【初心者必見】剣道面技の基本から応用まで7種類を徹底解説

剣道の世界普及を目指して活動しているプロ剣道家の梶谷彪雅です。
今回は剣道の面技、試合で使える実践的な7つの技を紹介します。
ストレート系の一段技やフェイント系の二段技を中心に、7つの面技を紹介しています。
さらに、上級者に必要な三段技もありますが、今回はそれらは除いて解説しています。
この記事を通じて、
面技のバリエーションや種類について学ぶことができ、より強い選手になるために必要な技術を習得することができます。
早速解説に入っていきましょう。
※この記事は、文章を見ながら動画で学ぶコンテンツです。動画のみ視聴して理解することもできます。
試合で使える面技7種類の完全解説
今回紹介する技は、以下のストレート系の一段技とフェイント系の二段技です。
- 小さく(ストレートの)面打ち
- 面フェイント面打ち
- 抑えて面打ち
- 回して面打ち
- 下から面打ち
- 払って面打ち
- 小手から面打ち
剣道には様々な技があり、それぞれの技にはバリエーションや種類があります。
ただ、実際の試合では相手が技を避けようとしてくるため、三段技も習得することが必要です。
しかし、三段技は難しいので、まずは一段技や二段技を習得することが大切です。
この記事では、一段技と二段技に焦点を当て、具体的な技の解説を行います。
三段技は、例えば
三段技については、別の機会に解説します。

1. 小さく(ストレートの)面打ち
まずは、小さな面打ちから始めましょう。小さな面打ちには、大きく分けて2種類があります。
- 高鍋選手のように相手を突き刺すような打ち方
- 相手が下がって避けても、上から攻撃できる、強く打つ打ち方
これらの技は、基本打ちの記事で改めて説明します。動画を見て動作を確認してみましょう。
小さく面打ち(打突力重視)
打突力を重視して打突をする場合は、左手を押し込みながら打突をする意識です。
注意点は左手を押し込みすぎたり右手で振り上げようとすると、自分自身の小手が見えてしまい、相手から出鼻小手を打たれる可能性が高まります。
そのため『タイミング作り』がとても重要です。
全日本選手権や世界大会団体で優勝されている松﨑賢士郎(まつざき けんしろう)選手は振って打つタイプですが、タイミングが完璧です。
世界大会の動画をチェック
小さく面打ち(出鼻面・刺し込む意識)
相手が来る瞬間を捉える出鼻面では、強く打つ意識で打突すると出遅れてしまいます。
重要なのは、腕を前に伸ばすと同時に右手で押し込む(打突する)意識で打つことが重要です。
言葉だけでは意味が分からないと思うので、この動画を見てください。
池内選手vs梶谷彪雅
この池内選手の面打ち、私が先に出ているのに池内選手の面が先に当たっているのが分かるでしょうか。
スローで見てみると、池内選手の竹刀がしなって見えると思います。腕を出しながら右手で押し込んでいる証拠です。
勿論それだけでなく、私は左足でしっかり蹴って居着く事を想定で飛んでいますが、池内選手はその場で両足着地の出鼻技の打ち方で打突しています。
三段技については、別の機会に解説します。

2. 面フェイント面打ち
面フェイント面打ちは、相手の裏面を攻撃する技です。
手元を上げて避ける相手や竹刀を表から抑えてくる相手に有効な技です。
この技は、小さく面打ちの練習をすればするほど、相手は小さく面を警戒して、面フェイント面(裏面)が狙いやすくなります。
ストレートの面打ちは遅ければ遅いほどさばかれてしまう可能性があり、相手に応じられるリスクが高くなります。
そのため、小さな面打ちをしっかりと練習し、相手に小さな面打ちが怖いと認識させることが重要です。
面フェイント面打ちの3つのポイント
フェイント面打ちでポイントは刃筋・右手で振らないこと・手の内の3つです。
- 刃筋
竹刀を左手で操作することによって自然と刃筋が通ります。 - 右手で竹刀振らないこと
右手で竹刀を振ってしまうと振りが大きくなり、相手にバレてしまうことがあります。
そのため、左手で操作して刃筋を正して、軌道が大きくならないように右手で振らないことが重要です。 - 手の内
面フェイント面は、相手が面に反応した後に当たります。相手によっては危ないと思って竹刀を被せてガードする選手がいます。
こうなると1本になりにくくなるので、切り返しと同じような感じで刃筋を抜く動作が必要です。
相手を切り倒すためには、切り倒した後に相手を被せないように手の内をしっかりと使い、相手から避けられる前に手の内を使ってしっかり切り返しのように使う動作が必要になります。
動画を見て確認してみましょう。
面フェイント面打ちの具体的な練習方法
面フェイント面打ちの練習をする時のおすすめの方法が『パターン稽古』です。
パターン稽古は何度も同じような練習を繰り返す方法で、通常は①発声②打突③残心まで行いますが、パターン稽古では連続で10本、20本と打突します。
そうする事で、足捌きや打突の軌道を体で習得する事ができるので慣れるまでパターン稽古をするのがおすすめです。
連続での小手パターン稽古はこちら
この動画では小手打ちでパターン稽古をしていますが、これを面打ちに転用して練習する事によって応用ができるので取り組んでみてください。
3. 抑えて面打ち
次に紹介するのは「抑えて面打ち」です。
この技は、相手の竹刀を一瞬抑えた後に打つ方法です。
相手は抑えられた瞬間、中心を割られたような感覚に陥り、ドキッとしてしまいます。
また、抑えることによって相手の手元を上げるのを一瞬遅らせることができるため、相手が避ける前に打突する事もできます。
ただし、抑える時間が長くなると相手にバレてしまうので、一瞬で抑えた後すぐに面に変えることが重要です。
また、相手が出鼻技を狙っているときは、竹刀を抑えてあげることで相手が反応する場合があり、相手の癖を見抜くことができます。
抑えのスピード、抑える竹刀の位置を間違えなければ『三殺法』の1つである、剣を殺す事で試合を優位に運ぶ事ができます。
三殺法についてはこちらの記事を見てください

それでは実際に『抑えて面打ち』の動画を見て確認してみましょう。
抑えて面打ちで苦労した事
抑えて面打ちで難しいのは、
- 抑える瞬間には飛ぶ事
- 抑えの強さも重要
- 抑えが長すぎる避けられる
- 小さい面同様振り上げすぎると避けられる
基本打ちの面打ちに加えて、抑えの動作を追加するわけなので、難易度は高まると考えます。
抑える瞬間に左足を引きつけて相手にバレてしまったり、剣先に体重を乗せることができず弱くなったり、強く抑えると面が遅くなったり。
とにかく全てを一致させるのが難しいというのがこの技の欠点です。
逆に習得できれば、相手に技を出させずに打突ができる可能性も高まる技なので、とことん練習してください。
また、抑える動作練習は相手が居ないと感覚も掴みにくいのです。
自宅でイメージ練習を何度もしてタイミングを合わせる。そして技の稽古で試すようにしないと稽古時間がどれだけあっても足りなくなるので注意しましょう。

4. 回して面打ち
次に紹介するのは「回して面打ち」です。
この技は、回す動作に意味を持っているため、回す動作が速い事が重要です。
小学生の時、何も考えず竹刀を回していた私は、ただタイミングが遅れて面を打たれていました。
ただ回すのではなく、回す動作に小手の軌道を見せることがポイントです。
回す動作に小手の軌道を見せることができれば、相手は小手だと思って避けてしまい、その瞬間に面を狙うことができます。なので「回して面」は重要な技となります。
さらに『小手を打たれない軌道』も意識できると完璧です。
先程の池内選手の面打ちは、小手も打てない軌道の面打ちです。池内選手の出鼻面と回す動作を掛け合わせると、本当に厄介な面打ちが完成します。

このように、竹刀が右側に開いてくるので上からの小手打ちはほぼ確実に当たりません。
面が空きそうですが、実際に面を狙いに行って打たれています。
回して面打ちの注意点
回して面打ちには、注意点が2つあります。
- 回す動作が大きくなればなるほど相手に隙を与えてしまうこと
- 相手が出頭面を狙っている場合、ただ遅れて面を打つ動作になりかねないため、相手が何を狙っているのかをしっかり判断した上で選択することが重要
先程も記載しましたが、注意点も意識しながら恋しましょう。
動画を見ながら確認しましょう!
5. 下から面打ち
次に「下から面打ち」という技です。
この技は、相手に下への動作を見せることにより、下からの小手を意識させて面を打つ技です。
また、先ほど説明した「回して面打ち」は上から回して小手を意識させる技でしたが、下からの小手が得意な選手には「下から面打ち」の方が有効になると思います。
さらに先ほどの「回して面」を相手に見せる動作をしてからの面打ちと例えるなら、「下から面打ち」は相手の竹刀の下に回るので死角になります。そういった間合いを盗む技として使うことができます。
全日本選手権で優勝し、世界大会でも優勝・・・先程も記載した松﨑賢士郎(まつざき けんしろう)選手も下からの攻めを活用しています。
実際に私が解説しながら挑戦した動画はこちら
下から面打ちの注意点
- 下に下げすぎない
- 打突力が軽くならない
- 面技が得意な相手には注意
「下から面打ち」は、どうしても回す動作になってしまうので、回す動作によって打突力が軽くなったり、右手打ちになりやすいという注意点があります。
下を攻めるときに竹刀を下げすぎて、先に出鼻面を打たれる可能性もあるので注意しましょう。
相手をしっかりと研究して、軌道を意識して、打突力を落とさず、右手打ちにならないように意識することが大切です。
下から面打ちのポイント
鍔元より下に行くと、面を打たれるリスクが高まります。
相手に面を打ってきてもらう(誘う動作)であれば問題ありませんが、下から小手を攻める場合は下げ過ぎに注意です。
なので、意識としては鍔元を意識して攻めましょう。

6. 払って面打ち
次に「払って面打ち」です。「払って面打ち」は
相手の竹刀を裏から払って打つ技です。
相手の中心を外して、隙のできた部位を打ち込む技ですが、ただ払うのではなく、払った後でスムーズに面に打ち込むことがポイントです。
また、お互いが構えあっている中でやみくもに払っても、相手の中心を奪うことは難しいです。
通常の間合いより少し遠い間合いから、相手が打ってこないタイミング(気を抜いているタイミングや迷っているタイミング)を先に攻め込んで行くことで打突しやすくなります。
逆に相手が攻め込んで来る瞬間に払う方法もあるのですが、タイミングを間違えると相手の竹刀を払えず(すかぶって)打たれる可能性もあります。
払うタイミングには十分注意してください。
払って面打ちは、動画で動作を確認してください。
7. 小手から面打ち
最後にご紹介する技は、「小手から面打ち」です。この技には、様々なバリエーションがあります。
例えば、相手が「小手返し面」などの応じ技を狙っている場合には、小さく小手面を打つことで有効になると思います。
しかし、相手が小手を避ける場合には、相手に避けさせておいてから面を打つことが有効です。
このように、相手に相手によって技の出し方を変えることで、攻め崩しの切り口になります。
小手から面打ちは、技のバリエーションが多く、相手の状況や動きに合わせた戦略を立てることが重要です。
練習の際には、様々なタイミングや動きを試してみて、自分に合ったバリエーションを見つけてみてください。
技の練習はこちら
小手から面打ちが得意な松尾選手
実は私自身があまり小手面、小手から面打ちを打たないタイプです。
そこで、今回は全国大会で優勝経験のある松尾選手に小手面打ちを聞いてみました。
技術向上のための重要なポイント
それぞれにポイントがありますが、まずは見よう見マネからでも、やってみてください。
足さばきを細かくしたり、タイミングを変えたりすることで、より高度な技術を身に付けることができます。
しかし、それぞれの技には大前提となる技術があります。
例えば、面技があるからこそ「面フェイント面」といった技術や、小手技があるからこそ「回して面」を打つ技術が有効になります。
なぜ回すことが必要なのか、下から打つことが大事なのかといった、技の基本的な理解が必要です。
理解がないままに練習を進めると、本末転倒になってしまいます。
基礎の技をしっかり研究して、様々な試合で活躍してほしいと思います。
試合で使える『面技7選』まとめ
いかがだったでしょうか?これまでに、以下の7つの面技について解説してきました。
- ストレートの面打ち
- 面フェイント面打ち
- 抑えて面打ち
- 回して面打ち
- 下から面打ち
- 払って面打ち
- 小手から面打ち
この記事で得られる内容
面技7種類の詳細解説と、試合で実際に使える技術の習得方法を解説させていただきました。
基本的な一段技から応用的な二段技まで、段階的にスキルアップが可能です。
まずは基本的なストレートの『小さく面打ち』を習得して、変化技の習得に励んでください。
メリット
- 実戦で即使える技術が身に付く
- 相手に応じた戦略的な技選択ができるようになる
- 動画付きで正確な動作を確認できる
日本一の経験をすぐに聞ける環境に!
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剣道で本当に強くなりたいですか?
梶谷彪雅が あなたの試合を個別分析 し、具体的な改善点を直接アドバイスします!
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- 梶谷による個別試合分析
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- 限定映像・活動報告
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