勝っても負けても攻められる異常事態

小学生剣士の保護者から衝撃的な相談が届きました。
息子さんが先鋒として戦うことが多く、同じチームの次期キャプテンから以下のような言葉を浴びせられているのです。
- 負けや引き分け時:「息子が勝たないからチームの流れが悪くなる」「勢いがなくなる」
- 1本勝ち時:「1本勝ちだと2本取らないからいけない」
- 2本勝ち時:「もっと早く取らないからチームの勢いが」
一年前の市民大会決勝戦では、息子さんが1本取ったにも関わらず、次期キャプテンだった大将から「息子が2本取らないから」と批判されました。
しかし、言った本人は負けています。
全国大会出場も決まった7月29日、道着・袴の色で揉め事があり、ついに息子さんが「剣道を辞めたい」と言い出しました。


先鋒の勝利がチームに与える驚異的な影響
プレミアムボイシー「最初に1本取るべき理由」で解説した内容と関連しますが、先鋒の重要性を示すデータがあります。
華麗に舞った剣士たちの剣吉さんが調査したインターハイの全試合データによると
インターハイ先鋒勝敗とチーム勝率の関係
先鋒が勝った場合のチーム勝率:84.2%
先鋒が負けた場合のチーム勝率:15.8%
つまり、先鋒が負けると6回に1回も勝てない計算
この驚異的な数字が示すように、先鋒は最も重要なポストです。
1本勝ちした時点で、あなたは84.2%のチーム勝利を確信してもいいのです。
1本勝ちの重大さを理解していない指導環境
1本勝ちするだけでも大変なことです。
流れは先鋒が勝った時点で良くなります。
「1本勝ちだから2本取らないといけない」という考えは完全に間違いです。
先鋒が勝ってきたなら、真のチームメイトなら
よっしゃ、俺に任せとけ
次鋒行くぞ、俺
何としても大将に回してやる
大将に回したら俺が何とか絶対してやる
これがチームの大将というものではないでしょうか。
剣道理念から逸脱した指導環境の実態
剣道は「剣の理法の修練による人間形成の道」です。
勝った人を卑下することは、この理念から完全に逸脱しています。
人間形成された剣士の本来の姿
他人を批判し、蔑み、叩き、陰口を言う。
これが本当に人間形成された人たちのやることでしょうか?
小学生であれば人間形成はこれからなので理解できます。
しかし、それを見聞きした指導者が環境を正さないのは問題です。
剣道の理念を学んで大人になった剣士たちが、人の陰口を叩き、誰かの挑戦を応援せずに批判する。
これが本当に剣道をやっている人と言えるでしょうか。
剣道界の根深い問題
このような環境が剣道界の衰退を招いている一因だと感じます。
全てが悪いわけではありませんが、少なからずこういった部分が存在する現実があります。
実績や肩書きで人を判断し、会ったこともない人を蔑む。
これらの行為は剣道の精神とは正反対です。
真のチームワークとは何か
本来のチームなら以下のようであるべきです
- 先鋒が勝った時:「先鋒、ナイス!」と称賛
- 他のメンバー:「頑張れよ」と応援
- 勝敗関係なく:「次のステップに向けて」
- 全国大会があるなら:「俺たち全国行けるんだから、全国で活躍しようぜ」
これがチームというものだと確信しています。

指導者の役割と環境設計
保護者が直接他の選手に意見することは困難です。
まずは指導者に相談し、「梶谷はこういう意見を持っています」程度の伝え方が適切でしょう。
環境設計をしていくのは指導者の責任です。
私が現役時代に見た光景では、先鋒で負けてふてくされる選手が厳しく指導されていました。
実体験から学んだチーム精神
昨年の全日本都道府県大会で、前衛が負けてきた際「任せろ」と言って交代し、結果は引き分けでした。
全然任されていませんでしたが、これがチームです。
先鋒は重要な役割を担い、負けられないポジションでもあります。
しかし団体として出場している以上、勝っても負けてもみんなで応援するのが真のチームです。
負けたら「俺が取り返すから待っとけよ」。
この気持ちがあるのがチームなのです。
まとめ
この記事で得られる内容
剣道チームでの理不尽な批判問題と、先鋒の重要性を示すデータ、真のチームワークのあり方について解説しました。
インターハイデータに基づく84.2%という勝率や、剣道理念に基づく人間形成の重要性を学べます。
メリット
- 先鋒の重要性を客観的データで理解できる
- 剣道理念に基づく正しいチームワークを学べる
- 指導環境の問題点を具体的に把握できる
- 保護者としての適切な対応方法がわかる
デメリット
- 既存の指導環境を変えるには時間がかかる
- 保護者からの直接的な介入には限界がある
- チーム内の人間関係に影響を与える可能性
勝っても負けても攻められる環境は明らかに設計ミスです。
真の剣道精神とチームワークを大切にし、選手一人ひとりが安心して成長できる環境作りを目指しましょう。
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