人は忘れる生き物だから何度も伝える必要がある – 剣道指導の継続学習メソッド



学べること
- 剣道における継続学習の重要性
- 技術定着のための反復練習法
- 忘却曲線を克服する指導メソッド
梶谷彪雅の実体験を通じて、なぜ何度も同じことを伝える必要があるのか、そして効果的な学習継続方法を理解できるでしょう。
読者対象
- 剣道指導に携わる先生方 – 生徒への技術定着指導法を学びたい方
- 剣道を学ぶ学生・社会人 – 技術向上のための効果的な練習方法を知りたい方
- スポーツ指導者全般 – 継続学習の重要性と実践法を理解したい方
- 剣道部の保護者 – 子どもの剣道上達をサポートしたい方
人間の忘却特性と剣道指導の現実
本日も熱く学びのある内容を皆さんにお届けしていきたいと思います。
人は忘れてしまう生き物です。
だから何度も伝える必要があるし、何度もアウトプットする必要があるということを、改めて実感する出来事がありました。
この事実を痛感したのは、山形県東根市の村山総合体育館で開催された第2回目の講演会でのことです。
前回参加してくれた方が3分の1ほどいらっしゃいましたが、驚くべき事実が判明しました。
2ヶ月間での記憶の定着率
3月11日に行った前回の講演会から、5月6日の今回まで約2ヶ月が経過していました。
この期間、前回の練習内容を意識して練習を継続していれば、何をやったか、何を意識するかは覚えているはずなのです。
しかし現実は違いました。
足さばきやったと思うけど、覚えてる
パッと出てくる人もいれば、「なんだっけ…」となる人も多くいたのです。
切り返し練習における意識の重要性
特に印象的だったのが、切り返しの時に意識することについてです。
これはYouTubeでもよく伝えている内容で、強く打つ意識、そして竹刀を狙うのではなく実際に面に当てるということです。
講演会では、誰が2回目であろうが3回目であろうが、だいたい同じことをやります。
なぜなら一番最初にやるのが切り返しだからです。
理想と現実のギャップ
切り返しの時は絶対に意識できるはずなんです。
まだ疲れてもないし、毎回やることなので意識できるはずなのですが、やっぱり意識できていない。
忘れてしまっている。覚えているんだけどできていないという現象が起こってしまうのです。
これがなかなか難しいポイントで、やっぱり日頃から毎日意識していないとすぐ忘れてしまうし、私が来た時だけやろうと思っても、分かっていてもできないんです。
日頃からやっていないからですね。
継続学習のための具体的方法
過去動画の活用法
私のYouTube動画には、過去の技の練習解説もたくさんあります。
最新動画が上がってきたら最新動画を見るのは当然ですが、過去の技の練習動画を何度も見返すことが重要なのです。
「梶谷さん、どんな意識で打っているのかな」というのを見返して、自分なりに転用してもらうのが大事なポイントだと思います。
段階的な習得プロセス
講演会では、新しいことに触れて楽しいという気持ちから、2回目になってくると「また同じ内容だな、でもできていないよね」という人がすごく多いのです。
2回目の時にはもう全員ができるぐらいになって
梶谷さん、これ毎日もうやってるよ。もう飽きたよ
というくらいになったら、次にようやく進めるという感じなのです。
限られた時間での効果的な指導
今回の講演会は2時間という制限がありました。
その中で、足さばき、体操、素振りだけでも30分ほどかかってしまったため、残り一時間半で行う内容を2つに絞りました。
選択した練習内容
選んだのは小手打ちと引き技です。
これらも何度もYouTube動画にしているので、意識しようと思えば絶対できると思うのです。
実際に意識してちゃんとやっている人もいます。「君うまいね」と言える人が。
それがチーム全体でできているわけではなく、個人的にできている人もいるので、真似しようと思ったらできると思うのです。
それをいかに自分ごと化して、忘れずにやり続けられるかが重要なポイントです。
強豪校の指導メソッドに学ぶ
継続的な指導の重要性
強豪校の特徴は、それを伝え続けるということです。先生がほぼ毎日見てくださるわけです。
「小手ができてなかったらお前できてないぞ」「また振りが大きくなってるよ」「また重心が上がってるよ」という感じで指摘されるわけですね。
指摘しない先生もいるかもしれませんが、先輩に「今どうですか、重心向いてますかね」って聞くこともできるのです。
アドバイスをもらうことができる環境があるのです。
環境による学習効果の差
しかし、そうでない環境の場合は、なかなかそういった細かい部分まで教えてくれない。
教えてくれないというか、*自分自身がそれをずっと意識してこなかったら、それって伝えられないポイント*じゃないですか。
綺麗に正しく打つことも大事ですが、強く打つことも大事だよねとか、小手を打つ時に強い選手はこういう風に打ってるよねとかを伝え続けられる先生がいると、「あ、そうだった、そうだった」って戻るのです。
人間の記憶メカニズムと対策
忘却曲線の現実
人間は1日で、初めて聞いたことの*約70%から80%を翌日には忘れてしまう*らしいのです。
しかし、次の日また同じようなことを言われると、「そうだった」と思い返して、また定着率が上がります。
それでもまた翌日忘れてしまうことがあるかもしれません。
でも思い出すように、先生の目が合った瞬間に「やばい、また振り上げ大きくなってる」「やばい、また重心上がってるかも」と気づくようになります。
無意識レベルでの習得
先生の顔を見るだけで言われなくても分かってきたりするじゃないですか。
「また先生から声を出せって言われるかも」「最初から出しとこう」みたいな経験、ありますよね。
私にはめちゃめちゃあります。
そんな感じで、やっぱりすぐ忘れてしまうのは仕方ないことです。
それを思い返せるような努力をすることが大事だと思います。
効果的な復習・定着方法
映像活用の重要性
そのためには、やっぱりすぐ帰ってビデオを見返すことや、翌日にビデオを見返すことが重要です。
忘れないように翌日に大事なポイントを確認するのです。
- 声を出す
- 打つ前は重心を上げない
- 両足を引きつける
- 打った後はしっかり体当たりして体を寄せる
こういったことを毎日毎日書くことによって、見るだけでもいいです。
思い返しやすくなると思いますので、皆さんもぜひ教えてもらったことを忘れないように、意識し続けられるように努力してみていただきたいと思います。
個人的な学習継続のコツ
とはいえ、私自身も忘れっぽいので、すぐ忘れてしまうのですが、人間はそういう生き物だからこそ、どうやったら忘れなくていいのか、忘れないようにできるのかが大事だと思います。
長期記憶への定着メカニズム
中学高校時代の経験から
剣道で私が「こういう時はこうだ、こういう時はこうだ」というのができるのは、やっぱり中学高校時代にもう忘れられないぐらい何度も何度も同じような経験をしてきたからなのです。
だからこそ、この思考を早めに習得することができれば、大人になっても忘れない。
長く使い続けられる思考力を身につけることができると思っています。
道場訓の力
友人で、小学校時代や中学校時代の道場訓を覚えている人がいます。
十数年離れた道場訓の内容を覚えているという人がいるのです。
やっぱり小学校時代に毎回毎回、道場の練習でそれだけ長い文章を言い続けると、大人になってもうっすら記憶に残っているというのは、これもやっぱりすごいことだと思うのです。
だからこういった毎日学び続けられる環境というのはすごく大切だと思います。
今後の指導方針
私の道場も道場訓がまだないので、ちょっと作ってみようと思っています。
大人になった時も、この指針というか、この考え方があれば大人になっても通用するよね、みたいな道場訓を考えてみようと思っております。
まとめ
人間はどうしても忘れてしまう生き物です。
だからこそ忘れない努力、環境づくりというのがすごく大切だというのが、今回の話のポイントでした。
継続的な学習と反復練習こそが、剣道技術を確実に身につける唯一の方法です。
忘却曲線に負けない学習システムを構築し、日常的な意識の継続を心がけることで、真の剣道力が身につくのです。
ぜひ実行してみてください。
記事のまとめ
この記事で得られる内容
梶谷彪雅が実体験を通じて語る、人間の忘却特性と継続学習の重要性について学べます。
山形県での講演会エピソードから、なぜ同じことを何度も伝える必要があるのか、そして効果的な技術定着方法を理解できます。
メリット
- 科学的根拠に基づいた学習法 – 忘却曲線を理解した効果的な練習方法が分かる
- 実践的な指導メソッド – 強豪校の指導法を参考にした継続学習システムを学べる
- 具体的な復習方法 – 動画活用やポイント整理など、すぐに実践できる手法を習得
- 長期記憶への定着法 – 中学高校時代の経験から学ぶ、忘れない技術習得法
デメリット
- 時間投資 – 反復学習には相応の時間投資が必要
- 継続の難しさ – 毎日の意識継続には強い意志力が必要
- 環境依存 – 指導者や練習環境によって効果に差が出る可能性
- 個人差 – 記憶定着率や学習スピードには個人差がある
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2つ目:剣道を実際にやっている子供たちが、もっと楽しく、もっと希望をもって剣道ができるような環境を整えていくこと
3つ目:日本国内だけでなく、世界中に剣道という武道の持つ魅力を、言葉がなくても伝わる映像を用いることによって、伝えていくこと
こんな目的をもって活動しています。
そしてゆくゆは、国内外での人気や認知が高まって、もっともっと国際的な競技になった暁には、今ある以上に大規模な、高額賞金の出るような世界大会を開催することを、最終的な目標としています。
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