「何度言っても食べない」子が動いた理由|言葉が届くタイミングの話

「何度言っても、うちの子が食べてくれない」
保護者の方から、本当によくいただく相談です。体を大きくしないと打ち負ける。それは分かっている。だから調べて、考えて、作って出している。なのに、食べてくれない。
正直に言うと、僕はずっと「子どものやる気の問題なんだろうな」と思っていました。でも最近、それだけではないと感じる出来事があったんです。今日はその話をさせてください。
保護者の言葉は、何ひとつ間違っていない
保護者の方は、本当にいろいろ考えていらっしゃいます。タンパク質をどう取るか。朝ごはんはどうするか。練習後に何を食べさせるか。——正直、僕よりもよっぽど調べていらっしゃると思います。一番大好きな我が子のためですから。
そして、言っていることも全部正しい。でも、なかなか届かない。何十回言っても食べてくれない。言えば言うほどこちらもしんどくなるし、子どもも「なんで食べないといけないんだよ」と反発してくる。——こういう場面を、何度も見てきました。僕自身の家でも、よくあることです。

きっかけは、1本の試合動画でした
僕はオンライン道場で、試合動画を送っていただいて課題をお返ししています。ある子の動画を見た時、はっきりした課題が見えました。打突力が、めちゃめちゃ軽いということです。
技の形は悪くない。足も出ている。タイミングもいい。それなのに、当たった瞬間に押し返されてしまう。相手の打突力の方が強いので、自分がいいところを打っても旗が上がらない。でも相手が打つと一本になる——そんな状態だったんです。
だから僕が最初に伝えたのは、「技の話をする前に、まず食事とトレーニングからやりましょう。食べることがとにかく大事です」ということでした。
そこから、その子は変わりました。正確に言うと、すぐにたくさん食べられるようになったわけではありません。もともと食が細い子は、急に多く食べようと思っても食べられないんです。でも——「食べよう」という意識が、明らかに変わった。
私はずっと同じことを言ってきたのに…なぜでしょうか
そうなんです。ここに驚きました。保護者の方は、それまでも「体を大きくしなさい」「ちゃんと食べなさい」と、何十回、何百回と言い続けてこられた。言っている内容は、僕とまったく同じなんです。それなのに、僕が言ったら行動が変わった。これは、僕がすごいという話では全くありません。
僕自身も、高校時代に同じ経験をしました
高校は人数が多いので、1年生の頃はBチーム・Cチームにいました。そこで頑張っていると、「どんなものか」を見るために、試験のようにAチームへ上げてもらえる機会があるんです。
そのチャンスで、同学年のトップ選手と対戦した時のこと。相手の崩しによって、僕の足がガンと上がってしまった。そして先生に言われたんです。「そんな足が上がっとって、Aチームで使えるか」——そのまま、またBチーム・Cチームへ降りました。
「崩されて足が上がるだけでもダメなんだ」——この時、はっきり気づきました。体が細い、この状態では絶対にレギュラーになれない、と。だから、めちゃくちゃ食べるようになったんです。「食べろ」と言われたわけではありません。「食べないといけないんだ」という気づきでした。
試合で押し返された悔しさ。あそこで一本を取り切れなかった悔しさ。Aチームに挑戦できたのに、すぐ落ちてしまった悔しさ。1年生の頃は体格差で押されたり、崩されたりすることが多かった。そうならないために、ご飯をめちゃくちゃ食べないといけないと自分で気づいたんです。
そこからは、朝からラーメンどんぶりにご飯を山盛り。昼も夜も同じです。ご飯だけで800gはあったと思います。今思えば、ちゃんと量っておけばよかったですね(笑)。
1本の動画から見える、つながった課題
ちなみに1本の試合動画からは、こんなにたくさんの課題が見えてきます。
- 足ではなく、膝から出す(つま先から出てしまう人が多い)
- 振り幅・右手の押し込み・打つ角度の修正
- 小手を打ちながら上の技へ(面だけ、小手だけになっていないか)
- 打った後のスピードが遅い(速くするトレーニングも合わせて)
- そして根本的に打突力が弱い・振りが遅い→だから食事から
一本を取るために必要なことは、すべてつながっています。打突力だけ強くても意味がない。細いままでは、スピードがあっても押された瞬間にフラついて一本になりません。打突力が強くて良いところを打っても、打った後が遅ければ一本にならない。総合的に見て「ここが良くなると、より一本になりやすい」を解説するようにしています。
今日、一番伝えたいこと|言葉には「届くタイミング」がある
ここが本題です。言葉を聞き入れるには、タイミングがある——これを強く感じます。
剣道も同じです。「手で打つな」「足で打て」と何百回言われても、最初は本当に意味が分かりませんでした。でもある時、完全に出遅れた。手打ちになって、大事な場面で一本が取れなかった。その時に初めて「足から出ていないからだ」「手ばかり鍛えて下半身がついてきていないからだ」と分かって、下半身や瞬発力のトレーニングを始めるんです。
怪我も同じですよね。腰を痛めて「体幹が足りないからですよ」と言われて、「先生、ずっと体幹がないって言ってくれてたな」と、怪我をしてから気づく。
つまり、子どもを変えようとしても、なかなか変わってくれない。大事なのは「気づかせること」なんです。失敗すること。本当に悔しいと思うこと。そういう経験の方が、子どもたちにはずっと大事なんだろうと感じています。
「誰の言葉なら、心が動くか」も大事
中学・高校時代、先生の話を聞く時に苛立ちを見せる選手もいれば、一生懸命に聞く生徒もいました。どちらが伸びるか——間違いなく、一生懸命に聞いて、本気でそれに向かっていく人です。
だから、「この先生から学びたい」と思える方がいるなら、「僕には今、何が足りませんか」と聞いてみてください。そして聞いたからには、絶対に直すんだという気持ちを持つ。教えてもらったのに何も改善しない、「なんでやらないといけないんだよ」と思っている人は、絶対に伸びません。
心をスポンジにして、先生の言葉をしっかり吸収し、咀嚼して、自分の血肉に変えていってほしいと思います。

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マンツーマン、または最大3名の少人数で、実際に竹刀を交えて稽古できます。動画や言葉では届かない”手元の違和感”を、1回の稽古で1つ以上持ち帰ってもらう。これが個別指導の一番の価値です。
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まとめ:僕は「やる気スイッチを押す側」になりたい
僕は、やる気スイッチを押す側になりたいと本気で思っています。お父さんお母さんが何度言っても変わらなかったことが、僕が言ったら少し変わってくれたら——そう願っています。
僕自身が本気で体験してきたことなら、伝えられると思っています。だから一人ひとりの動画を最後まで見て、その悔しさ、その子が強くなるポイントがどこにあるのかを、しっかりお伝えしていきます。
ただ、時間に限りがあるため人数は100名限定とさせていただいています(募集は月初の限られた期間だけです)。この夏、そして冬を乗り越えて、来年の予選に向けて。急に始めても、意味はありません。もしお子さんの「気づき」のきっかけが必要なら、この機会をぜひ活かしてください。
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