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剣道における「気」とは何か?声を出すだけでは不十分な理由

このnote投稿は2025年7月10日voicyの音源の内容をもとに作成したものです。

本日のテーマは「気を出す練習方法」についてお話しさせていただきます。

剣道において特に重要なこのテーマですが、実は生き方や仕事といった人生のあらゆる場面にも通じる普遍的な内容だと考えています。

「もっと気を出せよ」「気合い入れろよ」と指導される場面は多いのではないでしょうか?

しかし、この「気」とは一体何なのか、どうすれば気を出せるのかを具体的に説明できる人は意外と少ないのが現実です。

単に声を出せばいい、叫べばいいというものではありません。

相手を圧倒する気合いの出し方と、逃げる時の「キャー」という叫び声では、同じ声でも全く質が異なります。

相手に威圧を与える声と恐怖から発する声は、明らかに違うエネルギーを持っているのです。

この「気」というものは目に見えないけれども、確実に人を動かす力だと私は考えています。

そして重要なのは、気はちゃんと練習すれば鍛えられるという事実です。

今日はその気を出すための具体的な練習方法を3つ紹介させていただきます。

目次

練習方法①:呼吸を整える|「気」は「息」から生まれる

「気」の漢字に隠された意味

東洋の思想では、気はエネルギーであり、呼吸そのものだと言われています。

「気」という漢字について、興味深い話があります。

昔はもともと「気」の下部分は「米」という漢字だったという説があります。

これが戦後、GHQによって日本の弱体化を図るために「占める」という字に書き換えられ、日本人の精神が八方向に広がる意味を封印して、閉ざす意味に変えられてしまったとも言われています。

ただし、これはあくまで一説であり、真偽のほどは定かではありません。

今回お伝えしたいのはこの歴史的背景ではなく、気を整えるには、まず呼吸を整えることが極めて重要だという事実です。

浅い呼吸では気迫は伝わらない

剣道で「面」や「小手」を打つ瞬間、浅い呼吸のまま打突しても相手に気迫は伝わりません

だからこそ、しっかりと息を深く吸って、よく言われる「腹から声を出す」ことが必要になります。

しかし私が考えるに、腹からだけでは本当に大きな声は出ません。

腹、肺、そして最後に喉も少し締めるイメージが重要だと思っています。そうすることで空気が震えるような迫力が生まれるのです。

声の出し方:喉を締める重要性

実際に試してみてください。

稽古中に大きく息を吸って、喉を閉めずに出していくと、話している時の「おー」のような声になります。

大きな声を出そうと思っても、どこかこもったような声になってしまうはずです。

対して、「キャッ!キャッ!」「キャー!キャー!」と本当に叫ぶようなイメージで声を出してみてください。

この「キャ」の時は、「お」よりも喉が締まっているはずです。

だからこそ、腹だけでなく、肺や喉を締める技術も必要なのです。

呼吸と話し方の関係性

私もよく早口になりがちなのですが、早口になってしまう人は呼吸が浅くなっているのです。

少しゆっくり喋る意識をすると、息継ぎの間で適度な間ができて、聞きやすい音声になります。

早く喋っていると息継ぎが浅くなります。

しっかりと息を吸って喋ることで、自然とゆっくりになり、伝え方も声の音量も変わってきます。

これが気を出すための非常に重要なポイントです。

練習方法②:姿勢を正す|猫背では大きな息が吸えない

姿勢と呼吸量の密接な関係

姿勢を正すことも、意外と見落とされがちですが重要な要素です。

姿勢が悪く猫背になってしまうと、腹部が収縮されて大きな息を吸えません

背筋をしっかりピンと伸ばして目がキリッとしている人は、自然と気が出ているものです。

猫背の人は少し暗い雰囲気がありませんか?

逆に、いつも生き生きとしている人は廊下を歩く時も胸を張って歩いている、そんな印象を受けるはずです。

呼吸の吸う量は姿勢に直結しているのです。

剣道の立ち姿が私生活にも影響する理由

だからこそ、剣道における立ち姿、歩き方、構え方といった要素が、剣道以外の社会人としての私生活にも繋がってくると私は考えています。

名前を呼ばれた時に「はい!」としっかり元気な声で返事ができる人は、猫背で暗い印象の人よりも姿勢が正しく、その結果として大きな声が出るのです。

剣道をやっている人は姿勢が正しい人が多い印象があります。

しかし、意識していないと姿勢は正しくなりません。

剣道の時は姿勢が正しくても、私生活では猫背になってしまう、最近ではゲームをする時に下を向いてしまう、といったことにつながります。

日頃から少し意識する、腹部に力を入れることを意識することで、姿勢の正しさは自然と身についてきます

練習方法③:声を出す意識を持つ|声量が気を生み出す

気の出し方には様々な方法がある

これは当たり前のように聞こえるかもしれませんが、実は非常に重要です。

気の出し方には色々あります。

例えば、相手を睨みつける、威圧するといった方法もあるでしょう。

試合前に「やってやるぞ」という気迫がひしひしと伝わってくる選手もいます。

しかし、睨みつけるだけではメッキのようなものだと私は考えています。

叩いたらすぐに内側の錆びついた部分が見えてくる、表面だけの威圧です。

体が細い人からガンを飛ばされても、正直あまり怖くありません。

声量が生み出す真の威圧感

しかし、たとえ体が細くても、自分の300倍くらいの声量で叫ばれたらどうでしょうか?

「なんだこいつ、めちゃめちゃ声出てるじゃないか」と気で圧倒されるはずです。

声の大きさ、声量が気を出すことに直結していると私は考えています。

実際に、声が小さい相手と対峙するよりも、声が大きい相手と対峙した方が嫌なものです。

触られただけで一本になるのではないかという気さえします。

日頃から声を出す練習を習慣化する

声を出すという意識は、日頃の私生活ではなかなか意識しづらいものです。

剣道と同じような声量を日常生活で出すことはありませんから。

だからこそ、練習の時から声を出す練習を稽古の中で意識的に行うことが重要です。

「声を出しましょう」と意識させた時は、皆さん声が出るのです。

日頃から意識していないから出ていないだけなのです。

毎回声が出ていない時に声を出す意識をさせることが、極めて大切な練習方法だと考えています。

まとめ:「気」を鍛えれば剣道も人生も変わる

本日は「気の出し方」というテーマで、呼吸法、姿勢、声を出す意識という3つの具体的な練習方法についてお話しさせていただきました。

気は目に見えないエネルギーですが、確実に鍛えることができます。

そしてこの気を出す力は、剣道だけでなく、ビジネスシーンや日常生活におけるコミュニケーション、プレゼンテーション、リーダーシップなど、あらゆる場面で活きてくる普遍的なスキルです。

今日からでも実践できる内容ばかりですので、ぜひ稽古の中で、そして日常生活の中で意識してみてください。

継続することで、あなたの気は確実に強くなっていきます。

この記事で学べること

  • 呼吸法と気の関係性:腹・肺・喉を使った効果的な声の出し方
  • 姿勢が気に与える影響:猫背を改善して呼吸量を増やす方法
  • 声量と威圧感の科学:なぜ大きな声が相手を圧倒するのか
  • 日常生活での気の活かし方:剣道以外の場面での応用方法
  • 気を鍛える具体的トレーニング:今日から実践できる練習メニュー

この記事のメリット・デメリット

メリット

  • プロ剣道家の実体験に基づく実践的な内容
  • 今日から取り組める具体的な練習方法を3つ提示
  • 剣道だけでなく、ビジネスや日常生活にも応用可能
  • 呼吸・姿勢・声という3つの要素を体系的に理解できる
  • 「気」という抽象的な概念を科学的・論理的に解説

デメリット

  • 一人での練習では効果の測定が難しい場合がある
  • 即効性は低く、継続的な練習が必要
  • 初心者には呼吸法や喉の締め方が最初は難しい可能性がある

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