一番効率のいい勉強は「人に教える」|学習ピラミッドを剣道に転用する3つの方法

「稽古に毎日出てるのに、なんだか身につかない」「講演会で聞いた話、翌日には忘れちゃってる」――こんな経験、ありませんか?
実は、人間の脳は学習方法によって記憶の定着率がまったく違うことが、研究で分かっています。しかもその差、なんと最大18倍。同じ時間をかけても、これだけ得るものが変わるんです。
本記事では、「学習ピラミッド」と呼ばれる学習効率の仕組みを紹介しながら、これを剣道の上達にどう転用するか、僕の高校時代の体験も交えてお伝えします。
今回の記事で受け取れることは下記のとおりです。
- 学習ピラミッドの7段階と定着率の差
- 梶谷が高校時代に実践したアウトプット稽古法
- 稽古の効率を18倍に上げる3つの実践法
- 保護者がお子さんとできる「教える側ロール」
学習ピラミッド:定着率は最大18倍違う
まずは、衝撃の数字を見てください。学習方法ごとの、翌日の記憶定着率です。
| 学習方法 | 翌日の定着率 |
|---|---|
| 人の話を聞くだけ | 5% |
| 本を読む | 10% |
| 動画を見る | 20% |
| 実演を見る | 30% |
| 議論をする | 50% |
| 自分で体験する・実践する | 75% |
| 人に教える | 90% |
「聞くだけ」と「教える」では5% vs 90%。同じ1時間の稽古でも、聞いてるだけの人はわずか3分しか身につかない計算。教えている人は54分まるごと身になります。
この数字を初めて知った時、僕は本気でぞっとしました。「今まで、どれだけ非効率な時間を過ごしてきたんだ」と。あなたも同じ感覚を持ったのではないでしょうか?
このVoicyも「教えるアウトプット」
実は、僕がこのVoicyで発信し続けている理由のひとつが、学習ピラミッドの最上段「教える」を、僕自身が実践したいからです。
他の方のVoicyや本を聞いて/読んで、「いいな」と思った内容は必ずメモします。そして、それを噛み砕いて、自分の言葉でこのVoicyに乗せて誰かに教える。この作業を経て初めて、僕の中に知識が定着するんです。
今、皆さんがこの記事を読んでいるこの瞬間も、僕にとっては「アウトプットによる学習」の一部です。これを続けると、次の日も、その次の日も忘れない。反復して教え続ければ、知識は永久保存になる。これが学習ピラミッドの最大の力です。
小学校で言われた「人の話を聞きなさい」の本当の意味
小さい頃、こう言われたことありませんか?「人の話を聞きなさい」「自分が叱られていなくても、人が叱られている時の話を聞きなさい」。
これって、まさに学習効率を最大化する考え方だったんです。
自分が指導されてない時こそ、聞く
1時間の稽古で、僕が直接指導される時間って実は5分にも満たないことが多いんです。残りの55分、他の人への指導を「自分事として」聞けるかどうかで、得るものが何倍も変わります。
| パターン | 1時間で吸収できる量 |
|---|---|
| 自分への指導だけ聞いて体験する | 面打ちの75%だけ |
| 他人の指導も自分事として体験する | 面打ちの75% + 小手打ちの75% + 足さばきの75%…… |
これを「自分事化のスキル」と僕は呼んでいます。場にいる全員の指導を、自分の引き出しに入れていく感覚。これが上達スピードを爆発的に上げます。
高校時代、僕がやっていた「教える稽古」
振り返ると、僕が高校時代に成長できた最大の理由は、「教える側」になる時間が圧倒的に多かったからだと思います。
1年生は「聞く」、3年生は「教える」
1年生の時は、自分から先輩や監督に聞きまくっていました。「この場面ではどう打つのが正解ですか?」「この技、どのタイミングで出してます?」と、毎日のように質問をぶつけていた。
2年生・3年生になると、立場が逆転します。後輩から質問される側に回ったんです。
「梶谷先輩、何でその技を打つんですか?」「その技、どのタイミングで打つんですか?」――後輩からめちゃくちゃ質問されました。
後輩への説明が、自分の思考を整える
例えば、こう答えていました。
「君は手元が上がってるから、相手は小手を打ちたくなる。だから一度小手を見せておいて、最終的には面を狙ってたんだよ」
「打つタイミングは、できるだけ早く・小さく」
――こうやって自分の打ちを言語化していく
このプロセスで起きていたのは、「感覚的にやっていたことの言語化」。誰かに教えるためには、まず自分の中で「なぜそうするのか」を整理する必要があります。この整理こそが、思考の強化そのものでした。
「議論する→体験する→教える」――この3セットが日常的に組み込まれていたから、僕の3年間は加速度的に伸びました。環境が学習ピラミッドの上段を強制してくれたとも言えます。
今日から実践できる3つのアウトプット術
「教える環境がないんです」という方も大丈夫。今日から実践できる方法を3つ用意しました。
①インプットしたら必ずアウトプットする
- 本を読んだら、SNSで一言投稿する
- 動画を見たら、家族や友人に1分で要約して話す
- 稽古会に行ったら、終わった後に剣道ノートに書き出す
僕の彪進会では、必ず昼休憩で参加者にこう伝えます。「人間は忘れる生き物なので、絶対にノートに書き出してください。家に帰って、誰かに伝えてください」と。
②教える前提で学ぶ
学ぶ時、最初から「これを誰かに教えるとしたらどう説明するか?」と考えながらインプットすると、定着率が一気に上がります。
彪進会では、何度も参加してくれている方に「ちょっと前に出て、みんなに教えてみて」とお願いすることがあります。最初は言葉が出ない方が多いんです。でも2回目、3回目と当てられると、見違えるように説明できるようになる。これがアウトプットの威力です。
③教える機会を自分から作る
- 道場や部活で後輩に教える機会を作る
- 家庭でお子さんに「今日の稽古どうだった?」と聞く(聞かれた側がアウトプットする)
- SNSや剣道ノートで自分の学びを発信する
- このVoicy・記事のコメント欄に一言でも書く
「梶谷さんがこんなこと言ってましたよ」と、誰かに話すだけでも立派なアウトプットです。道場やSNSで気軽にシェアしてみてください。

個別指導・講演会
日本一9回が、その場で癖を見つけて、その場で直す。
マンツーマン、または最大3名の少人数で、実際に竹刀を交えて稽古できます。動画や言葉では届かない”手元の違和感”を、1回の稽古で1つ以上持ち帰ってもらう。これが個別指導の一番の価値です。
- 日本一9回の経験をそのまま共有(同じ壁は必ず通ってきた)
- 道場・学校・ご家庭の個人稽古、いずれも対応可能
- 初回ヒアリング無料。まずは現状を聞かせてください
※道場・学校単位での講演会・稽古会のご依頼もこちらから承っています。
保護者ができる「教える側ロール」の作り方
これ、お子さんがいる保護者の方にぜひやってほしいことです。家庭で「お子さんに教える側になってもらう」会話を意図的に作ってください。
「今日の稽古、どうだった?」だけじゃ足りない
「楽しかった」「疲れた」で終わってしまう質問はもったいない。一歩踏み込んで、こう聞いてみてください。
| NG質問 | OK質問 |
|---|---|
| 「稽古どうだった?」 | 「今日はどんな技を教わったの?お母さんにも教えて」 |
| 「面打ち上手くなった?」 | 「面打ちの時、どこを意識するんだっけ?」 |
| 「勝った?負けた?」 | 「今日勝った時の作戦って、どう組み立てたの?」 |
お子さんに「教える役」を渡すことで、その日の学びが定着率90%の領域に入ります。剣道未経験の保護者だからこそ、子どもにとって「教える相手」になれるんです。
今日からあなたができる3つの小さな一歩
まとめ:知識は渡した時、初めて自分のものになる
本記事の要点を整理します。
- 聞くだけは定着率5%、教えると90%(18倍)になる
- 「人の話を聞きなさい」は自分事化のスキルを育てる教え
- 梶谷が高校で伸びた理由は後輩に教える時間が多かったから
- 教えるためには言語化が必要。言語化が思考を整える
- 実践法は「インプット→アウトプット」「教える前提で学ぶ」「教える機会を作る」
- 保護者は家庭で「お子さんを教える側」にしてあげる
剣道は「人間形成の道」です。技を覚えるだけでなく、考える力、伝える力、人を支える力――これらすべてが竹刀の中に詰まっています。アウトプットする習慣は、剣道の強さも、人生の強さも、同時に育てます。
受け取るだけでは、知識はあなたのものになりません。誰かに渡した時、初めて自分のものになる。剣道も人生も、まったく同じ仕組みです。
ぜひ、この記事の感想や学んだことを、コメント欄やSNSで一言、シェアしてみてください。あなたのその一言で、明日のあなたの定着率が変わります。








