インターハイ2026男子団体|東福岡と日章学園、逆転現象が起きた理由

選抜とインターハイで「逆転現象」が起きました
第73回全国高校剣道大会(インターハイ・高校総体)が行われました。詳しい結果はブログにまとめていますので、今日は男子団体の試合を見ての感想をお伝えします。
面白かったのが、全国選抜とインターハイで、優勝・準優勝がそっくり入れ替わったことです。
| 男子 | 優勝 | 準優勝 |
|---|---|---|
| 全国選抜(3月) | 日章学園 | 東福岡 |
| インターハイ | 東福岡 | 日章学園 |
まさに意地と意地の勝負だったんだろうなと思います。東福岡としては絶対に負けたくない。日章学園としては「インターハイも取るぞ」という気持ち。女子は、全国選抜で優勝した八代白百合学園に対し、インターハイは中村学園が優勝。こちらも見応えのある戦いでした。入賞された皆さん、本当におめでとうございます。
日章学園の剣風|攻めても崩れない「縦のライン」
まず、日章学園の剣風がすごい。これが僕の第一印象でした。甲斐修二先生が指導される剣風は、見ればすぐに分かると思います。
縦のラインがすごい。攻めの中から技が出る。構えが崩れない。構え方がかっこいい。——そういう剣風です。そして驚いたのが、前の選手が負けて苦しい展開になっても、冷静さの方が目立つこと。普通なら焦って「取らないといけない」と手数を増やしたくなりますよね。日章学園も手数は普段より増えるのですが、それ以上に打つ前の”作り”がしっかりしている。打ち崩すというより、一撃にかける——そんな感覚に見えました。
攻めが強くなり、突き技や逆胴技が増える。それでも作りを省略しない。ここが本当にすごいなと感じた部分です。

東福岡の変化|「気のつなぎ」「技のつなぎ」がうまい
一方の東福岡は、正直に言うとこれまで「試合展開が速い」というイメージが全然ありませんでした。どちらかというと「打ちどころがうまい」——攻め合いの中で出鼻を取ったり、応じ技を打ったりするのが上手なイメージだったんです。
でも玉竜旗やインターハイを見て、感じたことが変わりました。
- 飛び込みの打ち方が、すごくうまくなっていた
- 打った後の引き技、別れ際の狙い方がうまい
- そのまま気をつなげた状態での引き技——以前は狙っていなかった場面を狙えている
つまり「気のつなぎ」「技のつなぎ」が非常にうまい選手がたくさんいた——これが率直な感想です。
4分間で1本しか打てないのか、20本打てるのか
攻め合うだけでなく「展開を作っていく」——これは僕がすごく大事にしている部分です。
4分間の中で1発しか打てないのか、20発打てるのか。そのどれかが一本になればいいという考えなら、手数はあった方がいい。もちろん、日章学園の「数が少ない」ことが悪いわけでは全くありませんし、しっかり技も出しています。ただ打っている数で言えば、東福岡の方が多いのではないか——あくまで1回見ただけの肌感覚で、実際に数えたわけではありませんが、そう感じました。
ちなみに東福岡の大将は、手数が多いタイプではありませんでした。攻めの中で技は出しますが、どちらかというと間合いの攻防で相手に打たせない。「ここは打たないだろうな」と探りながら、最後に裏をかいて思い切って飛び込む——そんな感覚が強かったです(決勝戦を見た限りの印象ですが)。
「別れ際」のルールは、かなりグレーになっています
別れ際は、どこまで狙っていいんですか?
これは玉竜旗でも実際にあった事例です。本来、別れ際は「別れましょう」の瞬間を狙うのが問題のないところだと思います。でも今は、少しグレーな部分でも旗が上がるようになってきている。
「別れましょう」で半歩ほど別れている最中に技を出す——今回は決まりませんでしたが、旗が上がったシーンもありましたし、玉竜旗では完全に一本になった場面もありました。別れ際のルールは、かなりグレーになってきているのを感じます。来年どうなるかも分かりませんし、その時の審判によっても変わってきます。
だからこそ、絶対にやってほしいのは「そこもしっかり狙っていく」ことです。自分が打てるようになれば、相手の打つ気配や「ここで打ってくる可能性があるな」という場面に意識を向けられる。つまり対応ができるようになるんです。逆に狙えないままだと、別れ際は打たれ放題になってしまう——これは頭に入れておいてください。
なぜ「惜しい技の積み重ね」が旗につながるのか
攻め合いからの技はもちろん大事。そのうえで、細かい技を出しながら自分の展開を作ることがとても大事だと感じます。技を出さないにしても、気をつなげて引き技へ、そして次の技へとつなげていく。
なぜなら——惜しい技が続くと、どうしてもそちらに目が行ってしまうからです。審判も人間で、AIではありません。気で勝っていたり、展開を作れていたり、惜しい場面をたくさん作っていれば、印象は必ず積み上がります。
10本の惜しい技があった人と、1本だけ惜しい技があった人。少し惜しくても「これまでの10本がある方」を上げてあげたくなる——そういうことは起こり得ます。だからこそ、いいところを打っても上がらないことがあるんです。

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まとめ:速い展開を身につけると、遅い展開も楽になる
大事なのは、常に自分のペースで試合展開ができているかです。打ったら打ち返してくるところに応じ技を打つ。自分から狙っていって、また来るところを返す、応じる。常に自分の展開ができていて、相手の技に触れさせない状態に持っていけると、試合はかなり有利に運べます。
そして、速い展開を身につけておくと、ゆっくりした展開に戻った時、逆に戦いやすくなるんです。まずは速い展開を身につける。気をつないでいく。前技→引き技→次の応じ技まで、気をつなげていく。そうすれば構え合うこともできるし、応じ技も速い展開も打てる——まさに一石二鳥です。
展開の作り方、そして別れ際の狙い方。ぜひ研究してみると、面白いと思います。
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