暑さに慣れる=クーラー我慢は逆効果?|熱中症を防ぐ正しい暑熱順化

「暑さに慣れるため、クーラーを我慢」は逆効果です
暑い中で試合や稽古がある夏。「暑さに慣れるために、家でもクーラーを我慢した方がいいのかな」と考えたこと、ありませんか?結論から言うと、暑さに慣れることは科学的に効果あり。でも「クーラー我慢」という慣れ方は間違いです。
今日は、正しく暑さに備える方法を3つのポイントでお伝えします。熱中症は命に関わりますので、お子さんの夏の稽古のために、ぜひ知っておいてください。
ポイント①:暑さに慣れる「暑熱順化」は2週間で起きる
暑さに慣れることを、専門的には「暑熱順化(しょねつじゅんか)」と言います。暑い中で運動を繰り返すと、だいたい2週間ほどかけて、体にこんな変化が起きるそうです。
- 血液(血漿)の量が増える→心臓の負担が減り、バテにくくなる
- 汗をかき始めるのが早くなり、量も増える→体を冷やす力が上がる
- 汗に含まれる塩分が減る→大事な塩分を無駄に失わず、体に残せる
- 同じ運動でも心拍数・体温が上がりにくくなる
結果的に、暑い試合でもパフォーマンスが落ちにくくなり、熱中症のリスクも下がります。逆に、普段は涼しく過ごして、いきなり暑い試合に出るのは最悪のパターン。体が全く準備できていない状態で、丸腰のまま灼熱に飛び込むようなものです。

ポイント②:スイッチは「運動」であって「我慢」ではない
ここが一番大切なポイントです。暑熱順化のスイッチは、運動して体温をしっかり上げることであって、暑い生活を我慢することではありません。
暑い部屋にただじっと座っているだけでは、スイッチは入りません。体が暑さに適応するのは、運動して体温を上げた時なんです。だから——稽古やトレーニングは暑い環境でやる。でも、家にいる時や寝る時はクーラーで涼しくして、しっかり回復する。これが正解です。
でも、クーラーで寝たら「慣れ」が邪魔されませんか?
むしろ逆です。涼しく寝ることは順化を邪魔しません。睡眠の質が上がって疲れも抜けます。クーラーを我慢して寝苦しさを作ると、寝不足になって、かえって暑さに弱くなり、熱中症になりやすくなるんです。トレーニングで暑さに慣らし、休む時はしっかり涼しく——この徹底が大事です。
ポイント③:2週間前から「低強度」で少しずつ
順化には時間がかかるので、試合の2週間前ぐらいから、暑い中での稽古を計画的に取り入れるのがおすすめです。暑い中で体温を上げ、汗をかくこと。ただし——
いきなり強い暑さの中でハードなトレーニングをするのは、本当に危険です。熱中症は命に関わります。慣れさせるときも、水分をしっかり摂る、塩分を摂る、休む——これを必ず守り、低強度から少しずつ。「暑い中でマックスまで、倒れるまでやるぞ」は、一番危ないパターンです。
僕の高校時代と、今の「暑さ」の違い
僕たちが高校生の頃は、15kgの重りをつけ、道着を2枚着て稽古することもありました。本当に暑すぎて、フラフラで訳が分からない状態。でも、あの暑さがあったからこそ、玉竜旗やインターハイの厳しい戦いを勝ち抜けたと思っています。
ただし、あれを急にやったら本当に危ない。普段からの厳しい稽古・体力トレーニングがあった上で、なんとか乗り越えられたものです。急に始めるのは、絶対に避けてください。
しかも今は、昔とは気温が違います。昔の「猛暑」は30度ほど。今は40度を超える日もあります。脳を生卵に例えると、一度ゆで卵になったら、もう生卵には戻れません。熱中症で脳がそうならないよう、暑すぎる時はしっかり休憩を取ることが、本当に大切です。「窓を閉め切ってストーブを焚く」ような追い込み方をする所もあると聞きますが、僕はまったく推奨しません。

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まとめ:正しく暑さに備えて、夏の試合を戦い抜こう
今日の3つのポイントです。
- 暑さに慣れる「暑熱順化」は科学的に効果あり(血液が増え、汗をかきやすくなる)
- スイッチは「運動で体温を上げる」こと。クーラー我慢ではない。休息は涼しく
- 試合2週間前から、低強度で少しずつ・水分塩分・休憩を必ず
「厳しい環境で耐えることが大事」は、半分は正解。でも、うまく付き合っていくことが、それ以上に大切です。適温で気持ちよく眠れる環境を自分で探し、体調が悪い日は無理をせず、水分・塩分をしっかり摂って、安全第一で。正しく備えて、この夏もいい状態で試合に臨んでいきましょう。
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