なぜ「回して面」を多用するのか|小手を封じて先に届かせる3つの面技

なぜ梶谷彪雅は「回して面」を多用するのか?
「回して面」——竹刀を小さく回してから打つ面技。
ストレートな面打ちに比べて動作が大きく、起こりがバレやすいと思われがちな技です。それなのに、僕が試合で多用する理由。今日はその仕組みと、上級者が使いこなす3つの面技を解説します。
「回して面」の最大のメリット:相手の小手を封じる
理由はシンプル。相手が小手に来ても、打たれない面打ちを打ちたいからです。
僕は上からの小手打ちを得意としています。そのため、回す動作が相手に見えた瞬間、「あ、小手に来る」と判断されるんです。
相手は小手を警戒して反応が遅れる。そこに面が決まる。この心理的なズレが最大の武器です。
さらに、相手が「相小手面」「小手返し面」など応じ技で小手を狙ってきた場合、回す動作が先に入っているため、こちらの面が先に届く。相手が応じ技を打つ瞬間には、もう僕の面が決まっている。これが「回して面」の強さです。
さらに上級:手元を上げて「小手を誘う」回して面
僕の場合、攻め入っていく時に少し手元を上げて小手を見せる動きをします。
それだと小手を打たれるのでは?
普通に考えるとそうです。でも狙いは逆。相手に「小手が狙える」と誘って、小手に来させるんです。
誘った瞬間に、回して面に移行する。相手は小手を打とうとして手元が動いているから、面への対応ができない。これが最も決まりやすいパターンです。
回して面のデメリットと、それを消す方法
もちろん回して面にはデメリットもあります。
対策:ストレートの面と「同じタイミング」で打つ
理想は「回して面のスピード=ストレート面のスピード」にすること。
構えた状態から打突まで0.1秒なら、回して面も0.1秒で打てるのが最終目標。実際はもちろん動作分遅くなりますが、「同じスピードで打つ意識」を持つだけで、打突スピードは劇的に変わります。
ここで大事なのは、回しながら前に入らないこと。回しと前進を同時にやると、ただの起こりになります。構えた位置から回して、面打ちの瞬間に一気に入る——この順番を守ってください。
他の面技との組み合わせ:「下攻め面」
回して面と同じ理屈で使えるのが「下攻めからの面」。
下からの小手や裏からの突きを警戒させて手元を上げさせ、その瞬間に面を打つ技です。
ただし身長が低い選手(僕も含む)は、下攻めは不向きです。下を見せると面がガラ空きになり、出鼻面を打たれやすくなる。身長差がある相手ほど注意が必要です。
梶谷彪雅
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上級編:「避けながら入る裏面」
3つ目の上級技が「避けながら入って、裏から面を打つ」技です。
攻め合いの中で危ない瞬間、どうしても手元が上がる場面があります。そのまま避けるのではなく、中心を取りながら手元を上げて入り、裏面を狙う動きです。
全日本選手権の決勝などで、トップ選手がよく使う高度な技。相手が技を出しにくいタイミングを作り、そこに裏面を突き刺します。
今日からできる3つの一歩
最初は当たらなくて当然。速さを意識して振るだけでOK。感覚を体に覚え込ませるところから。
「同じスピード」を体で覚える最速の練習。スピード差が小さいほど、試合で決まります。
回す動作と踏み込みを分ける。これだけで起こりが格段に見えにくくなります。
まとめ:面打ちは「1つじゃない」
素振りの面打ちだけじゃ、試合では勝てないんですね…
その通りです。面打ちにはストレート・回して・下攻め・裏面など、使い分けるべきバリエーションがあります。
相手の心理を読み、相手が打たれないように警戒する技を先に見せて、そこから本命を打つ。面技の幅が、そのまま試合の勝率に直結します。
色々な面打ちに挑戦して、自分の武器にしていってください。

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