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剣道の引き小手|打ち方・一本になる4条件と10種類のコツ完全ガイド

剣道の引き技の中で、最も決定率が低く、難しいと言われる「引き小手(ひきこて)」。

でも、使いこなせれば試合の流れを支配できる強力な武器になることをご存知でしょうか?

こんな悩みはありませんか?
  • 引き小手を打っても全然一本にならない
  • 打った後に必ず後打ちを取られてしまう
  • 相手の手元が硬くて小手が空かない
  • 引き面ばかり読まれて、引き小手も使いたい

この記事を書いている梶谷彪雅は、全国大会9回優勝・剣道4大大会8連覇を経験したプロ剣道家です。九州学院・明治大学時代、引き小手を試合で何度も決め、相手にプレッシャーを与え続けてきました。

本記事では、引き小手の10種類のバリエーションを初級・応用に分けて完全解説します。

各技には難易度評価・使いどころ・失敗パターン・上達のコツを含め、網羅的にまとめました。

読み終わる頃には、引き小手があなたの勝ち筋を増やす切り札に変わっているはずです。

今回の記事で学べることは下記のとおりです。

  • 引き小手が引き技で最も決まりにくい理由と、それを武器に変える考え方
  • 一本にするための4つの絶対条件
  • 初級〜応用の引き小手10種類の打ち方とコツ
  • レベル別(中学生・高校生・社会人)の習得戦略
  • 一本にならない7つのNGと練習法3ステップ

まずは、あなたの今の状況から「最初に狙うべき引き小手」を早見表で確認してみてください。

あなたの状況まず狙う引き小手
引き小手が全く一本にならない①大きく引き小手(意識練習)
実戦で使える基本が欲しい②小さく引き小手
引き面ばかり読まれる③面フェイント引き小手
相手が押し返してくる④押して引き小手
全国レベルで通用させたい⑥左拳で払って・⑧中間間

「自分はどのタイプかな?」とイメージしながら読むと、覚える技がぐっと絞れます

筆者プロフィール

彪雅KENDO合同会社
代表 梶谷 彪雅

大分県出身。高森中学校、九州学院高等学校、明治大学卒業。
剣道の4大大会8連覇を含む、日本一を複数回経験。

日本一9回・梶谷彪雅による直接指導の様子

個別指導・講演会

日本一9回が、その場で癖を見つけて、その場で直す。

マンツーマン、または最大3名の少人数で、実際に竹刀を交えて稽古できます。動画や言葉では届かない”手元の違和感”を、1回の稽古で1つ以上持ち帰ってもらう。これが個別指導の一番の価値です。

  • 日本一9回の経験をそのまま共有(同じ壁は必ず通ってきた)
  • 道場・学校・ご家庭の個人稽古、いずれも対応可能
  • 初回ヒアリング無料。まずは現状を聞かせてください

※道場・学校単位での講演会・稽古会のご依頼もこちらから承っています。

目次

引き小手とは?|打てると差がつく「上級者の技」

引き小手とは、鍔迫り合いから下がりながら小手を打つ技のこと。引き技3種類(面・小手・胴)の中で、最も決まりにくいと言われています。

引き小手は決して我流の小技ではありません。引き技は、全日本剣道連盟が定める基本技のひとつとして、公式に位置づけられている技です。

全日本剣道連盟の『木刀による剣道基本技稽古法』では、引き技が「基本4」として9つの基本技のひとつに位置づけられています。引き技は、剣道の土台となる基本技として公式に体系化されている技なのです。
木刀による剣道基本技稽古法・解説書:全日本剣道連盟

なぜ引き小手は試合で見かけることが少ないのか

全日本選手権や全国大会の試合映像を見ても、引き小手で一本を取るシーンは引き面に比べて圧倒的に少ないです。理由は3つあります。

  • 打突部位(小手)が狭い──面と比べて当てる難易度が高い
  • 打つ瞬間に面が空く──上級者は面を打ち返してくる
  • 後打ちのリスクが高い──下がるスピードが遅いと取られる

しかし、これを逆手に取れば「打てる人」だけが手にする武器になります。引き小手が打てる選手は、相手に「面も小手も警戒しなければ」というプレッシャーを与えられるからです。

引き小手を習得する「3つのメリット」

  • 相手にプレッシャーをかけられる──警戒すべき技が増える
  • 引き面の決定率も上がる──相手が小手を警戒すると面が空く
  • 試合の組み立ての幅が広がる──攻めのバリエーションが2倍に

つまり、引き小手は単体で一本を取るための技というより、引き技全体の決定率を上げるための「セットの技」として位置付けるのが正解です。

引き技全体の位置づけや鍔迫り合いの基本は、親記事で体系的に解説しています。あわせて読むと理解が深まります。

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では、実際に打つときに何を意識すべきか。まずは一本を邪魔する「3つの注意点」から見ていきましょう。

引き小手の打ち方|一本にする3つの注意点

引き小手で一本を取るには、まず3つの注意点を理解することから始めましょう。これを意識せずに打ち続けると、永遠に一本になりません。

注意点①:打つ瞬間に面が空く

引き小手を打つには、自分の竹刀を相手の竹刀より下に下げる必要があります。

すると相手から見ると、目の前に隙だらけの自分の面がプレゼントされた状態になります。前技なら竹刀を下げるだけで打たれにくいですが、引き技は鍔迫り合いの近距離なので一瞬で打たれます。

対策

  • 足を使って打突空間を作る(後述)
  • 打ち気を消して相手を油断させる
  • 相手のリズムを崩してから打つ

注意点②:打った後の後打ちリスクが高い

引き小手を打って外したり、一本にならなかった場合、追いかけられて後打ちを取られるリスクが高い技です。これは引き面と比べて、下がる体勢に入るのが遅れるためです。打突姿勢から後退に切り替える時に、隙が生まれやすいのです。

注意点③:そもそも一本になりにくい

引き小手は引き面・引き胴に比べて、そもそも一本判定されにくい技です。理由は以下です。

  • 打突音が小さくなりがち
  • 打突部位が狭く、外しやすい
  • 審判から見て「ただ当てた」と判定されやすい

注意点を頭に入れたら、次はこれらを乗り越えて一本にするための「4つの絶対条件」を確認していきましょう。

引き小手で一本にする「4つの絶対条件」

引き小手を一本にするには、以下の4つの条件が揃わなければいけません。これは僕が現役時代に意識していた、「決まる引き小手」のチェックリストです。

条件① タイミング

相手が動いていない瞬間、フェイントで一瞬止めた瞬間を狙う

条件② 踏み込み

小さくなりがちな打突音を、強い踏み込み音で補う

条件③ 打突音

手の内の冴えで「カン!」と乾いた音を審判に聞かせる

条件④ 下がるスピード

打った瞬間にはもう下がっている速さで、後打ちを封じる

条件①:相手を瞬間的に止める(タイミング)

引き小手は相手が動いていない瞬間を狙うのがコツ。相手が動いていると、小手の位置がブレて当たりにくくなります。逆に、フェイントなどで相手の動きを一瞬止めた瞬間が、最大のチャンスです。

条件②:踏み込みを強く

引き小手は打突音が小さくなりがちなので、踏み込みの音で補う必要があります。「パチン!」という乾いた踏み込み音と、小手の打突音が同時に鳴ることで、審判に「決まった!」と認識させやすくなります。

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条件③:小手の打突音を審判に聞こえるように

小手は打突部位が小さいので、「カン!」と乾いた音を出すことが極めて重要です。音を出すコツは、手の内の冴え。雑巾を絞るように握りを締めて、竹刀をピタッと止めることで、乾いた良い音が鳴ります。

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条件④:下がるスピードを最速に

引き小手で一番怖いのが後打ち。打った後すぐに間合いを切らないと、相手に追いかけられて面や胴を取られます。「打った瞬間にはもう下がっている」くらいのスピード感が理想です。

ポイント:この4条件のうち1つでも欠けると、引き小手は一本になりません。逆に言えば、4つを意識するだけで決定率は劇的に上がります

条件を押さえたら、いよいよ引き小手10種類の全体像を一覧表で見ていきましょう。

引き小手10種類|一覧表で全体像を把握

これから解説する引き小手10種類を、レベル別に一覧表で整理しました。自分が今どこを目指すかをイメージしながら読み進めてください。

区分技の名前難易度
意識練習①大きく引き小手★☆☆☆☆
基本②小さく引き小手★★★☆☆
応用③面フェイント引き小手★★★☆☆
応用④押して引き小手★★★☆☆
応用⑤崩して引き小手★★★★☆
応用⑥左拳で払って引き小手★★★★☆
応用⑦押さえて引き小手★★★☆☆
応用⑧中間間を作って引き小手★★★★☆
応用⑨別れ際の引き小手★★★★☆
応用⑩相手が打ってきた後の引き小手★★★★☆

全体像がつかめたら、次は僕が実際に使ってきた「2つの戦略」を公開していきます。

梶谷流|引き小手で勝つための「2つの戦略」

ここからは、僕が九州学院・明治大学・全日本選手権で実際に使ってきた引き小手の戦略を公開します。

戦略①:引き面とのセットで使う「コンビネーション戦略」

引き小手単体で打っても、ベテラン剣士には通用しません。最強の戦略は引き面とのコンビネーションです。

梶谷流コンビネーションの手順

  1. 試合序盤:引き面を何度も打つ(本気で1本を狙う)
  2. 相手の認識:「こいつの引き面は危ない、避けないと」
  3. 相手の行動:鍔迫り合いで手元を上げて面を守る
  4. 結果:小手が空く
  5. 仕上げ:引き小手を打ち込んで一本

つまり、相手に「こいつの引き面は触らせても一本になるかもしれない」と思わせる引き面を打つことが、引き小手成功の前提条件なのです。

引き小手は単体で狙うと必ず読まれます。引き面を本気で怖がらせてから、初めて小手が空くんです。順番を守ることが一番の近道ですよ。

梶谷彪雅
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戦略②:足を使って「打突空間」を作る

引き小手で最も重要なのが、打突空間の確保。鍔迫り合いの近距離では、そのまま打っても竹刀の根元に当たって一本になりません。

空間を作る2つの方法

  1. 相手との距離を離す──押す、崩す、相手を下げさせる
  2. 腕の縮め方を工夫する──前技と違って腕を伸ばさない

注意点として、相手との距離を離しすぎると相手も引き技を打てる間合いになってしまいます。「相手にバレずに微妙な距離を作る」のがコツ。足の使い方や打ち気の消し方など、細かい工夫が必要になります。

僕が指導でよく伝えるのは、序盤に本気の引き面を2〜3本見せて相手の手元を上げさせ、「面が来る」と思わせた一瞬で小手に切り替える崩し方です。相手が面を守った瞬間こそ、小手が最も空いています

戦略がわかったら、まずは体に動きを覚えさせる基本の2種類から始めていきましょう。

【意識練習編】まずはこの2つから始めよう

引き小手の応用技を学ぶ前に、まずは基本となる2種類を完璧にマスターしましょう。

①大きく引き小手|意識練習の基本

大きく引き小手は試合では使いませんが、動きを体に覚えさせる意識練習として極めて重要です。

  • 難易度:★☆☆☆☆(練習用)
  • 使いどころ:練習(試合では使わない)

大きく引き小手の正しい手順

  1. 間合いを作る(相手との距離を確保)
  2. 大きく振りかぶる(間合い以上に下がらない)
  3. その場で打つ(腕を縮めて)
  4. 手の内を意識(小手の音が鳴るように)
  5. 強い踏み込み(できるだけ強く)
  6. 下がるスピード(目を逸らさない)
  7. 残心を取る(後打ちに注意)

剣道以外で例えるならラダートレーニングです。出来るだけ速く・細かく足を動かす時、頭で考えて体に伝達しますよね。これと同じで、大きくゆっくり動作することで、体に動きを覚えさせます。

大きく引き小手ができないと、小さく引き小手は絶対に打てません!

梶谷彪雅

②小さく引き小手|実戦で使う基本技

大きく引き小手をマスターしたら、次は実戦で使う小さく引き小手です。

  • 難易度:★★★☆☆
  • 使いどころ:試合の基本

小さく引き小手のコツ

鍔迫り合いの竹刀が立っている状態から、振りかぶらずに竹刀をそのまま下に振り下ろす感じで打ちます。強く打とうとすると力が入って振りかぶってしまうので注意。コンパクトな動きで「カン!」と鋭く打つのが理想です。

  • 左手を自分の左腰に引く
  • 右手で竹刀を落とすイメージ
  • 重心を落としてキレを出す

打突時に竹刀が外側に流れて見えるので、「手の内・踏み込み・重心」の3つを意識して、引き小手にキレを出しましょう。

基本の2種類をマスターしたら、いよいよ試合で使える応用8種類に進んでいきましょう。

【応用編】試合で使える引き小手8種類

応用編では、試合で実際に使える8種類の引き小手を紹介します。基本2種類をマスターしてから取り組んでください。まずは8種類を難易度と使いどころで一覧にしました。

技の名前難易度使いどころ
③面フェイント引き小手★★★☆☆相手が引き面を警戒
④押して引き小手★★★☆☆押し返してくる相手
⑤崩して引き小手★★★★☆崩して引き面に対応する選手
⑥左拳で払って引き小手★★★★☆中級〜上級の試合
⑦押さえて引き小手★★★☆☆別れ際・気を抜く瞬間
⑧中間間を作って引き小手★★★★☆全国大会レベルの試合
⑨別れ際の引き小手★★★★☆別れ際の攻防
⑩相手が打ってきた後の引き小手★★★★☆中途半端に技を出す相手

③面フェイント引き小手|王道の応用技

鍔迫り合いから相手の面を軽く触る、または面打ちのフリをしてから引き小手を打ちます。

  • 難易度:★★★☆☆
  • 使いどころ:相手が引き面を警戒している時

フェイントのコツ

表からの引き面を十分に意識させることが鍵。相手が引き面を警戒して手元を上げた瞬間に、引き小手を打ちます。

  • 体を右に動かしながら相手の面を触る
  • 触らずに体や竹刀だけで「面を打つ動き」を見せる

自分に合ったフェイント方法を、練習の中で見つけていきましょう。

④押して引き小手|攻めから繋げる王道

相手を押して手元を上げさせ、そこに引き小手を打ち込む技。

  • 難易度:★★★☆☆
  • 使いどころ:相手が押し返してくるタイプ

「押して引き面」との違い

ただ押すだけでは手元は上がりません。押して引き面を打つ動作を見せることで、相手が引き面を警戒して手元を上げます。

  • 押して引き面:振りかぶらずに面を打つ
  • 押して引き小手:振りかぶる動作で相手の虚を突く

振りかぶる動作で相手の手元を上げさせるのが、押して引き小手のキモです。

⑤崩して引き小手|タイミング技

相手の首を左斜め下に押して崩すと、相手は体勢を戻そうとして手元が上がります。その瞬間を狙って打つ技です。

  • 難易度:★★★★☆
  • 使いどころ:崩して引き面に対応してくる選手

崩して引き小手の重要ポイント

体勢が戻ったことを確認してから打つと遅れてしまいます。体勢が戻る瞬間を予測して打突するのがプロのコツです。

また、竹刀の剣先で崩そうとすると力が伝わりません。竹刀の根元(自分の拳のあたり)から崩すのが正解です。

注意点として、体幹が強い選手重心を落として耐える選手には効きにくい技です。打突のタイミングを変える工夫が必要です。

⑥左拳で払って引き小手|テクニカルな一手

鍔迫り合いの状態から、自分の左拳で相手の右拳を払うことで、手元に隙を作る高度な技。

  • 難易度:★★★★☆
  • 使いどころ:中級〜上級の試合

払う方向のコツ

ボクシングの左フックのように、左から右に殴るイメージで払います。動作が大きくならないよう、打ち気を消して払うのがプロのコツ。

払った瞬間は右手が自分の体に近く、左手が前に出ている状態。左手を自分の体の方に引っ張るようにすると、自然と竹刀が回って振り下ろせます。

最も難しいのは「間合い」

  • 払いを外さない間合い
  • 相手の拳を強く払える間合い
  • 小手を打突部位で捉えられる間合い

この3つを同時に満たす微妙な間合いを、練習で見つけていきましょう。間合いの基本は専門記事で詳しく解説しています。

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⑦押さえて引き小手|反動を利用

相手の竹刀を表側(自分の右側)から左方向に押さえて、竹刀が戻ってくる反動を利用して隙を作る技。

  • 難易度:★★★☆☆
  • 使いどころ:別れ際、気を抜く瞬間

鍔迫り合いの状態で押さえると相手は警戒します。「別れ際」「気を抜く瞬間」を狙って押さえると効果的です。

⑧中間間を作って引き小手|高度な戦術

中間間(ちゅうかんま)」を作り出して引き小手を狙う、高度な戦術です。

  • 難易度:★★★★☆
  • 使いどころ:全国大会レベルの試合

中間間を作る2つの方法

  1. 前技から繋げる中間間──前技を打ちかけて相手が止まったら狙う
  2. 引き技から繋げる中間間──引き技を打ち切れずに中間間になったところを狙う

前技を打とうとして相手が足を止めて避けたら、そのまま中間間で引き小手を打つチャンスです。「前技を打つ気持ちがない」と相手にバレないよう、本気で前技を打つ姿勢から入りましょう。

⑨別れ際の引き小手|2種類の使い分け

別れ際の引き小手には2種類あります。

  • 表から別れる場合:押さえて引き小手
  • 裏から別れる場合:裏から表に抜く動作で誘う

裏から別れる場合のコツ

裏から表に抜いて引き面」の動作を相手に警戒させると、相手は手元を上げます。その隙に小手を打ちます。これは引き面のフェイント技をマスターしている前提での応用技です。

⑩相手が打ってきた後の引き小手|カウンター技

自分が攻めている時に相手が無理に技を出してきて、体勢が崩れた瞬間を狙う技。

  • 難易度:★★★★☆
  • 使いどころ:中途半端に技を出す相手

出てよし、引いてよし」と褒められる剣士になるための重要な技です。間合いを作りすぎると相手は警戒して避けてしまうので、ギリギリの所で捌き、相手が気を抜いた瞬間を狙います。

10種類を理解したら、次は自分のレベルに合わせた習得の順番を確認していきましょう。

レベル別|引き小手の習得戦略

剣道のレベルによって、習得すべき引き小手は異なります。まずは早見表で、自分が今取り組むべき技を確認してみてください。

レベル習得すべき技ねらい
中学生(初心者〜地区)引き面+大きく引き小手動作イメージを作る
高校生(県〜全国)小さく・面フェイント・押して引き小手実戦力を上げる
大学生・社会人(全日本)応用8種+左拳で払って・中間間引き出しを増やす

中学生向け(初心者〜地区大会レベル)

  • 引き小手はまだ早い → まずは引き面を完璧
  • 大きく引き小手で動作のイメージを作る

高校生向け(県大会〜全国大会レベル)

  • 小さく引き小手をマスター
  • 面フェイント引き小手・押して引き小手で実戦力UP
  • 引き面とのコンビネーションを意識

大学生・社会人向け(全日本レベル)

  • 応用技8種類で引き出しを増やす
  • 左拳で払って引き小手・中間間で高難度技に挑戦
  • 相手のタイプに応じた技の使い分けを磨く

狙う技が決まったら、それを一本にするための具体的な練習法を見ていきましょう。

引き小手の練習法|プロが実践する3ステップ

ステップ①:大きく引き小手の意識練習(基礎)

まずは「正しい動き」を体に覚えさせます。1日10本×3セット。

  1. 間合いを作る
  2. 大きく振りかぶる
  3. その場で打突
  4. 強い踏み込みと小手の音
  5. 素早く下がって残心

ステップ②:小さく引き小手の実戦練習(応用)

振りかぶらずに、コンパクトに打つ練習。1日10本×3セット。

  • 左手を左腰に引く
  • 右手で竹刀を落とす
  • 「カン!」と乾いた音を出す

ステップ③:対人練習で実戦感覚を養う

練習相手と組んで、応用技を試します。

  • 面フェイント引き小手
  • 押して引き小手
  • 崩して引き小手

練習法がわかったら、上達を止めてしまう「7つのNG」も必ずチェックしておきましょう。

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引き小手で絶対にやってはいけない7つのNG

強くなる人ほど「やらないこと」が明確です。引き小手で一本を取れない原因の9割は、以下の7つのいずれかに当てはまります。

  • 下がりながら打つ──踏み込みが弱くなり一本にならない
  • 振りかぶりすぎる──起こりが見えて避けられる
  • 引き面を打たずに引き小手だけ狙う──警戒されて打てない
  • 打突音が鈍い──一本にならない
  • 打突部位を竹刀の根元で捉える──詰まって一本にならない
  • 残心がない──後打ちを取られる
  • 打った後の下がり方が遅い──追いかけられて取られる

特に「引き面を打たずに引き小手だけ狙う」は最大のNG。引き小手は引き面とセットでこそ威力を発揮する技です。

1つでも当てはまったら、まずはそこを直すだけで一本の確率がぐっと上がります。全部を一度に直そうとせず、1つずつ潰していきましょう

NGを避けられるようになったら、よくある疑問をQ&Aで解消していきましょう。

引き小手に関するよくある質問(FAQ)

引き小手と引き面、どちらを先に習得すべき?

引き面が先です。引き面を相手に警戒させることで、引き小手の決定率が上がるからです。引き面が脅威になっていない状態で引き小手を狙っても、なかなか小手は空きません。

引き小手が一本にならない最大の原因は?

打突部位を竹刀の根元で捉えてしまうことです。鍔迫り合いの近距離なので、振りかぶると詰まります。コンパクトな打ちと、適切な間合い作りが重要です。

後打ちを取られないコツは?

下がるスピードを最速にすることと、残心を取りながら竹刀を相手に向けることです。「打った瞬間にはもう下がっている」という感覚を意識してください。

相手の手元が硬くて小手が空きません

引き面を本気で打って警戒させるのが基本戦略です。引き面が脅威になっていない状態で引き小手を狙っても、絶対に空きません。まずは引き面で相手の手元を上げさせましょう。

引き小手の踏み込み方は前技と同じ?

違います。引き技は右足を踏み込んだ後、後ろに蹴り出して下がる必要があります。前技のように体重を前に乗せるのではなく、瞬間的な踏み込みと素早い後退の両立が求められます。

引き小手は何種類覚えれば試合で戦えますか?

3〜4種類あれば十分です。「小さく引き小手」「面フェイント引き小手」「押して引き小手」の3つを完璧にすれば、引き面と組み合わせて強力な武器になります。

疑問が解けたら、最後に今日から実践できるポイントを整理していきましょう。

まとめ|引き小手で勝ち筋を増やそう

剣道の引き小手10種類について、初級・応用に分けて完全解説しました。

この記事のポイント

  • 引き小手は引き技で最も決まりにくい技だが、プレッシャーをかける武器
  • 一本の絶対条件は「タイミング・踏み込み・打突音・下がるスピード」の4つ
  • 引き面とセットで使うことで威力が倍増
  • 大きく引き小手 → 小さく引き小手 → 応用技の段階的習得
  • 「引き小手だけ狙う」は最大のNG

今日からできる3つのアクション

  1. 大きく引き小手を毎日10本(意識練習)
  2. 引き面を本気で打って相手に警戒させる練習
  3. 強い選手の引き小手動画を毎日見てイメージ強化

引き小手は地道な練習を積み重ねれば、必ず一本を取れるようになります。僕自身、九州学院時代に毎日引き面と引き小手をセットで練習し、試合の組み立ての幅を広げてきました。引き小手は「打てる人」の武器、努力した人だけが手にする切り札です。

引き面・引き小手・引き胴の3技を使い分けられる剣士は、試合を支配する強者になれます。一緒に頂点を目指しましょう!

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