を明確にし、確実に成長しますか?

「昨日の自分を超える」仲間と一緒に、本気で剣道に向き合いませんか?

よかったらシェアをお願いします
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次