剣道の面の付け方|初心者でも一人でできる着装手順とコツ

剣道を始めたばかりの時期に、多くの方が最初につまずくのが面の着装です。
手ぬぐいがずれる、面紐がすぐ緩む、子どもが一人で着けられないという悩みは、初心者に共通しています。
- 面の正しい付け方が分からない
- 手ぬぐいが稽古中にずれてしまう
- 面紐がすぐ緩む・ほどける
- 子どもが一人で面を着けられない
本記事では、面の付け方を「手ぬぐい」「かぶり方」「面紐」の3ステップに分けて解説します。
手ぬぐいの巻き方3種類、面紐の結び方、ずれる・痛いときの直し方まで、日本一を複数回経験した梶谷彪雅が動画付きで紹介します。
彪雅KENDO合同会社
代表 梶谷 彪雅
プロフィール
大分県出身。高森中学校、
九州学院高等学校、明治大学卒業。
剣道の4大大会8連覇を含む、
日本一を複数回経験。
結論:面の着装は3ステップで覚えると失敗しない
先に結論をお伝えします。
面の着装は、「手ぬぐいを巻く」「あごから面に入れる」「面紐を締めて結ぶ」の3ステップに分けて覚えるのが最短です。
多くの初心者は、この3つを一度に覚えようとしてつまずきます。
ステップごとに分けて練習すれば、小学生でも一人で着けられるようになります。
| ステップ | やること | つまずきやすいポイント |
|---|---|---|
| 1. 手ぬぐい | 頭に巻いて髪と汗を押さえる | 稽古中にずれる・目にかかる |
| 2. かぶる | あごから面に入れて位置を合わせる | 顔の位置が合わず視界が悪い |
| 3. 面紐 | 後頭部で締めて蝶結びにする | すぐ緩む・結び目が曲がる |
一度に全部やろうとせず、まず手ぬぐいだけ、次に面だけと分けて練習すると必ずできるようになります
それぞれのステップを順番に見ていきましょう。
面を着ける前に確認したい2つの準備
面紐の長さと「上付け・下付け」を確認する
面紐には、6尺・7尺・8尺などの長さがあります。
一般的には、7尺は下付け用、8尺は上付け用が目安です。
ただし、面の大きさや体格、所属する道場・学校の方針によって適した長さは変わります。
小学生には6尺を使う場合もあるため、購入時は指導者や防具店に確認しておくと安心です。
下付けは面の下部(あご付近)の乳革に面紐を通す方式で、初心者にも扱いやすい着け方です。
上付けは面金の上部に面紐を通す方式です。
どちらが正しいというものではないため、所属先の方針に合わせてください。
面紐・面乳革の状態を確認する
稽古を重ねると、面紐はほつれたり伸びたりします。
ほつれた面紐は稽古中にほどける原因になるため、着装前に紐の状態を確認する習慣をつけてください。
面乳革(面紐を面に固定する革部分)が切れかかっている場合も、早めの交換が安全です。
手ぬぐい(面下)の巻き方3種類
面をかぶる前に、まず手ぬぐいを頭に巻きます。
手ぬぐいには、汗を吸う、髪を押さえる、面の中のずれを防ぐという3つの役割があります。
巻き方には大きく分けて3つのスタイルがあります。
| つけ方 | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 帽子でつけるパターン | 帽子をつくって頭に載せるだけ | 初心者・小学生 |
| 咥えてやるパターン | 耳を覆うことができる | 慣れてきた中高生以上 |
| 咥えずにつけるパターン | 頭に直接巻き付けるスタイル | 速くつけたい人 |
帽子でつけるパターン(初心者・子どもにおすすめ)
最も簡単で、初心者や小学生に向いているのが帽子です。
手順が少なく、子どもが一人で覚えやすいのが最大の利点です。
まずは帽子から始めて、慣れてきたら他のスタイルを試すのがおすすめです。
頭に巻きつけるパターン(ずれにくさ重視)
頭に巻き付けるパターンは2種類ありますが、激しい稽古でもずれにくいという利点があります。
細かい手の動きは文章では伝わりにくいため、上の動画で実際の手順を確認してください。
なお、巻き方の呼び方や細かな手順は、地域や道場によって異なる場合があります。
所属先で教わる方法がある場合は、そちらを基本にしてください。
ちなみに、稽古用の手ぬぐいを探している方向けに、梶谷彪雅プロデュースの剣道手拭いも紹介しています。

面の付け方5ステップ
手ぬぐいを巻いたら、いよいよ面を着けます。
ここからは、残りの「面をかぶる」「面紐を結ぶ」という2つの工程を、5つのステップに分けて解説します。
ステップ1:面紐を持ちながら面布団を広げる
面紐を両手で持ち、面布団(面の左右に垂れている布部分)を外側にしっかり広げます。
面布団が閉じたままだと、顔を入れるときに手ぬぐいがずれる原因になります。
ステップ2:あごから顔を入れる
面は上からかぶるのではなく、あごを先に入れてから額を合わせるのが正しい順序です。
あごを面の内側のあご台に乗せるように入れると、顔の位置が自然に決まります。
顔を入れたあと、目の位置が面金の物見(横幅の広い部分)に合っているか確認してください。
ステップ3:面紐を後ろで締める
左右の面紐を同じ力で斜め後ろに引き、面を顔に密着させます。
このとき、左右の力が均等になっているかが最大のポイントです。
片方だけ強く引くと面が傾き、稽古中のずれや視界の悪さにつながります。
ステップ4:後頭部で蝶結びにする
面紐は後頭部のやや上の位置で蝶結びにします。
結び目が低すぎると緩みやすく、高すぎると見た目のバランスが崩れます。
結んだあと、蝶結びの輪と余った紐の長さを揃えてください。
ちなみに、全日本剣道連盟の「剣道試合者要領」では、面紐の長さは結び目から40cm以内とされています。
大会によっては独自の申し合わせがあるため、試合に出る場合は大会要項も確認してください。
ステップ5:最終チェックをする
着装後に、次の3点を確認します。
- あごが浮いていないか(面を軽く上下に動かしてずれないか)
- 物見と目の位置が合っているか
- 面紐の左右の長さと結び目の位置が整っているか
この最終チェックを習慣にすると、稽古中の着け直しが減ります。
面がずれる・痛い・ほどけるときの直し方
着装がうまくいかないときは、原因ごとに対処法が異なります。
| 症状 | 主な原因 | 解決策 |
|---|---|---|
| 面がずれる | 面紐の締めが緩い・左右不均等 | ステップ3に戻り左右均等に締め直す |
| すぐほどける | 蝶結びが浅い・紐のねじれ・ほつれ | 結び目を締め直して整える・紐を交換する |
| 額やあごが痛い | 顔の位置が合っていない | あごから入れ直して物見に目を合わせる |
| 視界が悪い | 手ぬぐいのずれ・面の位置が高い | 手ぬぐいを巻き直してあごを深く入れる |
痛みが続く場合は、面のサイズ自体が合っていない可能性もあります。
サイズの見直しは、防具店で顔まわりを採寸してもらうのが確実です。
子どもが一人で着けられるようになる練習方法
保護者の方からよく聞くのが、「子どもが一人で面を着けられない」という悩みです。
結論として、面を着ける工程を分解して、1つずつ家で練習するのが最も効果的です。
道場の限られた時間だけで覚えようとすると、周りのペースに焦ってしまい身につきにくくなります。
具体的には、次の順番で練習してみてください。
- 練習1
-
手ぬぐいの帽子巻きだけを鏡の前で繰り返す
- 練習2
-
面をかぶって位置を合わせるところまでを練習する
- 練習3
-
面紐の蝶結びを練習する
蝶結びは靴ひもと同じ要領なので、先に靴ひも結びで指の動きに慣れておくのも有効です。
3つの工程がそれぞれできるようになったら、通しで着けてみましょう。
できない工程だけを繰り返すのが上達の近道です。家で5分練習するだけでも大きく変わります
剣道の面の付け方に関するよくある質問
面紐の長さはどれを選べばいいですか?
一般的には、下付けなら7尺、上付けなら8尺が目安です。
ただし、小学生や体格の小さい方には6尺が合う場合もあります。
面の大きさや所属先の方針によっても変わるため、迷った場合は防具店か指導者に確認してください。
上付けと下付けはどちらがいいですか?
どちらが正しいということはなく、所属する道場や学校の方針に合わせるのが基本です。
初心者や小中学生は、着けやすい下付けから始めるケースが多いといえます。
女性の場合、髪はどうすればいいですか?
長い髪は低い位置でまとめると、面の着装に干渉しにくくなります。
結び目が後頭部の面紐と重ならない位置にするのがコツです。
手ぬぐいはどんなものを使えばいいですか?
綿100%で吸水性のよいものが基本です。
サイズは一般的な剣道用手ぬぐい(約100cm前後)であれば問題なく巻けます。
面の内側が汗で臭うときはどうすればいいですか?
稽古後に内側を拭き、陰干しで乾燥させるのが基本です。
詳しい手入れの方法は、防具の手入れ記事で解説しています。

まとめ:3ステップで覚えれば面の着装は難しくない
面の付け方のポイントを整理します。
- 面の着装は「手ぬぐい」「かぶり方」「面紐」の3ステップに分けて覚える
- 手ぬぐいは帽子から始めて、慣れたら頭に巻き付けるパターンへ
- 面はあごから入れて、面紐は左右均等に締める
- 蝶結びは後頭部のやや上で、輪と紐の長さを揃える
- 子どもには工程を分解して、家で1つずつ練習させる
着装は毎回の稽古で必ず行う動作です。
正しい手順を最初に身につければ、稽古への集中力も、見た目の印象も大きく変わります。
着装に慣れてきた方は、面型の整え方やタコ面の直し方も参考にしてみてください。




