剣道は手首の強さで打突が変わる|小さく速く強く打つ左手首の鍛え方

「小さく・速く・強く」打つために必要な「手首の強さ」
試合で一本を取るためには、小さく・速く・強く打つことが理想です。
でも「小さく打とう」とすると打突が軽くなる。「強く打とう」とすると振りが大きくなる。このジレンマに悩む選手、多いのではないでしょうか?
その答えが「手首の強さ」です。今日は、多くの人が見落としている「手首の使い方・鍛え方」をお伝えします。

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「手の内(握力)」だけでは限界がある
以前、手の内(握力)を鍛えることで、振り上げずに差し込みで強く打てるという話をしました。握る力で竹刀を振り下ろせれば、振り上げなくても強く打てる。これはこれで正しいんです。
でも、差し込みだけで一本にするのは限界があります。
差し込みだけだと、なぜ限界なんですか?
差し込みの面は出鼻(相手の打ち出しの瞬間)を捉える必要があるからです。少し早めに出すと相手に見切られて出鼻を取られ、遅すぎると打ち負ける。タイミングが非常にシビアなんです。
そこで必要になるのが、「多少振りながらも、小さく・速く・強く打つ技術」。これを実現するのが手首の使い方です。
面打ちは2種類ある。今日鍛えたいのは「振り上げて打つ」方
過去の動画でも伝えてきましたが、面打ちには大きく2種類あります。
| ①差し込んで打つ | ②手首で振り上げて打つ | |
|---|---|---|
| 動き | 振り上げずに差し込む | 左手を押して剣先を上げて打つ |
| 主に使う力 | 手の内(握力) | 手の内+手首 |
| 必要な条件 | 出鼻を捉えるタイミング | 手首の強さ(弱いと軽くなる) |
今日鍛えたいのは②の「手首で振り上げて打つ」方。差し込みより多少手首を使うぶん、手首が弱いと打突が一気に軽くなってしまうんです。
腕で振ると「手元がバレる」。しかも反発も死ぬ
多くの選手が「強く打とう」と思った時、腕で振り上げてしまいます。すると何が起きるか。
さらに見落としがちなのが、腕で押し込む力が強すぎると、今度は竹刀の「反発」が死ぬこと。押し込みすぎると、しなりや走りが消えて、かえって打突が伸びなくなるんです。
正解は「手首で振り上げる」。それも右手首ではなく、左手首で押す感覚で剣先を上げる。これなら腕の動きが最小限で、相手に手元が見えにくくなります。理想は「振って打つ」でも「差し込むだけ」でもなく、「手首で振り上げて打つ」。ここに手首の強さが必要になるんです。

手首は鍛えにくい・でも鍛えるべき部位
手首は筋肉がつきにくい部位です。それゆえ、多くの選手が鍛えていません。
考えてみてください。「毎日走っています」「毎日素振りしています」という人は多い。でも、「毎日、手首と握力を鍛えています」という人は、ぐっと少なくなるはずです。だから腕頼りの打突になり、キレのない打ち方になってしまうんです。
彪進会でも実証された「手首打ちで急に軽くなる」現象
これは僕の稽古会・彪進会でも、毎回びっくりするほど起きる現象です。
「振りかぶって打ちましょう」と言うと、みんな本当に強く打てる。ところが「手首だけで打ちましょう」と言った瞬間——急に打突が軽くなる人が続出するんです。
つまり、腕で振って打つ力はみんな付いている。でも、小さく打つための「手首の力」がない。鍛えにくいのに鍛えていない——これが多くの選手に起きている現実です。
過去に僕がやっていた「パワーボール」の落とし穴
中学時代、僕はパワーボール(中のボールを回転させ続ける器具)で手首を鍛えていました。
ただ、パーソナルトレーナーの方から「剣道で『回す』動作は少ない。大事なのは構えから『振り下ろす』動作だから、パワーボールは打突に直結しない」と指摘され、方法を変えました。竹刀を回す力ではなく、振り下ろす力を鍛えるべきだったんです。
手首を鍛える最強の方法:「片手で振り下ろす素振り」
結論、肘・肩を固定して、手首だけで振り下ろす素振りが最も効果的です。打ち込み台に向かって打つのも効果的。「なんだ、当たり前のことか」と思うかもしれませんが、手首だけで振り下ろす練習を、意識してやったことがある人は意外と少ないはずです。
やり方
最重要ポイント:小指・薬指・中指だけで握る
疲れてくると、つい親指・人差し指に力が入ってしまいます。これでは意味がない。
小指・薬指・中指の3本だけで握る。親指・人差し指は添えるだけ、あるいは離した状態でも構いません。
疲れて「上の力(親指・人差し指・腕)」に頼ると、剣先が下まで落ちません。剣先が下まで落ちない=衝撃が下まで伝わらない=軽い打突。だから小指・薬指・中指でしっかり握り、握力も鍛えながら手首で振り下ろす。これが、大きく振り上げなくても小さく強く打つ感覚につながります。

腕の力も大事。その「上に」手首・手の内を積む
誤解しないでほしいのですが、腕の力が要らないと言っているわけではありません。
切り返しや大きい素振りで肩を使って振り上げる。これで背中・背筋の力が使えるようになり、振り下ろす力=打突力そのものが強くなる。これは絶対に必要な土台です。
その土台の「上に」、手首と手の内の強化を積む。腕の力+手首+手の内、この3つが総合的に揃って初めて、理想の打突が完成します。
今日からできる3つの一歩
いきなり100本は辛いので、まず30本ずつから。手首が慣れてきたら徐々に増やす。
普段の素振りでもこの3本を意識するだけで、手の内と手首が自然に鍛えられていきます。
手首は怪我しやすい部位です。僕も高校時代に手首を痛め、握力が10ちょっとまで落ちました。フライパンも持てない、ドアノブも握れないほど。一気にやらず、少しずつ負荷を上げてください。手首も手の内も、筋肉ではないぶん時間がかかります。コツコツが一番の近道です。
まとめ:腕・手首・手の内を総合的に鍛える
手首って、そんなに大事な部位なんですね…
「振り上げずに強く打つ」には手の内(握力)。「振りを小さく・速く・強く」にするには手首。そして土台には腕・背筋の力。すべてが揃って初めて、理想の打突が完成します。
毎日100本の片手素振りを続けるだけで、3ヶ月後に打突は別物になります。腕力だけに頼らず、手首と手の内。ぜひ今日から意識してみてください。
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