勝つ喜びを知らないまま辞めていく子どもたちへ|剣道を続ける設計の話

勝つ喜びを知らないまま、剣道を辞めていく子どもたちへ
今日は、少し強い言い方をさせてください。
「小学生のうちに勝つ喜びを知らなかった子は、中学校で剣道を辞めやすい」——これは指導現場で実際に聞いた現実です。
「勝ち負けだけじゃない」「礼儀を学ぶ場だ」——全部その通り。でも、綺麗事だけでは子どもは続けられないのも事実です。子どもは正直で、楽しくなければ辞めてしまう。そして勝つって、めちゃくちゃ楽しいんです。
今日は、保護者の方にぜひ知っておいてほしい「勝つ喜び」の設計についてお伝えします。

個別指導・講演会
日本一9回が、その場で癖を見つけて、その場で直す。
マンツーマン、または最大3名の少人数で、実際に竹刀を交えて稽古できます。動画や言葉では届かない”手元の違和感”を、1回の稽古で1つ以上持ち帰ってもらう。これが個別指導の一番の価値です。
- 日本一9回の経験をそのまま共有(同じ壁は必ず通ってきた)
- 道場・学校・ご家庭の個人稽古、いずれも対応可能
- 初回ヒアリング無料。まずは現状を聞かせてください
※道場・学校単位での講演会・稽古会のご依頼もこちらから承っています。
忘れられない「初めての1本」
ある小学生の子の話。
ずっと1回戦敗退が続いていました。試合後はいつも下を向いて防具を外し、親御さんも何と声をかけていいか分からない空気。
ある日、その子が初めて1本を取った。面打ちでした。
打った瞬間、自分でも信じられない顔をしていました。旗が3本上がった時、目を大きく見開いて——「ちょっと、楽しいかも」と感じた瞬間。結果的にその試合は負けてしまったけれど、あの1本がその子を変えた。
ある指導現場にて
翌週から、稽古の姿勢・声の大きさ・目つきが変わったそうです。「勝つ」というより「できた」という体験。この「できた」が、人が何かを続ける理由になるんです。
僕自身も「成功体験」で剣道を続けてきた
僕の剣道人生を振り返っても、成功体験が全ての原動力でした。
苦しい稽古で「嫌だな」と泣きながら通った日も、勝てた瞬間に「全部やってきてよかった」と思えた。この成功体験が1度もなかったら、今の僕はここにいないかもしれません。
そして実は、小学生から中学生に上がるタイミングが、一番剣道を辞めやすいと言われています。僕がそこで辞めなかったのも、「勝てた」という成功体験があったからだと思うんです。
「中学で辞める」の本当の理由
中学で辞めるのは、勉強が忙しいからじゃないんですか?
表面的にはそうです。「勉強が忙しい」「友達が違う部活に」「スマホで遊びたい」。
でも本当の理由は——「続けたい理由がない」から。
勝つ喜びを知らないまま、負け続けて、怒られて終わる——これだけでは心は揉まれません。続ける理由は、理論じゃなく「感情」から生まれる。1本取れた瞬間の高揚感、旗が上がった誇らしさ、表彰式で名前を呼ばれた時の嬉しさ——これが理屈を超えた「続ける理由」になります。
勝った経験は「折れない心」を作る
もう一つ、大事なことがあります。それは勝った経験がある子は、負けた時にも折れにくいということ。
一度でも「勝てた」感覚を味わった子は、負けても「もう一回勝てるはずだ」と思える。あの高揚感をもう一度味わいたいから、自分から努力を始めるんです。
人は、快感を知ると強くなる。1本取れた時の高揚感、勝った時の嬉しさ、表彰式で名前を呼ばれた誇らしさ。これは理屈を超えています。続ける理由は理論だけじゃない。「感情」こそが、踏ん張る力になるんです。
「勝つ喜びを知った子」と「知らないまま負け続けた子」。同じ努力をしても、その先の続き方はこれだけ変わります。
| 勝つ喜びを知った子 | 勝つ喜びを知らない子 | |
|---|---|---|
| 稽古への姿勢 | 自分から努力を始める | やらされている感覚が抜けない |
| 負けた時 | 「次は勝てる」と折れにくい | 「やっぱり無理」と心が折れる |
| 中学進学時 | 続けたい理由がある | 「もういいかな」と辞めやすい |
| その後 | 剣道を好きになっていく | 剣道から離れていく |

「勝たせろ」ではなく「勝てる設計をしろ」
誤解のないようにお伝えします。
「甘やかせ」「無理やり勝たせろ」と言っているわけではありません。子どもが「勝てるように設計する」ことを提案しています。
「勝ちたい」という感情は悪ではなく、成長のエンジン。この感情を育てる場を、大人が意図的に用意してあげる必要があります。
そして指導者・保護者の方に一度考えてほしいのが、「勝ちにこだわるな」という言葉が、子どもの挑戦そのものを止めていないかということ。本気で「勝ちたい」と向かう気持ちは、止めるものではなく、育てるものだと僕は思っています。
保護者の方にお願いしたい3つのこと
「よくやった」と口だけで言うのではなく、親も感情爆発で喜ぶ。この親の反応が、子どもにとって「勝つ喜びを増幅する体験」になります。
負けた直後に説教しても響かない。「悔しいね。次、勝とう」——この一言で、次への前向きな気持ちが生まれます。
全国レベルの大会ばかり出て全敗するより、1本取れる可能性が高い小さな大会で勝つ経験を積ませる方が、長期的に伸びます。
勝つ喜びは「循環」する
勝つ喜びを知った子は、簡単に諦めません。自分から努力を始めます。そして——
その子はいつか、自分が学んできたこと・味わった喜びを、誰かに渡す側になる。勝つ喜びを知った子が、次の世代に勝つ喜びを伝えていく。僕は、そんな循環を本気で作っていきたいと思っています。
礼儀も大事。人間性も大事。負けてから学ぶこともたくさんある。それは大前提です。でもその土台の上に「勝てて嬉しい」「1本取れて嬉しい」という喜びがあるからこそ、子どもは苦しくても踏ん張れるし、剣道を好きになっていく。小学生から中学生で辞める子を減らすために、必要なのは「我慢を教えること」ではなく「勝つ楽しさを設計すること」だと、僕は思います。
まとめ:子どもに「勝つ喜び」を設計してあげる
勝ちにこだわらせるのは、良くないと思っていました…
勝ちばかりを追うのは違う。でも「勝つ喜びを一度も味わえない」のはもっと違う。両方のバランスが大事です。
今日、どこかの道場で1本が決まる。その1本が、その子の未来を変える——僕はそう信じています。
指導者の皆さん、保護者の皆さん。「勝つ喜び」を悪にしないでください。その喜びが、子どもが剣道を続ける最大の理由になります。常に前向きな言葉をかけて、子どもたちが勝つ喜びに出会える環境を、大人が本気で作っていきましょう。
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日本一9回が、その場で癖を見つけて、その場で直す。
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