基本は大事、実践稽古はもっと大事|「試合は試し合い」を痛感した話

基本はめちゃくちゃ大事。でも「実践稽古」はもっと大事
先日の全日本選手権予選で、僕は負けました。気持ちは充実し、相手もよく見えていた。それでも攻められて足が止まり、打たれてしまった。この経験から、改めて痛感したことがあります。
それは、「基本はめちゃくちゃ大事。でも、対人稽古・実践稽古はもっと大事」ということ。お子さんの稽古を考える上でも、とても大切なポイントなので、ぜひ最後まで読んでください。
基本はやり込んだ。でも足りなかったもの
予選に向けて、僕は基本をやり込んできました。打ち込み稽古、素振り、縁の足さばき、走り込み、打ち込み台での基本打ち、週1回の筋トレ……。基本の形・抜け方・決め方を意識し、試合に向けて少し早く打つ練習や、出鼻・応じ技も取り入れました。
でも、もっと大事なものがありました。それが「地稽古」です。地稽古は、一本打って終わりではありません。打ったら相手は後打ちを打ってくるし、動くし、下がるし、前に攻めてくる。その中で「さばきの練習」をしておかないと、避けるだけで終わったり、後打ちが打てなかったりする。基本を、いかに実践的に応用できるか。ここは日頃からやっておかないと、試合で発揮しづらいんです。

「体感」でしか身につかないものがある
もちろん、基本稽古の中でも意識はできます。打った後に気を抜かない稽古、相手が打ってくる想定の技練習——イメージがしっかり湧けば、効果はあります。
でも、実際に体感することが、やっぱりすごく大事なんです。「こんなにガンガン入ってくるんだ」「打ちながら調整してくるんだ」——この試合感覚は、地稽古や試合稽古でしか感じにくい。今回、半年以上前から体づくりは頑張ってきたので、肉体的にはきつくなかった。筋肉量もいい感じ。でも、展開の速さや反応速度では、まったく追いつけませんでした。
振り返ると、中学・高校・大学時代は、地稽古の時間が長かったんです。高校では3時間半のうち、必ず1時間半は地稽古。中学でも、相掛かりからの一本勝負が1時間ほど、練習試合も土日にありました。試合稽古を、ものすごくたくさんしてきた。だからこそ、基本を応用できていたんだと気づきました。
「自転車」で考えると、よく分かる
基本と実践、そんなに違うものなんですか?
自転車で例えると分かりやすいです。1年間、自転車に乗れるようになる本やYouTubeで研究し、漕ぐための筋力トレーニングをして、動かない自転車を眺めながら足を漕ぐ練習をした人。いざ本番で乗ろうとしても、思った通りにはいきません。
一方、1年間、こけながら実際に乗り続けた人は、絶対に漕げる。これがまさに、実践稽古です。「打って反省、打たれて感謝」という言葉があるように、打たれながら「ここがダメだったな」と調整していく必要があるんです。教科書通りにいかないことが、実際にはめちゃくちゃたくさんあります。
地稽古の「質」と、環境の大切さ
そして、地稽古の「質」も、めちゃくちゃ大事だと思っています。ものすごく強い選手と毎日やると、最初はボコボコに打たれます。僕もそうでした。1年ほど、先輩や先生にひたすら打たれ続けた。
でも、強い先輩や同級生と1年間やり続けると、先生にかかった時の「一発目、何をしても全然ダメだ」という感覚が、少しずつ払拭されていくんです。本物に触れ続けること=環境の大切さ。中学・高校時代、日本一級の指導者の先生方から教われた環境に、改めて感謝の気持ちでいっぱいになりました。
これは、稽古だけの話ではありません。仕事の環境も同じです。レベルの高い人たちと一緒にいると、「みんな毎日投稿してるな、自分も頑張らないと」と、寝る前に一生懸命投稿を作れる。「みんな頑張ってるから、自分ももっと」と、誰よりも早く起きて朝練できた。あれも全部、環境のおかげです。強くなりたい現役生は、ぜひレベルの高い環境に飛び込んでみてください。

個別指導・講演会
日本一9回が、その場で癖を見つけて、その場で直す。
マンツーマン、または最大3名の少人数で、実際に竹刀を交えて稽古できます。動画や言葉では届かない”手元の違和感”を、1回の稽古で1つ以上持ち帰ってもらう。これが個別指導の一番の価値です。
- 日本一9回の経験をそのまま共有(同じ壁は必ず通ってきた)
- 道場・学校・ご家庭の個人稽古、いずれも対応可能
- 初回ヒアリング無料。まずは現状を聞かせてください
※道場・学校単位での講演会・稽古会のご依頼もこちらから承っています。
まとめ:「試合は試し合い」。実践稽古で成長しよう
誤解のないように言うと、基本が必要ないとは、まったく言っていません。基本の知識、筋力、基礎体力、さばき方、正しい動き方——すべて大事。基本があるからこそ、応用に転じられます。
でも、それを活かせる応用の稽古・試合稽古をしっかりやらないと、試合でも昇段審査でも、その場で発揮しにくくなる。「試合」は「試し合い」と書きます。本当にその通りだなと感じました。気持ちが充実しているだけではダメ。実践稽古をやりながら、環境も活用しながら、一緒に成長していきましょう。
あわせて読みたいおすすめ記事
「実践稽古・環境・継続」をさらに深める記事も、あわせてどうぞ。












