新中1の小柄な娘が中3男子と戦う時|がむしゃらに、でも賢く準備する戦略

新中1の小柄な娘が、中3男子と戦うことになった——どうすれば?
あるお母様から、こんなご質問をいただきました。
新中1女子の親です。小柄で向こう見ず・真面目で猪突猛進な娘。来月の同連予選は、大将・先鋒が新中3男子で、娘が中堅で出場します。中学生男子とどう対峙すればいいか…。2本取られて大将につなげず予選通過できない事態が見えています。怪我も心配です。
ご質問より
多くの小柄な選手・新入生が抱える悩み。今日は「体格差のある相手との試合の心構えと準備」についてお伝えします。

個別指導・講演会
日本一9回が、その場で癖を見つけて、その場で直す。
マンツーマン、または最大3名の少人数で、実際に竹刀を交えて稽古できます。動画や言葉では届かない”手元の違和感”を、1回の稽古で1つ以上持ち帰ってもらう。これが個別指導の一番の価値です。
- 日本一9回の経験をそのまま共有(同じ壁は必ず通ってきた)
- 道場・学校・ご家庭の個人稽古、いずれも対応可能
- 初回ヒアリング無料。まずは現状を聞かせてください
※道場・学校単位での講演会・稽古会のご依頼もこちらから承っています。
学年が上がる「体格差」は、本当に大きい
小学生から中学生、中学生から高校生——学年が一つ上がるだけで、本当に大きな壁があります。
僕自身、中学に入った時に「中3の先輩、なんでこんなに強いんだろう」と感じましたし、高校に入った時も「高3の先輩、なんでこんなに強いんだ」と痛感しました。体格差は、それくらいはっきり感じるものなんです。
でも、僕はこう思っています。その差を「感じる」ことがまず大事。そして、その差を1年生のうちに、できるだけ短い期間で埋めようとすること——これが成長の出発点です。
結論:「がむしゃらにやるしかない」——でも準備できることは山ほどある
正直に言うと、新入生が3年生と試合をする時は「がむしゃらにやるしかない」が本音です。
考える余裕もありません。少しでも気を抜けば吹っ飛ばされる。だから、吹っ飛ばされそうになったら必死に踏ん張る。踏ん張れないと思ったら、とっさに体をさばく——赤ちゃんが転ぶ時に勝手に手が出るのと同じ、本能に委ねる戦い方になります。
でも、その「本能」を最大化するためには準備が必要です。やみくもに突っ込むのと、準備された猪突猛進は、まったくの別物だからです。
準備①:想定練習を事前にやっておく
せっかく同じ部に中3男子の先輩がいるなら、事前に想定稽古をお願いするのが最短の準備です。具体的にはこんな場面を体に覚えさせます。
- 引き技を打たれた後の体当たりへの対応
- 場外際で厳しく攻められる状況の練習
- 体格差で押される時の体さばき
でも、いきなり本気でやられたら怪我しそうで…
そこは力加減の調整が必要です。弱すぎると練習にならない、強すぎると怪我をする——この塩梅はとても難しいのですが、先輩に相談しながら、少しずつ負荷を上げてもらうのがポイントです。

「負荷の高い環境」が人を強くする——僕のジャパン合宿の話
負荷の高いことに挑むからこそ、人は成長できます。これは僕自身、痛いほど経験しました。
高校生の時、ジャパン合宿に参加した時のこと。警察の方々との体格差が、もう全然違うんです。まるで石の壁にぶつかっているような体当たりを食らいました。でも、その体当たりに慣れていくと、大学での稽古が「あれに比べたら全然大丈夫だ」と感じられるようになったんです。
もちろん、合宿の練習がきつくて怪我をしたこともあります。だからこそ、一生懸命適応しつつ、怪我しそうな時は体当たりをうまく受け流す——この両方が大切です。中学生になるお子さんも、少しずつ「受け流す技術」も考えながら、でも今の猪突猛進さは絶対に失わずに頑張ってほしいなと思います。
準備②:「面は届かない」を認めた上で打つ
質問者の方は「面はもう届かない気がする」とおっしゃっていました。確かに、今の脚力では届かない可能性が高い。脚力がまだ小学生レベルだと、体格差のある相手には物理的に届きません。
でも、「届かないから打たない」ではなく「届かせるために鍛える」のが正解。小学生の時は当たっていた「相手が避けるより速く打つ面」も、中学生相手には見破られます。それでも当たるように、脚力・瞬発力を鍛え、筋トレでパワーアップする。練習だけでは足りない、筋力づくりまでセットで考えるんです。
準備③:「得意技」に集中する
質問者のお子さんは小手・小手返し面が得意だそうです。これは大きな武器です。
中3男子は体格も大きく、前にグイグイ出てきます。ということは、小手の機会は必ず生まれる。無理に面を狙うより、得意技を1本決めに行く戦略の方が現実的で、結果も出やすいんです。
中3男子との差を「1年で埋める」努力を始めよう
今回の試合は「がむしゃら」で乗り切るしかない。でも長期的には、体格差を埋める努力が必要です。短期と長期、両方の視点を持ちましょう。
| 来月の試合(短期) | これから1年(長期) | |
|---|---|---|
| やること | がむしゃら+想定練習+得意技 | 食事・筋力で体格差を埋める |
| ねらい | 今の全力を出し切る | 男子に打ち負けない体を作る |
食事:体作りは「前倒し」が鉄則
来月の試合まで、この1ヶ月で急に大きくはなれません。いきなり10kg増やせと言っても無理なんです。だからこそ体作りは前倒しが鉄則。小6で引退してから始めるのでは遅く、中1になる前から食事量を増やし、中学生の体格を見越して準備しておく必要があります。
筋力:パワー・瞬発力・持久力を分けて鍛える
以前のVoicyでもお伝えしましたが、筋力には種類があり、鍛え方で筋肉のつき方も変わります。技術(軌道)は比較的すぐ習得できますが、その土台になる基礎筋力・基礎体力がないと、そもそも勝てません。
| 筋力の種類 | 鍛える力 | 試合での効果 |
|---|---|---|
| パワー系 | 押し負けない力 | 体当たり・つばぜり合いで負けない |
| 瞬発力系 | 一瞬の速さ | 相手が避ける前に打ち切る |
| 持久力系 | 最後まで動ける力 | 試合後半でも竹刀が落ちない |
大事なのは体格に合わせた負荷です。小学生と同じ30〜40kgの体当たりを受け続けるのか、中学生の80kgクラスを受け続けるのかで、成長はまったく変わります。ただし、やりすぎは怪我につながる。負荷は計画的に上げていきましょう。
中体連では「女子の部」になる
もう一つ大事な視点。中体連は女子の部で戦えます。普段から「男子に打ち負けない・当たり負けない体」を作っておけば、女子相手では全然負けない剣道になる。だから、あえて男子のスピード・打突力を基準に置いて、そこを目指す気持ちで練習してほしいんです。
成長に終わりはありません。いつまでも成長し続けないといけない、終わりの見えない戦いでもある。僕自身、中学も高校も頑張り続けるのは本当に大変でした。でもその頑張りがあったからこそ、勝ち続けることにつながったと心から思っています。
今日からできる3つの一歩
道場の先生・保護者経由で1〜2回でも体格差のある稽古を経験させる。1週間前までは、この負荷の高い練習で中3男子の打突力を体に覚えさせます。
試合は「得意技1本を決める場」と割り切る。「この1本だけは決める」という技を徹底的に磨きましょう。
来月の試合は間に合わないかもしれない。でも3ヶ月後・半年後には必ず差が出ます。今日始める子だけが、未来を変えられます。
まとめ:がむしゃらに、でも賢く準備する
来月の試合、本当にどうなるか心配です…
予選通過できるか分からない。でも「今の全力で戦う経験」自体が、お子さんの財産になります。
猪突猛進の気質は最大の武器。失くさないでください。そこに「賢い準備」を加えるだけで、必ず成長します。すぐにそのレベルには届かないかもしれない。でも、そこを目指して、来月はできる限りがむしゃらに——応援しています。頑張ってください!
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日本一9回が、その場で癖を見つけて、その場で直す。
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