剣道普及と強化の違い|現在の活動の本質を見つめ直す



剣道普及と強化の違い|現在の活動の本質を見つめ直す
「剣道普及」という言葉を掲げながら活動してきた中で、自分が本当にやっていることは何なのかという根本的な問いに直面しました。
正直に言えば、現段階では「普及」というよりも「強化」に近い活動になっていると感じています。
稽古会を開催し、強くなるための考え方を伝え、YouTube活動を通じて情報を発信する。
確かにこれらの活動により、私のYouTubeを見て剣道を始めたという方もいらっしゃいます。
近くの道場を探して連絡し、「なぜ剣道を始めようと思ったのか」と先生に聞かれた際に「梶谷のYouTubeを見て」と答えた方もいるそうです。
しかし、これはまだまだごくごくわずかな成果でしかありません。
本当の意味での剣道普及とは、剣道をやっていない人に対して剣道を始めてもらうことにフォーカスすることだと気づきました。
現在の活動の3つの柱|情報発信・稽古会・道場運営
私の活動は大きく分けて3つの軸で構成されています。
①情報発信|海外にも届く剣道の知識
YouTubeをはじめとする情報発信は、海外在住の日本人の方や日本語がわからない海外の剣道愛好家にも届きやすいというメリットがあります。
自動翻訳や自動字幕機能により、言葉の壁を越えて剣道の技術や考え方を学んでもらうことができるのです。
やっている人の教科書となり、知識や情報を増やすことで、その人がまた他の人を誘ったり、「俺、今剣道やってるんだよね」という形でどんどん広まっていく。
海外で指導されている方が日本語を通じて学び、それを現地で普及していくというサイクルを作ることができれば理想的だと考えています。
②稽古会|強くなるための考え方を伝える場
稽古会では「強くなる」というところにフォーカスしています。
私が今まで習ってきたことを伝えることで、その考え方を学んだ方がこれからも剣道を続けてくれる。
そしてその方が次の人に教えていくことができれば、どんどんどんどん広まっていき、いずれは剣道界全体が良くなるのではないかと思っています。
参加してくださった方からは「学べた、すごく良かった」という嬉しいお言葉をいただいています。
しかし、ここには大きな落とし穴があることに気づかされました。
③道場運営|地域に根差した普及活動の核
これから道場を設立していく予定です。
年間10人でも会員数が増えれば、剣道を新たに始める人が10人増えます。
これこそが本当の意味での剣道普及と言えるのではないかと考えています。
理想を言えば、全国的にそういった道場を開いていけたら最高です。
仮に各道場で年間10人ずつ会員が増えるとして、47都道府県すべてに展開できれば、年間470人が剣道を始めることになる計算です。
まだまだ遠い目標で手が届かないところかもしれませんが、一歩一歩、まず一つを完成させていきたいと思っています。
スーパーマーケット理論|稽古会が地域道場を脅かす可能性
スポンサーの方や、長年道場を運営されている先生(会員数100名以上)との対話の中で、重大な気づきがありました。
昔、地元には八百屋さん、肉屋さん、鮮魚店、駄菓子屋さんなど、それぞれ専門店がありました。
しかし今では、スーパーマーケットに行けば野菜も肉も魚もお菓子もすべて揃います。複合施設のような存在になっているわけです。
最初の頃は、スーパーマーケットが立つ際に「俺たちの生活はどうなるんだ」という声があり、スーパー内に出店させてもらったり、提携したり、補償金をもらったりという対応がありました。
しかし10年経った今では、そういった地元の専門店はどんどん押しのけられて潰れていってしまいました。
これが私の稽古会でも起こりうるのです。
「梶谷先生がこう言っていた」という言葉の危険性
全国に「強くなるための考え方」を発信していった結果、地元の道場から稽古会に参加してくださった方が、道場に戻って「梶谷先生でもこう言ってたもん」「梶谷先生はこういう考え方だったもん」と言ってしまったらどうでしょうか。
その地元の先生は何も言えなくなってしまう可能性があります。
結局、私がスーパーマーケットのように生徒さんを囲い込んでしまい、地元でボランティアで教えてくださっている先生方の居場所がなくなってしまう。
これは本末転倒です。
「剣道普及」と言っておきながら、私以外の指導者がいなくなってしまう、ボランティアで教えてくださる方がいなくなってしまうというのは、絶対に避けなければなりません。
稽古会参加のルール|地域の先生を最優先に
だからこそ、これからの稽古会についてはしっかりと明記していかなければならないと思っています。
特に、こっそり内々で参加するということはやめてほしいです。
私の考え方はあくまでも「サブ」
基本的に、私の考え方というのはあくまでもサブだと思っています。
一番大事にするべきは道場の先生や学校の先生の指導です。
だからこそ、稽古会に参加する際には必ず先生に言ってきてほしいですし、一番大事にしているのは「先生」だということを忘れないでほしいです。
面をつけることから、すり足から、そういった基本をすべて教えてくれたのは私ではありません。
一番良いところだけを私が持っていくなと思う先生もいらっしゃるはずです。
だからこそ、一番大事にしている師は自分の道場の先生であり「技術的な部分として学びに行きたい」としっかり了承を得た上で来てほしいと思います。
私は道場の先生と何かもめたりするのは絶対に嫌ですし、そもそも求めていません。
ボランティア指導者への感謝と敬意
道場の先生方は、それだけ指導を頑張っているし、剣道普及しようと思ってボランティアでやってくださっている方もたくさんいらっしゃいます。
そこには本当に感謝しかありません。
私の先生もボランティアでずっと教えてくださいました。
なのに、私が情報を発信したりすることで、その先生たちの居場所がなくなるというのは本末転倒すぎるのです。
これは本当にやめていただきたいと、改めて気づかされました。
道場設立の慎重な進め方|地域との調和を目指して
道場設立についても、地域に根差すという意味でしっかり活動していきたいと思っていますが、やはり慎重に進める必要があると学びました。
急に外部から「よくわからん若造」が来たら、「いやいや、お前どこのやつやねん」という風になる可能性は十分にあります。
そのあたりの進め方についても、地域の剣道界との関係構築を丁寧に行う必要があると感じています。

新たな大きな夢|幼稚園設立という革新的アプローチ
ここからは、私の新たな目標についてお話しします。大きく分けて2つあります。
一つはめちゃめちゃ難しい、まだまだ達成には時間がかかるであろうこと。そしてもう一つが指導に関することです。
剣道普及の最終形態|幼稚園という媒体
私の新たな大きな目標、それは「幼稚園を作ること」です。
これは考えもしなかったことですが、剣道普及を考えた時に、情報発信や道場を作ることよりも、もっと根本的な部分、人が集まる媒体として幼稚園を活用するという発想に衝撃を受けました。
幼稚園では、小学校に行く前の子どもたちが集まります。
そこで、剣道を通して学べる精神——感謝の気持ちを持つこと、礼儀作法、心を落ち着かせること、体を動かすことなど。
教育的に伝える幼稚園があれば、すごく良いのではないかと思ったのです。
楽しみながら学ぶ剣道教育
幼稚園として楽しいことが前提です。
例えば、剣道をする時にも素振りをやったり、風船割り大会をやったりと、「剣道×教育」という形を目指していくことができれば、道場を作るよりも剣道普及が加速できるのではないかと教えていただきました。
「うわー、なるほど」と思いました。
ハードルはすごく高そうです。
でも、これができたら本当に「剣道普及している」と言えるなと感じたのです。
強制ではなく選択肢として
強制的にではなく、例えば課外活動として剣道を選択できるようにします。
他に英語を選択できるとか、サッカーもあるとか、いろいろな選択肢の中の一つとして剣道があるイメージです。
実際に、剣道教室を幼稚園で行っているところもあるそうです。
現実的な課題|土地・資金・人材
何度も言いますが、ハードルはめちゃめちゃ高いです。まず土地を準備しないといけないし、箱(建物)を準備しないといけない。
何千万円単位になると思います。さらに、人が集まるかどうかも分かりません。
でも、剣道普及をやるなら、これが一番「剣道普及している」と言えることになると思います。
武道の心を伝えながら、剣道を楽しんでもらいながら教育できる。さらに、強くなりたい方がいれば、地域の道場に流すこともできます。
地域道場との連携|囲い込まない普及モデル
幼稚園に来ている方の住んでいる場所の近くに道場があれば、そこに行ってもらうこともできます。
道場を一つ建てると、どうしてもその道場に来てもらわないといけなくなってしまいます。
しかし、幼稚園の近くに私の道場が一つあってもいいと思いますが、もし周りに道場がたくさんあるのであれば、幼稚園からそちらに流していくこともできるのではないかと考えました。
課題点だらけではありますが、これは私の夢です。正直、全然見えていません。どんな形に進んでいくのか、どんな風にやればいいのかも分かりません。
でも、いろいろな活動をしていく上で、こういったこともできたらいいなという大きなざっくりとした目標として持っておきたいと思います。
もう一つの目標|オンライン指導の体系化
もう一つの目標は、指導の観点についてです。
オフラインとオンラインの融合
今、稽古会やYouTubeでの情報発信、個人指導などをさせていただいている中で、やはり心を動かせる、本当に学びになるのはオフラインだと思っています。
稽古会や個別指導でワンツーマンで改善点を伝えることはすごく大事です。
しかし、オンラインでできることもあるのではないかと考えました。
例えば、30分の質問相談をやったり、30分の目標達成の仕方や努力の方法、技術的なことを月に1回Zoomで行うこともできるはずです。
剣道の教科書的なコンテンツ
そのためには、まず大体の大枠が必要だと思っています。
- すり足や足さばきはこういう風にやっていきましょう
- 滑りの方法はこういうことをやりましょう、何セットやると効果的です
- その時にこういったことを意識できていますか
このような剣道の教科書的な部分と、質疑応答権がセットになっているオンラインバージョンを作りたいのです。
基準の底上げ|スポンジを柔らかくする
個別指導をしてしまうと、他の人にはなかなか伝えられないし、時間も限られています。
だからこそ、基準の底上げができるかなと思いました。
例えば、今3割ぐらいの実力がある人が、その教科書を本気でやって6割ぐらいまで上がります。
6割ぐらい習得して基礎的な部分から、さらに応用に落とし込むために、オフラインで私との稽古。
個別指導をするという形が取れたら、全体のレベルが上がってくるのではないかと思っています。
稽古会参加者の実態
正直に言うと、私の稽古会に来る人も、全員が8割ぐらいめちゃめちゃ強いというわけではありません。
肌感覚で言うと、1割ぐらいがその県大会でベスト4に入れるんじゃないかというレベルで、それ以外は中盤の方がいたり、初心者の方がいたりします。
だからこそ、もう少し実践や応用をさらに教えるために、それを吸収しやすくする必要があります。
スポンジを柔らかくするイメージです。
私の新しいアドバイスを吸収しやすくしたり、道場の先生からの指導をより受け入れやすくなったりするための「剣道の教科書」があると、今の環境プラスアルファになるので非常に良いのではないかと思っています。
あくまでも「梶谷流」として
こちらも「剣道の教科書」とは言っていますが、基本的には私の考え方になります。
あくまでも応用的な考え方という部分も含めながら、基本的な部分——足さばきでだいたいみんなこういう足さばきをするよね、というところも伝えていければ良いのではないかと思っています。
着想のところから、本当に最初から最後まで、努力方法やトレーニング方法をすべて詰め込んだものを、今年中に作れたらいいなと思っています。
足捌きについてはこちらのブログもチェックしてみてください

挑戦の年|やることだらけの2025年
もやることがたくさんあります。やらないといけないことだらけなんですけれども、今年も一生懸命挑戦する年なので、一生懸命頑張っていきたいと思います。
ぜひ、この挑戦を少しでも応援したいなという方がいらっしゃいましたら、スポンサーも募集しております。
スポンサーまではいけないという方は,上位メンバーシップや寄付でも応援していただけるだけで非常にありがたいです。
ボイシーの差し入れでも非常に嬉しいです。よろしくお願いいたします。
まとめ|剣道普及の本質と未来への道筋
剣道普及とは単なる情報発信や稽古会開催ではなく、剣道をやっていない人に始めてもらうこと。そして、そのためには地域の指導者を尊重し、共存していく姿勢が不可欠です。
さらに、幼稚園設立という革新的なアプローチにより、幼少期から武道の精神を伝え、楽しみながら剣道に触れる機会を提供することで、真の普及が実現できると確信しています。
また、オンラインとオフラインを融合させた指導体系を構築することで、より多くの剣士が基礎を固め、さらなる成長を遂げられる環境を整えていきます。
この記事で得られるメリット
- 剣道普及の本質的な理解:情報発信だけでなく、実際に人を増やす具体策が分かる
- 地域道場との共存方法:他の指導者を尊重しながら活動する重要性を学べる
- 革新的な教育モデル:幼稚園×剣道という新しい普及の形を知ることができる
- 指導者としての姿勢:ボランティア指導者への感謝と敬意の大切さを再認識できる
- オンライン指導の可能性:体系的な教材と個別指導を組み合わせた効率的な学習法が理解できる
注意すべきデメリット・課題
- スーパーマーケット化のリスク:大規模な活動が地域の小規模道場を圧迫する可能性がある
- 幼稚園設立の高いハードル:土地、建物、資金、人材確保など、膨大なリソースが必要
- 地域との調整の難しさ:外部から来た若手が受け入れられるには時間と信頼構築が必要
- 時間とリソースの制約:新しい挑戦を増やすことで、既存の活動とのバランスが求められる
本日も皆さんにとって最高の一日になりますように。最後までご清聴いただき、ありがとうご
日本一の経験をすぐに聞ける環境に!
あなたの剣道を変える。
剣道で本当に強くなりたいですか?
梶谷彪雅が あなたの試合を個別分析 し、具体的な改善点を直接アドバイスします!
📊 2つのメンバーシップ
- 梶谷による個別試合分析
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- 日々の成長を共有する「剣道ノート部屋」
- 限定映像・活動報告
- 剣道普及活動への応援
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⏰ なぜ今すぐ参加すべきか
現役生の練習時間は限られています。
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それとも日本一の視点で課題を明確にし、確実に成長しますか?
「昨日の自分を超える」仲間と一緒に、本気で剣道に向き合いませんか?