剣道の竹刀の選び方完全ガイド|形状・重心・サイズを全国トップが実戦目線で解説

竹刀は、剣道をする人にとって「手の延長」です。同じ稽古をしても、手に合った一本かどうかで、打ちの冴えも上達のスピードも大きく変わってきます。
逆に言うと、体やスタイルに合わない竹刀を選ぶと、変な手の内の癖がつき、直すのに何年もかかってしまうことがあります。それくらい、最初の一本選びは大切なんです。
- 種類が多すぎて、何を基準に選べばいいか分からない
- 小判型や八角って、結局メリットとデメリットどっちなの?
- 子どもに何尺(何センチ)を買えばいいか分からない(保護者の方)
- お店の説明は良いことばかりで、”自分に合わない竹刀”が分からない
ひとつでも当てはまったら、この記事が役に立つはずです。結論から言うと、竹刀は「形状・重心・サイズ」の3軸で、実戦で合う・合わないまで整理すれば迷いません。
今回は、お店の店員さんの立場では書きにくい「合わない人・デメリット」まで正直にお伝えします。全国の舞台で戦ってきた中で、僕自身が試合で竹刀を選ぶときに何を見ているのか、その判断軸ごとお話ししますね。
先に結論(選び方の早見表)だけ知りたい方は、次の「結論」の章をご覧ください。今回の記事で学べることは下記のとおりです。
- 全剣連の公式規定サイズ(尺・長さ・重さ・太さ)の外さない選び方
- 胴張り・直刀・古刀型の重心をスタイルで選び分ける基準
- 丸型・小判型・八角の柄形状を”合わない人”まで正直比較
- 桂竹・真竹・カーボン・バイオなど素材による打感と耐久の違い
- 体格→スタイル→予算で決める迷わない選び方フローチャート
彪雅KENDO合同会社
代表 梶谷 彪雅
大分県出身。高森中学校、九州学院高等学校、明治大学卒業。全国大会優勝9回。数々の全国の舞台で戦ってきた経験をもとに、実戦で本当に使える竹刀づくりと剣道の指導を行っています。

【結論】竹刀選びは「形状・重心・サイズ」の3軸で9割決まる
先に結論をお伝えします。竹刀選びで大事なのは、高価な竹刀や人気の竹刀を追うことではありません。自分の体格・スタイル・段階に竹刀を”合わせる”だけで、選びの9割は外しません。
そのために見るべき変数は、たった3つです。①サイズ(規定内で体格に合うか)②重心(打ちと操作性)③柄の形状(手の内の冴え)。この3軸を、まずは下の早見表で当てはめてみてください。
| あなたの状況 | おすすめの竹刀タイプ |
|---|---|
| 剣道を始めたての子ども | 軽い胴張り型・Jr.サイズ |
| スピードと連続技で勝負したい | 手元重心(胴張り型)・軽量 |
| 一本の重み・押し込みで勝負したい | 古刀型・実戦型(先重心) |
| 手の内を安定させ刃筋を通したい | 右手だけ小判の柄 |
| とにかく割れにくさを重視したい | バイオ・カーボン素材 |
まずはこの表で”当たり”を付けましょう。あとは各章で、なぜそのタイプが合うのかを一つずつ確認していけば大丈夫です
見当がついたら、次の章から「なぜそのタイプが合うのか」を実戦目線で一つずつ確認していきましょう。

竹刀の基本構造と公式規定サイズ|選ぶ前に押さえる最低限
結論から言うと、竹刀選びでまず外してはいけないのは「公式で使えるサイズかどうか」です。どんなに手に合っていても、試合で使えないサイズなら意味がありませんからね。ここだけは好みより先に押さえましょう。
各部の名称と「四つ割り」構造
竹刀は、4枚の竹を組み合わせた「四つ割り」という構造でできています。先端から先革・物打(打突部)・中結・弦・鍔と鍔止・柄と柄革・柄頭と、それぞれに名前があります。
覚えておくと便利なのが、割れて組み替えるときの原則です。「左右は左右、上下は上下」。4枚の竹はもとの位置関係を守って組み直すのが基本で、バラバラに入れ替えると打感が狂います。
各部の名前は、竹刀を安全に使うための点検(後述のメンテナンス章)でも使うので、ここでざっくり掴んでおくと後がラクです。
公式戦の規定サイズ表|全剣連基準で”使える一本”を外さない
竹刀のサイズや重さは、全日本剣道連盟の規則できちんと定められています。まずは一次情報として、公式の文言を見ておきましょう。
竹刀は、竹または全日本剣道連盟が認めた竹に代わる化学製品のものとする。(中略)竹刀の構造は、四つ割りのものとし、中に異物を入れてはならない。
剣道試合・審判規則/同細則(第3条 竹刀・表1 竹刀の基準):全日本剣道連盟
この規則の「表1(竹刀の基準・一刀の場合)」から、区分ごとの長さ・重さ・先端部の直径をまとめると、次のようになります。数値はすべて全剣連の現行規則に準拠しています。
| 区分 | サイズ目安(尺) | 長さ | 重さ(男/女) | 先端部の直径(男/女) |
|---|---|---|---|---|
| 中学生 | 37 | 114cm以下 | 440g/400g以上 | 25mm/24mm以上 |
| 高校生 | 38 | 117cm以下 | 480g/420g以上 | 26mm/25mm以上 |
| 大学生・一般 | 39 | 120cm以下 | 510g/440g以上 | 26mm/25mm以上 |
※長さは付属品を含む全長、重さは鍔を含まない値です。尺の数字(37・38・39)は商品表記として一般的に使われるもので、規則では長さ(cm)で定められています。
年齢・体格別のサイズの選び方
公式の規定サイズがあるのは中学生以上です。小学生には規則上の基準はないので、学年や身長に合わせて28〜36を目安に選ぶのが一般的です。迷ったら、通っている道場や販売店に身長を伝えて相談するのが確実です。
保護者の方に一番伝えたいのは、「大きすぎる竹刀は手の内が崩れる」ということです。すぐ大きくなるからと長め・重めを持たせると、振り上げが乱れて悪い癖の原因になります。
ポイント:子どもの竹刀は”背伸びさせない”のが正解です。今の体格でしっかり振り切れるサイズを選ぶことが、正しい手の内と上達への最短ルートになります。
サイズで土俵を外さないと決めたら、次はいよいよ”打ちの質”を左右する重心から選び分けていきます。
重心で変わる打ちと操作性|胴張り型・直刀型・古刀型を実戦で比較
同じ長さ・重さでも、竹刀は重心の位置で”手に感じる重さ”がまるで変わります。ここが、カタログの数字だけでは分からない部分です。重心タイプは大きく3つに分けて考えると整理しやすくなります。
- 胴張り型(手元重心)
-
手元に重さが寄り、剣先が軽く感じるタイプ。普及型で扱いやすく、速い展開に向く
- 直刀型(標準バランス)
-
クセの少ない標準バランス。軌道が素直で打突が安定し、基本を固めたい人向き
- 古刀型・実戦型(先重心)
-
剣先寄りに重さがあり、一本の冴えと押し込みが出るタイプ。パワー型と相性が良い
| 重心タイプ | 剣先の体感 | 打ちの質 | 応じ技・引き技 | 向いている人 | デメリット |
|---|---|---|---|---|---|
| 胴張り型(手元重心) | 軽い | 速い・鋭い | 出しやすい | 速さ・連続技型/初心者 | 一本の重厚感は出にくい |
| 直刀型(標準) | 標準 | 素直で安定 | 標準 | 万能・基本を固めたい人 | 尖った個性は薄め |
| 古刀型・実戦型(先重心) | 重い | 重く冴える | 遅れやすい | パワー・押し込み型 | 取り回しが重く体力を要する |
僕自身も、いまは胴張り型を長く使っています。理由はシンプルで、体感が軽い分だけ応じ技や変化技が”間に合う”からです。実際の体感を言葉にするとこうなります。
胴張りは剣先が軽く感じるので、速い展開でも遅れずに動けます。応じ技や変化技を主体に戦うなら、この”軽さ”がそのまま武器になるんです。
梶谷彪雅
逆に、先重心の古刀型は一本の重みが魅力ですが、連続技や引き技では剣先の戻りが遅れやすく、体力も消耗します。ここは正直なトレードオフです。
選手目線で付け加えると、先重か手元重かで「間合いの詰め方」と「引き技の戻り」が変わります。速さで勝負するなら手元重心、一本の押し込みで勝負するなら先重心。この判断は、面打ちや応じ技との相性で考えると分かりやすいです。


重心が”縦の重さ”の話なら、次は手の内の冴えを決める”横のグリップ”、つまり柄の形状です。ここが本記事の主役なので、じっくり見ていきましょう。
柄の形状で手の内が決まる|丸型・小判型・八角・八角小判を正直比較
柄の形状は、握った瞬間の「手の内の冴え」と「持ち替えの自由度」を左右します。ここは好みがはっきり分かれる部分なので、お店では書きにくい”合わない人”まで正直にお伝えします。
柄の握りは、そのまま手の内そのものです。形状の違いを語る前に、握りの基礎をもう一度確認したい方は、こちらもあわせてどうぞ。

丸型(標準)|迷ったらここから
丸型は最も一般的な柄で、握りの自由度が高く、持ち替えが自在なのが最大の強みです。引き技や変化技で手の向きを微調整しやすく、どんなスタイルにも対応します。初めての一本や迷ったときは、まず丸型が無難です。
デメリットは、自由度が高い分だけ刃筋を自分で意識して作る必要があること。逆に言えば、正しい手の内を身につける稽古台としては、丸型がいちばんクセがありません。
小判型|刃筋が手のひらで分かる。ただしデメリットも
小判型は柄の断面が楕円になっていて、刃筋(刃の向き)が手のひらで感じ取れるのが魅力です。握る向きが自然に固定されるので、面や小手の刃筋が安定しやすく、手の内が決まりやすくなります。
一方で、「竹刀 小判型 デメリット」と検索する方が多いのも事実です。正体はこの3点です。①握りの自由度が下がる ②引き技など角度を変える技で持ち替えの融通が利きにくい ③丸型よりわずかに重量感が出やすい。丸型に慣れた人ほど、最初は違和感を覚えます。
八角型|グリップは効くが好みが割れる
八角型は柄が8面になっていて、グリップが効き、面の認識がしやすいのが特徴です。手の内のフィット感を最重視する人には、これ以上ないハマり方をします。
ただし「竹刀 八角 デメリット」も無視できません。手の内が固定されすぎて回転系の操作がしにくい・流通が少なめで価格が上がりやすい・好みがはっきり割れるという点です。持ち替えを多用する人には向きません。合う人はとことん合い、合わない人は最後まで合わない、そんな柄です。
八角小判(ハイブリッド)|フィット感と刃筋の両取り
八角小判は、八角のフィット感と小判の刃筋の分かりやすさを両取りしようとしたハイブリッドです。「八角は固すぎるけど、丸型では刃筋が物足りない」という人の受け皿になります。ただし個性が強い分、好みははっきり分かれます。
ここまでの4形状を、一覧で比較します。デメリットと”合わない人”まで載せているので、自分がどれを避けるべきかも見えてくるはずです。
| 柄形状 | 刃筋の感じやすさ | 握りの自由度 | 変化技・引き技 | 合う人 | 合わない人・デメリット |
|---|---|---|---|---|---|
| 丸型(標準) | 普通 | 高い | 持ち替え自在 | 迷ったらこれ/初心者 | 刃筋は自分で意識が必要 |
| 小判型 | 高い | やや低い | 融通が利きにくい | 刃筋を体で覚えたい人 | 持ち替え多用型・丸型に慣れた人 |
| 八角型 | 高い | 低い | 回転操作しにくい | フィット感を最重視する人 | 固定感が苦手/流通少なく高価 |
| 八角小判 | 高い | 中 | 中 | フィットと刃筋の両取り | 個性が強く好みが割れる |
柄の太さ・長さと、選ぶときのNG
柄の太さも大事な要素です。束太(太めの柄)は手元が安定し力強い打突ができますが、握力への負担が大きくなります。僕自身は握力が落ちてきているので、いまは束太を避けています。細めは操作性が上がる代わりに、手元がわずかに落ち着きにくくなります。
柄選びでやりがちな失敗を、先に挙げておきます。
- 握力に合わない束太を”力強そうだから”で選ぶ
- 人気だからと、握らずに小判・八角を通販で即決する
- 持ち替えが多い戦い方なのに、固定感の強い八角を選ぶ
柄形状は、スペック表だけでは決まりません。合う・合わないは、最後は実際に握って振ってみて決めるのが一番確実です。可能なら、店頭や仲間の竹刀で握り比べてから選びましょう。
ちなみに、僕が試合で使っているのは右手だけ小判という選択です。これは小判の刃筋と丸型の自由度の”ちょうど中間”を狙ったもので、詳しくは後半の彪雅シリーズの章でお話しします。
「刃筋か、自由度か」で迷ったら、両方を欲張れる”右手だけ小判”という第三の選択肢がありますよ
形状で手の内が決まったら、最後の変数は”竹の中身”、つまり素材です。割れにくさと打感のトレードオフを見ていきましょう。
素材で変わる打感と耐久|桂竹・真竹・燻竹・カーボン・バイオを比較
竹刀の素材は、打感・しなり・耐久・価格に直結します。ここも「割れにくさを取るか、打感を取るか」というトレードオフが基本の考え方です。代表的な5素材を整理します。
桂竹・真竹|標準か、打感の良さか
桂竹は最も一般的で安価な標準素材です。まずはここから、で問題ありません。対して真竹は、しなりと打感に優れた高級素材で、打ちの表現にこだわる上級者に好まれます。ただし真竹はやや割れやすく、価格も上がります。
燻竹・カーボン|軽さと張り、割れない割り切り
燻竹(燻煙)は、いぶして乾燥させることで硬く軽く仕上げた素材です。張りのある打ち味が好きな人に向きます。カーボンは「とにかく割りたくない」人向けの割り切った選択で、耐久は抜群ですが、打感は天然竹とは別物になります。
バイオ竹刀|”思った通りのタイミング”で打てる
「バイオ竹刀 デメリット」もよく検索される話題です。バイオ竹刀は特殊処理で割れにくく、しなりが少ないのが特徴で、僕はこの”しなりの少なさ”に大きなメリットを感じています。
通常の竹刀は「ここで面だ!」と思っても、一瞬しなって遅れることがあります。でもバイオテック竹刀なら、思った通りのタイミングで面を打てるんです。
梶谷彪雅
ただし、これは裏を返せばデメリットにもなります。しなりが少ない分、柔らかい冴えの打ちを表現したい人には打感が硬く感じられ、価格も高めです。通常竹刀からの持ち替えで感覚差が出るので、好みははっきり分かれます。
| 素材 | 打感・しなり | 耐久 | 価格帯 | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| 桂竹 | 標準 | 標準 | 安価 | 練習用・コスパ重視 |
| 真竹 | しなり良・打感◎ | やや割れやすい | 高め | 打感にこだわる上級者 |
| 燻竹(燻煙) | 硬め・張りあり | 乾燥で硬質 | 中〜高 | 軽さと張りを求める人 |
| カーボン | 独特(硬い) | 非常に高い | 高め | とにかく割りたくない人 |
| バイオ | しなり少なめ | 高い | 高め | タイミング・耐久重視 |
なお、このバイオテック仕様を実戦竹刀に落とし込んだのが、後述する彪雅煉獄です。素材の話は、最後に”あなたの一本”へつながっていきます。
ここまでの3軸(サイズ・重心・柄形状)と素材を、いよいよ”あなたの一本”へ落とし込みます。
\自分に合う一本を最短で見つけたい方へ/
迷わない竹刀選びフローチャート|体格→スタイル→予算→この一本
ここまでの内容を、実際に選ぶ順番に並べ直します。体格→スタイル→手の内の好み→予算・用途の順で決めれば、竹刀選びは迷いません。4ステップで見ていきましょう。
- 体格・段階でサイズを確定(公式規定から外さない。子どもは学年・身長で)
- スタイルで重心を選ぶ(速さ型→手元重心/パワー型→先重心/上段→専用設計)
- 手の内の好みで柄形状を選ぶ(自由度→丸型/刃筋→小判/フィット→八角)
- 予算と用途で素材を決める(練習用と試合用は分けるのが基本)
ここが核心:竹刀選びは、この4ステップを体格→スタイル→手の内→予算の順で決めるだけで外しません。順番を守ることが、迷わないコツです。
重心タイプ別の章で見たとおり、速さで勝負するなら手元重心の胴張り型が扱いやすく、連続技も間に合います。逆にパワー型は先重心の古刀型で一本の押し込みを出す、という組み立てです。
柄の形状別の章で触れた”右手だけ小判”は、刃筋の安定と持ち替えの自由度の、ちょうど中間を狙う選択です。丸型と小判で迷った人は、ここが落としどころになります。タイプ別の着地例を表にまとめました。
| あなたのタイプ | サイズ | 重心 | 柄形状 | 素材・用途 |
|---|---|---|---|---|
| 速さ型 | 規定サイズ | 手元重心(胴張り) | 丸型 or 右手小判 | 桂竹〜真竹/軽さ重視 |
| パワー型 | 規定サイズ | 先重心(古刀型) | 丸型・束太 | 真竹/一本狙い |
| 上段 | 規定サイズ | 専用設計 | 好みで | 左手の負担を抑えた専用竹刀 |
| 始めたての子ども | 学年・身長で28〜36目安 | 軽い胴張り | 丸型 | 桂竹・Jr./コスパ |
STEP4の「練習用と試合用を分ける」は、意外と効きます。僕は普段、あえて重めの練習竹刀を使っています。重い竹刀に慣れておくと、試合用に持ち替えたとき竹刀が軽く感じて速く振れるんです。いわば”重い環境で鍛えて本番で楽をする”という考え方ですね。
練習用は割れる前提の消耗品、試合用は決めた一本を大事に。この使い分けの詳細は、下の記事でまとめています。

最後に、選ぶ前に避けたい失敗も一言だけ。大きすぎる竹刀・流行だけで選ぶ・割れた竹刀を放置する。この3つは手の内を崩し、ケガの原因にもなります。フローで方向が定まったら、その”3軸の答え”を一本にまとめた竹刀を紹介します。
3軸の答えを一本に|実戦から生まれた彪雅シリーズ
ここまでお話しした「サイズ・重心・柄形状・素材」の答えを、僕自身が一本にまとめたのが彪雅シリーズです。高森中・九州学院時代からの竹刀づくりへのこだわりと、改良の積み重ねから生まれた実戦シリーズで、見た目よりも”実戦での使用感とバランス”を最優先に設計しています。
“右手だけ小判”という設計思想
柄の形状別の章で触れた「刃筋か、自由度か」の答えが、この右手だけ小判です。考え方はシンプルで、右手は打突の瞬間だけ効く”調整役”、左手は常に一定で支える”安定役”。だから右手だけ小判にして刃筋を通し、左手は丸型のまま自由度を残しています。
ここで大事な注意点です。“右手部分をただ削っただけ”の模倣品とは別物です。彪雅シリーズは一本一本を手作業でバランス調整しているからこそ、この使用感が出せます。
迷ったらこの3本
- 彪雅2(胴張り実践型)…万能No.1。迷ったらこれ。30〜39の全サイズ対応
- 彪雅煉獄(バイオテック仕様)…素材の章で触れた”思った通りのタイミング”を、強度と両立
- 彪雅(直刀型)…剣先の重みで一本を狙う、パワー重視の一本
用途特化なら、小学生専用でコスパの良い彪雅Jr.、上段の左手負担を抑えた彪雅JD、素振りで筋力を鍛える先重心の彪雅轟もあります。どの一本が合うかは、下の完全ガイドでスタイル別に確認できます。

\3軸の答えを、あなたの一本に/

あなたの一本が見えてきたら、最後に”長く安全に使う”ためのメンテナンスを押さえましょう。
竹刀のメンテナンスと寿命|長く安全に使うために
良い竹刀を選んでも、手入れを怠ると寿命が縮み、何より危険です。全剣連も、安全に使える状態を検査要領として定めています。稽古前後の点検を習慣にしましょう。
特に気をつけたいのがささくれ・ひび割れ・中結や弦のゆるみです。ささくれは相手のケガにつながるので、見つけたらすぐに削るか交換します。竹の乾燥を防ぐため、時々油を塗って手入れするのもおすすめです。
試合前の点検チェック:①先革やちくとう部にひび・ささくれがないか ②中結・弦がゆるんでいないか ③四つ割りの合わせに大きな隙間がないか。ひとつでも不安があれば、その竹刀は使わない判断も大切です。
割れて組み替えるときは、前述の「左右は左右、上下は上下」を守ります。そして正直に言うと、割れる時は割れる、それが竹刀です。僕も中学時代は2日に1本のペースで割っていました。だからこそ、練習用は消耗品と割り切り、竹刀に日付を記入して使用期間を管理していました。

安全基準の詳細を確認したい方は、全剣連の資料もあわせてご覧ください。ここまでの疑問を、最後によくある質問でまとめて解消します。
参考:竹刀検査用基準器 説明書/剣道用具安全基準 検査要領(全日本剣道連盟)
竹刀の選び方でよくある質問
小判型と丸型、初心者はどっちを選ぶべき?
まずは自由度が高く持ち替えの利く丸型が無難です。刃筋を体で覚えたい段階では小判型も有効ですが、握りの向きが固定される分、引き技での融通が利きにくいというデメリットもあります。迷ったら丸型から始め、慣れてから小判を試すのがおすすめです。
八角型は本当に打ちやすい?合わない人の特徴は?
グリップが効き、面の認識がしやすいのは確かです。ただし手の内が固定されやすく、持ち替えを多用する人や回転系の操作を好む人には合いにくい傾向があります。流通が少なめで価格も上がりやすいので、可能なら握ってから選ぶと失敗しません。
バイオ竹刀は普通の竹刀と何が違う?デメリットは?
特殊処理で割れにくく、しなりが少ないため、思ったタイミングで打ちやすいのが特徴です。一方でしなりが少ない分、柔らかい冴えの打ちを表現したい人には打感が硬く感じられ、価格も高めです。通常竹刀からの持ち替えで感覚差が出るため、好みが分かれます。
重心(胴張り・古刀型)は自分のスタイルでどう選ぶ?
速さや応じ技を主体にするなら、剣先が軽く感じる手元重心の胴張り型が扱いやすいです。一本の重みや押し込みで勝負したいなら、先重心の古刀型・実戦型が向きます。ただし先重心は取り回しに体力を要するので、自分の筋力とも相談して選びましょう。
サイズ(尺)は身長・学年でどう決める?公式規定は?
中学生以上は全剣連の規定サイズが基準で、中学37(114cm以下)、高校38(117cm以下)、大学・一般39(120cm以下)です。小学生には規則上の基準がないため、学年・身長に合わせて28〜36を目安に選びます。大きすぎる竹刀は手の内が崩れるので避けましょう。
練習用と試合用は分けるべき?
分けるのがおすすめです。あえて重めの練習竹刀に慣れておくと、試合用に持ち替えたとき軽く感じて速く振れます。練習用は割れる前提の消耗品と割り切り、試合用は自分に合った一本を大事に使うと、コストと調子の両方を安定させられます。
まとめ|竹刀は”合わせて選ぶ”だけで一本が決まる
竹刀選びは、難しく考える必要はありません。今日の要点を、最後に並べておきます。
- サイズは公式規定から外さない(子どもは学年・身長で。背伸びさせない)
- 重心はスタイルで(速さ→手元重心/パワー→先重心)
- 柄形状は手の内の好みで(自由度→丸/刃筋→小判/フィット→八角)
- 素材は用途と予算で(練習用と試合用は分ける)
- 迷ったら、選び方フローチャートに沿って一つずつ決める
最後にひとつだけ。正解の竹刀は”人気の竹刀”ではなく、”あなたに合う竹刀”です。この記事の3軸で、あなたの一本が見つかることを願っています。今日からまた、最高の剣道ライフを楽しみましょう。








