手首の強化より重要!剣道の竹刀操作が劇的に変わる技術とは

「手元を上げた相手に小手を打てない」
「面フェイント裏面が打てない」
「逆胴フェイント面が上手くできない」
といった悩みをお持ちの方から、
「梶谷さん手首が柔らかいですよね?」
「どうやったら手首が柔らかくなりますか?」
という質問をいただきます。
しかし、実は手首の柔らかさには人間の限界があり、それよりも重要な要素があります。
今回は剣道における手首強化と竹刀操作の真実について、詳しく解説していきます。


手首の柔らかさには限界がある【驚愕の事実】
まず結論からお話しします。手首の柔らかさって人間上限があると思うんです。
どんなに柔らかくても、手首を曲げた時に腕の方についたり、前に曲げた時に上腕の方についたりするのが精一杯です。
実際に私も90度ぐらいしか曲がりません。
手をグッと前に伸ばして手首を引っ張っても90度ぐらい、逆に手首をグーッとした状態で前に引っ張っても、やはり90度ぐらいが限界です。
ということは、手首の柔らかさってそこまで関係ないんじゃないか?というのが今回の重要なポイントです。
従来の手首強化トレーニングのメリット・デメリット
一般的に推奨される手首強化には以下のような側面があります:
【メリット】
- 強い打突ができるようになる
- 腕を使わずに打突が可能
- 打突音が向上する
- 避けている上から打突ができる
- 手元を上げた相手(難しい角度)に対応できる
【デメリット・注意点】
- 手首強化に時間がかかる
- 強くなっている事が実感しにくい
- 怪我をする可能性がある
- 腱鞘炎や軟骨損傷(TFCC損傷)のリスク
特に注意が必要なのがデメリットの部分です。
手首は他の部位に比べて筋肉が少ない為、無理をすると怪我に繋がりやすい箇所です。

竹刀操作の真実|重要なのは腕の使い方と左拳の技術
では、自由自在に竹刀を操るために何が重要なのでしょうか?
答えは腕の使い方です。
特に左拳の使い方や右手の使い方、その技術を学べば、別に手首が特別柔らかくなくても十分対応できます。
左拳を竹刀に対して平行に動かす技術
相手が避けた時、面を避けた時って手元上がりますよね。手元上がった時に小手が見える状態になります。
この時、左手を竹刀に対して平行に当てていくということが重要なポイントです。
右手が上がってるのが竹刀の避けに対して、左手を竹刀に対して平行に動かす技術を身につけることが、竹刀操作の核心となります。
手首を固めた状態での打突技術
意外かもしれませんが、私の小手打ちではほぼ手首が上下していません。曲げたりもしてないです。
固めた状態で打突しています。
これはちょうど、拳でパンチする時と同じ原理です。手首を曲げた状態でパンチしたら、力が分散してしまいますよね。パンチする時と同じように手首を固めた状態で打つのが正解です。
その時に腕や体、肩を一緒に動かしていく、あるいは胴体部分を動かしていく。そんな使い方をしています。
強い打突を生む4つの重要要素
手首だけで打とうとすると、実は強い打突は出来ません。
以下の4つの要素を組み合わせることが重要です:
1. 手首を固めて握力・手の内で打突
手首を固めて握力・手の内で打突したり、腕の力で落とす意識をする
2. 重心移動を活用した打突
重心移動を活用し、重心を落としながら打突をする
3. 踏み込みの強化
踏み込みを強くすることで、手首が固まっていても強い打突ができ、強く見せることもできる
4. 左肘も一緒に動かすイメージ
左手の使い方として、手首を固めた状態で左腕、左肘も一緒に動いていくイメージを持つ
逆胴フェイント面での竹刀操作法
逆胴フェイント面の場合も、実は手首を固めています。
手首を動かしながらフェイントするというよりも、手首は同じ状態を保ったまま行います。
逆胴フェイントして打つ時、打突の瞬間の最後のインパクト部分だけ手の内を使うのがポイントです。
引き面も打つ瞬間だけは手首を入れたりしますが、動かす時、フェイントする時というのは、基本的には手首は同じ状態であるということを覚えておいてください。

安全で効果的な手首トレーニング方法
怪我を防ぎながら効果的に手首を鍛える方法をご紹介します。
【最重要】手首のストレッチ方法
トレーニング前には必ずストレッチを行ってください。怪我をしたら元も子もありません。
簡易ストレッチ3種
- 椅子に座ってストレッチ:太ももに手を置き、指先を体の方に向けて肘を伸ばし、体重を後ろに掛ける
- 直立状態でのストレッチ:片腕を肩の高さまで上げ、反対の手で指先を持ち、手の甲を体の方に引き寄せる
- 正座姿勢でのストレッチ:正座で床に手をつけ、指先を体の方に近づけて体重を後ろに掛ける
器具を使わないトレーニング
グーパートレーニング
- 肩の位置まで腕を真っ直ぐ伸ばす
- グーパーを100回程度繰り返す
- 1~5分休憩後、2~3セット行う
- 慣れてきたらお風呂の中で負荷を高める
リストプッシュアップ
- 腕立て伏せの姿勢で両手を握り拳にする
- 曲げ伸ばし運動10~30回
- 最初は膝をついても良い
器具を使うトレーニング
リストカール・リバースリストカール
ダンベルを使用し、手の平を上向き・下向きで行う基本的なトレーニング。1kgからでも良いので、徐々に重量を上げていくことが重要です。

『リストカール』のやり方
- 床や椅子に座ってダンベルを持つ
- (手の平を上に向ける)
- 太ももに前腕の外側を固定する
- (手の平を上の状態)
- ダンベルを握った拳を膝より前に出す
- 手首をそらせた状態から手首を内側に曲げていく
- 曲げ終わったら手首を
元の状態にゆっくり戻す - 「手首を曲げる」「戻す」運動を
10回〜30回行う - 1分〜5分休憩(インターバル)
- 2セット〜3セット行う
パワーボール
遊び感覚でトレーニングができ、テレビを見ながらでも手首を鍛えることが可能。
遠心力を利用した効果的なアイテムです。

その他にも
たくさんのトレーニング方法があります!
『リバースリストカール』のやり方
- 床や椅子に座ってダンベルを持つ(手の平を下に向ける)
- 太ももに前腕の内側を固定する(手の平を下の状態)
- 「膝より前に」ダンベルを握った拳を出す
- 手首を曲げた状態から手首を外側にそらせていく
- そらせたら手首を元の状態にゆっくり戻す
- 「手首をそらせる」「戻す」運動を10回〜30回行う
- 1分〜10分休憩(インターバル)
- 2セット〜3セット行う
「リストカール」より負荷が強いトレーニングなので、最初から無理をし過ぎないようにしましょう。
リストカールより「インターバル」を長く取ったり、「回数を減らす」など工夫が必要です。
『スピネーション』
『スピネーション』はダンベルの真ん中では無く、両端のどちらかを握り、「手首を回転」させる事で鍛える方法です。
『スピネーション』のやり方
- 床や椅子に座ってダンベルを持つ
- 太ももに前腕の内側を固定する(手の平を下の状態)
- 「膝より前に」ダンベルを握った拳を出す
- 手首を外側に回転させる(外側に行き過ぎると怪我に繋がる)
- 回転させた手首を元の状態にゆっくり戻す
- 「手首を回転させる」「戻す」運動を10回〜30回行う
- 1分〜10分休憩(インターバル)
- 2セット〜3セット行う
スピネーションでも、片手素振りでも使えるダンベルはこちら!

『プロネーション』
『プロネーション』はスピネーションと同様に、ダンベルの両端どちらかを握ってトレーニングをする方法です。
「リストカール」「リバースリストカール」のように、「前腕の内側を下」か「前腕の外側を下」にするのかの違いがあります。
『プロネーション』のやり方
- 床や椅子に座ってダンベルを持つ
- 太ももに前腕の外側を固定する
(手の平を上の状態) - 「膝より前に」ダンベルを握った拳を出す
- 手首を内側に回転させる
(外側に行き過ぎると怪我に繋がる) - 回転させた手首を元の状態にゆっくり戻す
- 「手首を回転させる」「戻す」運動を
10回〜30回行う - 1分〜10分休憩(インターバル)
- 2セット〜3セット行う
『ウルナ・フレクション』
ウルナ・フレクションは手首だけなく、「尺側手伸筋」「小指伸筋」「尺側手屈筋」を一緒に鍛える事が出来ます。
プロネーションと違って、直立した状態から行うのがポイントです。
『ウルナ・フレクション』のやり方
- 直立状態でダンベルの端を持つ
- 手の甲を外側に向ける
- 手首を力でダンベルを持ち上げる
(重い方を後ろ) - 「持ち上げる」「戻す」運動を
10回〜30回行う - 1分〜5分休憩(インターバル)
- 2セット〜3セット行う
『ラジアル・フレクション』
ラジアル・フレクションは手首だけでなく、「橈側手根屈筋」「長母指外転筋」「橈側手根伸筋」を一緒に鍛える事が出来ます。
ウルナ・フレクションではダンベルの「重い方が後ろ」ですが、ラジアルフレクションは「重い方を前」にします。
『ラジアル・フレクション』のやり方
- 直立状態でダンベルの端を持つ
- 手の甲を外側に向ける
- 手首を力でダンベルを持ち上げる
(重い方を前) - 「持ち上げる」「戻す」運動を
10回〜30回行う - 1分〜5分休憩(インターバル)
- 2セット〜3セット行う
効果的な竹刀を使った手首ストレッチ
手首の可動範囲を広げたい場合は、竹刀を持った状態で左右に回すストレッチが効果的です。
打突するようなイメージで竹刀を持った状態で、8の字のような感じで左右に回してみてください。これで少しずつ可動範囲を広げていくことができます。
よくある手を伸ばした状態での手首の素振りも、100~200回程度で十分効果があります。


手首を太くする為の栄養戦略
手首周りは軟骨が多いため、カルシウムを意識的に摂取することが重要です。
カルシウム豊富な食材
- 乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズ)
- 大豆製品
- 魚介類
特にヨーグルトメーカーを活用して毎日ヨーグルトを摂取することで、効率的にカルシウムを補給できます。
甘いヨーグルトが好きな方は、砂糖ではなくオリゴ糖を使用することをおすすめします。
怪我の予防と注意点
手首強化で最も注意すべきは怪我の予防です。
「腱鞘炎」「軟骨の損傷(TFCC損傷)」になってしまうと、一度発症すると治りにくく、強化目的のトレーニングの影響で
「試合に出られない」
「練習が出来ない」
という本末転倒な状況になってしまいます。
実際に私も高校時代、軟骨の損傷になり、痛くて風呂桶も持てない、ドアノブも開けられない状態を経験しました。
短期的に練習を休んでも治らず、痛みを我慢しながら稽古する状態が続きました。
まずは自己分析を行い、手首が「強いのか」「弱いのか」を把握し、無理な練習をやり過ぎていないかを確認しましょう。
まとめ:手首より腕の使い方と体重移動が剣道上達の鍵
今回の内容をまとめると、手首の柔らかさには人間の限界があるため、それよりも使い方の方が重要だということです。
腕の使い方、角度、体重を乗せることが何より大事で、体重の乗せ方、打つ瞬間の手の内、腕の使い方の素振りの方が、単純な手首の柔軟性よりもはるかに重要になります。
手首のストレッチで可動範囲を広げるなら竹刀を左右に振って、少しずつ可動範囲を広げていくという程度で十分です。
ぜひこれらのポイントを意識して練習してみてください。
📋 記事のまとめ
🎯 読者が得られる内容
- 手首の柔らかさよりも重要な竹刀操作の技術
- 左拳を竹刀に平行に動かす具体的な方法
- 手首を固めた状態での効果的な打突法
- 安全な手首強化トレーニングとストレッチ方法
- 逆胴フェイント面での竹刀操作のコツ
- 重心移動と踏み込みを活用した強い打突技術
- 怪我を予防しながら効果的に練習する方法
✅ メリット
- 手首の柔軟性に頼らない安定した技術が身につく
- 小手打ちや逆胴フェイント面の精度が向上する
- より強い打突力を発揮できるようになる
- 怪我のリスクを減らした合理的な動作が習得できる
- 従来の手首強化法と技術的なアプローチを両方学べる
- 安全なトレーニング方法で継続的に上達できる
⚠️ デメリット・注意点
- 新しい技術習得には継続的な練習が必要
- 従来の手首重視の指導法との違いに戸惑う可能性
- 手首強化トレーニングには怪我のリスクが伴う
- 腱鞘炎やTFCC損傷などの深刻な怪我の可能性
- 効果を実感するまでに時間がかかる場合がある
本日も皆様にとって最高の一日になりますように。今日も頑張っていきましょう!
チャンネルメンバーシップのお願い!
現在Youtue活動をする中で『剣道普及・世界普及』を目指して活動をしております。
今後も発信し続けることができるように剣道普及のサポート『支援』をお願いします!
私がこのチャンネル『梶谷彪雅-剣道KENDO-』をどんな目的で発信しているかをお話させていただくと
1つ目:剣道の楽しさや魅力を、実践映像などをご覧いただくことによって、より多くの方に知っていただくこと
2つ目:剣道を実際にやっている子供たちが、もっと楽しく、もっと希望をもって剣道ができるような環境を整えていくこと
3つ目:日本国内だけでなく、世界中に剣道という武道の持つ魅力を、言葉がなくても伝わる映像を用いることによって、伝えていくこと
こんな目的をもって活動しています。
そしてゆくゆは、国内外での人気や認知が高まって、もっともっと国際的な競技になった暁には、今ある以上に大規模な、高額賞金の出るような世界大会を開催することを、最終的な目標としています。
剣道に打ち込んだ結果が、そのまま将来に繋がっていくような、選択肢をより広げてあげられる未来作りを目指しています。
そして今回、この最終目標に向かって活動を継続していくために必要な資金を、メンバーシップの寄付という形で、ご協力をお願いさせていただくことにいたしました。
私の志にもし賛同して、応援してくださる方がいらっしゃれば、是非、ご協力を賜りたく、お願いいたします。
いただいたご寄付は撮影にかかる費用、交通費や宿泊費、取材費などに使わせていただきます。
メンバーシップと言いましても、基本的には寄付のお願いになるので、ご参加いただけば何かとてもいいことがあるとは言えませんが、本当に心ばかりの感謝の気持ちとして、メンバーシップ特典として、撮影の裏側やNGの切り抜きなど、メイン動画では出せないような映像や情報を、不定期にはなりますが、ご覧いただけるようにいたします。
また、いただいた寄付で行った活動報告を、定期的にして参ります。
もちろん、活動の継続に必要なものは金銭面ばかりでなく、志を共にしてくださる仲間や、応援してくださる方がいることが第一歩なので、メンバーシップの寄付という形にこだわらず、一緒に盛り上げていただければ本当に嬉しいです。
ただその中でも、メンバーシップにご参加いただくことで、より充実した内容の動画投稿や、たくさんの場所や選手への取材ができたりと、活発な活動ができるようになりますので、ご助力いただけましたら幸いです。
引き続き頑張って参りますので、、益々の応援を、よろしくお願いいたします!どうぞご協力をお願いいたします!