剣道の袴の選び方|サイズ・着方・たたみ方を日本一が完全解説

剣道の袴は、稽古のたびにひだが崩れ、洗うたびに少しずつ形が変わっていく道具です。
買うときは号数で迷い、買った後はたたみ方や色落ちで悩む方が多いように思います。
- 号数が合っているか自信がない
- たたんでもひだがすぐ崩れてしまう
- 稽古中に袴が下がってくる
- 洗濯機で洗っていいのか分からない
本記事では、剣道の袴を「選ぶ」「着る」「たたむ」の3つに分けて解説します。
素材と号数の選び方から、着方、紐の結び方、たたみ方、洗い方、買い替えの見きわめまで、日本一を複数回経験した梶谷彪雅が解説します。
実際にどれを選べばいいか、用途ごとの目安を挙げておきます。
| 用途 | 袴 | 価格(税込) |
|---|---|---|
| はじめての一着・子ども | 新特製オリジナルTR剣道袴 | 6,534円 |
| 稽古用(洗う回数が多い) | VIXIA ポリエステル袴 | 6,710円 |
| 夏用 | 夏用薄型藍染剣道袴 | 12,300円 |
| 試合・審査用 | 正藍染特製7000番袴 | 12,980円 |
価格は2026年9月時点のものです。
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彪雅KENDO合同会社
代表 梶谷 彪雅
プロフィール
大分県出身。高森中学校、
九州学院高等学校、明治大学卒業。
剣道の4大大会8連覇を含む、
日本一を複数回経験。
袴について、こんな困りごとはありませんか。
- 稽古の途中で袴が下がってくる
- たたみ方が分からず、ひだがぐちゃぐちゃになる
- サイズが合っているのか自信がない
- 綿とテトロン、どちらを買えばいいのか迷っている
袴は、剣道具のなかでも情報が散らばりやすい道具です。
号数の意味、素材の違い、着方、洗い方が、それぞれ別の場所に書かれていることが多いからです。
この記事では、選ぶ→着る→たたむ→洗う→長く使うという順番で、袴にまつわることを一本にまとめました。
結論:袴は「たたむところまで含めて」選ぶと失敗しない
先に結論をお伝えします。
袴を選ぶときは、見た目や号数の前に、自分が週に何回稽古し、どう手入れするのかから逆算するのが確実です。
週5回稽古する中学生と、週1回の社会人とでは、選ぶべき素材は同じではありません。
洗濯機しか使えない環境なら、手洗いが前提の綿の藍染は現実的ではないでしょう。
素材の良し悪しではなく、生活に合うかどうかで決まります。
| 状況 | 向いている袴 |
|---|---|
| 週4回以上稽古する。洗濯機で洗いたい | テトロン(ポリエステル) |
| 週1〜3回。手入れに時間をかけられる | 綿(木綿)藍染 |
| 試合や審査に着ていく一枚がほしい | 正藍染の7000番以上 |
| 子ども・はじめての一枚 | ジャージまたはテトロンの軽いもの |
先に手入れの仕方を決めてから素材を選ぶと、失敗がぐっと減ります
剣道の袴とは|各部の名前と、剣道着との役割の違い
剣道の袴は「馬乗り袴」が基本です
剣道で使う袴は、股が左右に分かれた馬乗り袴(うまのりばかま)が基本です。
スカート状になった行灯袴(あんどんばかま)は、剣道では使いません。
理由は単純で、足さばきで大きく足を開くからです。
股が分かれていないと、動きが制限されてしまいます。
先に覚えたい各部の名前
この先の説明で出てくる言葉を、先に整理しておきます。
| 名前 | どこのことか |
|---|---|
| 前袴(まえばかま) | 腰板がない側 |
| 後ろ袴(うしろばかま) | 腰板がある側 |
| 前紐(まえひも) | 前袴から出ている長い紐。体に2周ほど回せる長さがあります |
| 後ろ紐(うしろひも) | 腰板から出ている短い紐 |
| 腰板(こしいた) | 後ろ側の台形の板。背中の反りを支えます |
| ヘラ | 腰板の内側についた棒状の部品。前紐の結び目に差し込みます |
| ひだ(襞) | 袴の折り目 |
| 相引き(あいびき) | 前袴と後ろ袴が脇で重なる部分。浅いと動いたときに横が開きます |
ひだの本数と「五常」の話
ひだは前に5本、後ろに1本が一般的です。
「前の5本は仁・義・礼・智・信の五常を、後ろの1本は忠孝を表す」という説明をよく見かけます。
ただし、この説の出典をはっきり確認することができませんでした。
この記事では、そう説明されることがある、という紹介にとどめます。
剣道着(上衣)とは、役割が違います
上衣は打突を受ける面積が広く、汗を吸う量も多い道具です。
一方の袴は、足さばきの邪魔をせず、見た目の姿勢を支える役割を担います。
求められる性能が違うので、選ぶときの基準も変わります。
上衣の素材・サイズ・洗い方については、別の記事で詳しく扱っています。
この記事は袴に絞ってお話しします。
剣道の袴の種類|綿・テトロン・ジャージを比較します
袴の素材は大きく3つに分かれます。
まず全体像を並べます。
| 綿(藍染) | テトロン | ジャージ・ニット | |
|---|---|---|---|
| 重さ | 重い | 軽い | とても軽い |
| ひだの立ち方 | よく立つ | 崩れにくい | やや弱い |
| 乾きやすさ | 乾きにくい | 早く乾く | 早く乾く |
| 色落ち | する | ほとんどしない | ほとんどしない |
| 洗濯機 | 基本は手洗い | 洗える製品が多い | 洗える製品が多い |
| 価格 | 高め | 中くらい | 手ごろ |
| 向いている人 | 試合・審査で見栄えを重視する方 | 週に何度も稽古する方 | 子ども・これから始める方 |
綿(木綿)藍染の袴|見栄えと、その代わりの手間
生地に重みがあるためひだが立ち、動いたときの見栄えが良いのが最大の魅力です。
藍染は使い込むほど色が変化していくので、稽古量がそのまま見た目に出ます。
その代わり、重い・乾きにくい・色落ちする・価格が高い、という4つの負担があります。
特に新品は色移りするため、白い剣道着や他人の防具、道場の床に色がつくことがあります。
テトロン(ポリエステル)の袴|現実解になりやすい素材
軽く、乾きが早く、洗濯機で洗える製品が多い素材です。
プリーツ加工でひだが崩れにくく、色落ちもほとんどないため、見た目が長く安定します。
一方で汗を吸いにくいので、夏場は熱がこもりやすいと感じる方もいます。
また綿に比べると生地の表情が平坦です。
ジャージ・ニット素材|子どもと初心者に向く理由
伸縮性があって動きやすく、シワになりにくい素材です。
軽いので、子どもや、これから始める方、遠征で荷物を減らしたい方に向きます。
ひだの立ち方は綿やテトロンに劣ります。
目的別の結論
| 場面 | おすすめ |
|---|---|
| はじめての一枚 | テトロンまたはジャージ(洗濯の負担が段違いに軽いためです) |
| 週に数回の稽古用 | テトロン |
| 試合や審査で見栄えを重視 | 綿 |
| 夏場 | 軽めのテトロン |
| 冬場 | 綿 |
実際にどれを選べばいいか、用途ごとの目安をもう一度挙げておきます。
| 用途 | 袴 | 価格(税込) |
|---|---|---|
| はじめての一着・子ども | 新特製オリジナルTR剣道袴 | 6,534円 |
| 稽古用(洗う回数が多い) | VIXIA ポリエステル袴 | 6,710円 |
| 夏用 | 夏用薄型藍染剣道袴 | 12,300円 |
| 試合・審査用 | 正藍染特製7000番袴 | 12,980円 |
価格は2026年9月時点のものです。
最新の価格と在庫は各商品ページで確認してください。
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生地の厚さの読み方|番手と一重織・二重織
商品ページで必ずつまずくのが、この数字です。
テトロン袴の「#6000・#7000・#8000」
テトロン袴には番手(ばんて)の表記があります。
一般に数字が大きいほど厚手で重く、生地に張りが出てひだが立ちやすくなります。
| 番手 | 位置づけ |
|---|---|
| #6000 | 軽量。子どもや初心者に向くとされます |
| #7000 | 最も流通している標準 |
| #8000 | 厚手で、綿に近い重厚感 |
綿袴の「一重織」と「二重織」
綿袴は一重織(ひとえおり)と二重織(ふたえおり)に分かれます。
- 二重織=生地が厚く重い。ひだの立ち方と見栄えが良い反面、乾きにくく価格も上がります
- 一重織=軽く扱いやすい。綿の風合いは欲しいけれど負担は減らしたい方に向きます
綿袴にも番手の表記がある商品がありますが、こちらも店ごとに基準が異なります。
表記より「一重か二重か」と、実際の重量表示で判断するのが確実です。
厚いほど良い、ではありません
厚い袴は重く、乾きが遅く、洗濯の負担が増えます。
稽古頻度が高い人ほど、乾く速さが実質的な使いやすさに直結します。
体格の小さい方や子どもが厚い袴を履くと、足さばきが重くなることもあります。
藍染の表記の見分け方
「正藍染」「本藍染」「武州正藍染」「藍染風(化学染料)」などの表記があります。
一般に天然藍を使うものほど色落ちが大きく、価格も上がる傾向があります。
染色の工程や産地の定義は店ごとに説明が異なるため、この記事では断定しません。
色落ちの度合いは商品説明を確認し、不安なら販売店に直接聞くのが早いです。
剣道の袴のサイズの選び方|号数の意味と、確実な測り方
「号」は鯨尺の寸法です
26号の袴とは、紐の下から裾までが「2尺6寸」という意味です。
和装で使う鯨尺(くじらじゃく)に由来しています。
1号上がると、およそ3.8cm長くなります。
号数がただの通し番号ではなく、実際の長さを表しているというのが大事な点です。
身長からの目安表
実際の販売店が公開しているサイズ表から、身長の目安と紐下寸法を整理しました。
| 号数 | 適合身長の目安 | 紐下寸法 |
|---|---|---|
| 16号 | 約115cm | 約61cm |
| 18号 | 約125cm | 約68cm |
| 20号 | 約135cm | 約76cm |
| 21号 | 約140cm | 約80cm |
| 22号 | 約145cm | 約83cm |
| 23号 | 約150〜155cm | 約88cm |
| 24号 | 約160cm | 約91cm |
| 25号 | 約170cm | 約95cm |
| 26号 | 約175cm | 約99cm |
| 27号 | 約180cm | 約102cm |
| 28号 | 約185〜190cm | 約106cm |
確実なのは実測です|紐下寸法の測り方
身長が同じでも、脚の長さと腰の位置で必要な丈は変わります。
だから実測がいちばん外しません。
- 袴の前紐を締める位置(へその少し下、腰骨の上端あたり)に指を当てます
- そこから床方向へメジャーを垂らし、くるぶしが隠れる位置までの長さを測ります
- その数値(=紐下寸法)を、販売店のサイズ表に当てはめます
袴の丈は「前下がり・後ろ上がり」で合わせます
剣道の袴は、前を低く、後ろを高く着けます。
そうすることで、前後の裾の高さが揃って見えます。
| 目安 | |
|---|---|
| 前 | 足の甲に軽く触れるくらい |
| 後ろ | くるぶしが隠れる程度 |
迷ったときの判断
- 成長期の子ども=1号上を買って裾上げしておき、成長に合わせて伸ばす方法が一般的です
- 大人=迷ったら短めのほうが、踏まずに稽古しやすくなります
子ども・女性・体型別の選び方
子どもの袴|素材と号数の考え方
成長が早いので、素材は軽くて乾きやすいテトロンやジャージが現実的です。
稽古のたびに洗える乾きやすさは、そのまま保護者の方の負担に直結します。
サイズは1号上を買って裾上げしておき、成長に合わせて折り返しを伸ばす方法が一般的です。
ただし上げるのは1号分までにとどめてください。
大きすぎる袴は裾を踏んで危険です。
なお、道場に指定の色や素材があるかを、購入前に確認しておくと安心です。
女性の袴選び|同じ身長でも号数が変わることがあります
男性は腰骨の位置で、女性はウエストの位置で袴を履くことが多いため、同じ身長でも1サイズ大きいものを選ぶのが一般的とされています。
だからこそ、前の章でお伝えした紐下寸法の実測が効いてきます。
ウエスト周りや紐の長さを調整した仕様を用意している店もあるので、既製で合わない場合は販売店に相談するのが早いです。
体型で気をつけたいところ
| 体型 | 起きやすいこと | 対処 |
|---|---|---|
| ウエストが大きい方 | 前紐が2周まわらない/脇の相引きが開く | ゆったり仕様や紐長仕様を探すか、特注を検討します |
| 細身の方 | 紐が余りすぎて結び目が大きくなる | 余りを結び目に沿わせて内側に入れます |
相引きが浅いと、動いたときに横から中が見えてしまいます。
ここは見た目の問題だけではないので、気になる場合は早めに相談されることをおすすめします。
既製サイズに合わないとき
既製の上限(おおむね28〜29号前後)を超える身長の方、あるいは最小サイズより小さいお子さんの場合は、特注になることがあります。
剣道の袴の着方|準備から前紐を締めるまで
ここからは手順です。
写真がなくても再現できるよう、順番に書いていきます。
- 剣道着(上衣)を着て、背中の中心線を体の中心に合わせ、前後のしわを伸ばします。上衣がよれたまま袴を締めると、あとから直せません
- 袴の前側(腰板がない方)を両手で持ち、ひだを軽く整えます。前紐の中心を体の正面中央に合わせます
- 当てる高さはへその少し下、腰骨の上端あたりです。低すぎると袴全体が下がり、高すぎると動きにくくなります
- 前紐を体の左右に沿って後ろへ回し、背中の中心で一度交差させます。このとき紐がねじれていないか確認します。ねじれは食い込みと痛みの原因です
- 交差させた紐を前へ戻し、体の前で交差させます。前に来た紐は下向きに揃え、平らに重ねます
- もう一度後ろへ回し、腰の位置で固く結びます。結び目は縦に膨らませず、横に平たくします
この⑥の結び目が、次の章で腰板のヘラを差し込む土台になります。
ここをしっかり作っておくことが、袴が下がらない条件です。
締めるときの力加減
- 締める瞬間は息を軽く吐きながら。吸ったまま締めると稽古中にゆるみます
- 痛いほど締める必要はありませんが、腰骨の上で止まる強さは必要です
- 紐が長く余る場合は、余りを結び目に沿わせて内側に入れます
袴の紐の結び方|腰板のヘラと十文字結び
- 後ろ袴を持ち上げ、腰板を背中の中心に当てます。腰板の上端が背中から浮かないよう、体に沿わせます
- 腰板の内側にあるヘラを、後ろに作った前紐の結び目に、上から下へ差し込みます。ヘラは結び目の下にしっかり潜り込ませます
- 後ろ紐を左右から前へ回します。腰板が動かないよう、片手で押さえながら回します
- 前で後ろ紐を交差させ、下側の紐を前紐の下をくぐらせて締め上げます
- 十文字結びにします。交差させた紐で結び目を作り、左右に輪をつくって、正面から見て縦横が十字に見えるように整えます
輪の大きさを左右対称にすると、見た目が締まります。
結び目のトラブルと直し方
| 症状 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 稽古中にほどける | 最後の締めが甘い/紐が滑りやすい素材 | 締めたあと、結び目を上下に引いて固定します |
| 結び目が横にずれる | 腰板の位置が中心から外れている | 腰板を背中の中心に当て直します |
| 結び目が体に当たって痛い | 結び目が縦に膨らんでいる | 平たく作り直します |
| 紐先が長く垂れる | 余りの処理をしていない | 内側に折り込みます。垂れたままは踏む危険があります |
着方でよくある失敗と直し方
症状から逆引きできるようにまとめます。
稽古中に袴が下がってくる
原因は3つに絞れます。
- 前紐を当てる位置が低い(腰骨の上ではなく、腰の下になっている)
- 前紐の締めが甘い
- 腰板のヘラが結び目に十分入っていない
当てる位置を腰骨の上端まで上げ、後ろの結び目を平たく固く作り直し、ヘラを深く差し込みます。
それでも下がる場合は、号数が体に対して大きすぎる可能性があります。
前後の裾の高さが揃わない
前下がり・後ろ上がりになっていないのが原因です。
前紐は腰骨の上、後ろの腰板はそれより高い位置、という高低差を作ると自然に揃います。
脇(相引き)が開いて中が見える
着るときに前袴と後ろ袴の重なりがずれていることが多いです。
前袴を当てた時点で左右の重なりを均等にし、後ろ袴をかぶせるときに脇を手で押さえて整えます。
ひだが崩れる・左右がずれる
着る前にひだを1本ずつ整えてから当てるのが基本です。
着たあとは、前のひだを下から上へなでて通します。
素材でも差が出ます。
テトロンはひだが戻りやすく、綿は湿ったまま保管すると崩れやすくなります。
上衣の裾が袴から出てしまう
上衣を袴の中に入れてから前紐を締め、締めたあとに上衣の背中側を下に引いてしわを伸ばします。
試合・審査での着装|どこを見られるのか
審査の着眼点に「正しい着装と礼法」が入っています
全日本剣道連盟の「剣道称号段位審査実施要領」には、初段から三段までの着眼点が示されています。
(1)初段から三段まで
① 正しい着装と礼法
② 適正な姿勢
③ 基本に則した打突
④ 充実した気勢
全日本剣道連盟「剣道称号段位審査実施要領」段位審査の方法
- ①正しい着装と礼法
- ②適正な姿勢
- ③基本に則した打突
- ④充実した気勢
着装は、打突の内容と並ぶ明示的な着眼点です。
審査や試合の方法は、地方や大会が定めています
同じ要領には「審査の方法は、地方代表団体の実情に応じて、それぞれが定める実施要領により行う」という但し書きがあります。
試合についても、『剣道試合・審判規則/同細則』の細則第8条に「試合者の入退場および礼法は、その大会で定められた方法により行う」とあります。
規則自体が、大会ごとの決定に委ねている構造です。
自分で確認できるチェックリスト
- 前下がり・後ろ上がりになっているか
- 前後の裾の高さが揃っているか
- ひだが前5本きれいに通っているか
- 腰板が浮いていないか
- 結び目が正面で整い、紐先が垂れていないか
- 上衣の裾が出ていないか
- ほつれ、破れ、極端な色あせがないか
剣道の袴のたたみ方|ひだを崩さない手順
- 湿ったままたたまないこと。生乾きでたたむと折り山が甘くなり、においの原因にもなります
- 平らな床に、前側を上にして広げます
- 前のひだを外側から1本ずつ、腰の側から裾の側へ手で挟んで通します
- 裏返して、後ろのひだ(中央の1本)と腰板の位置を整えます。腰板は折らずに平らに置きます
- 左右の裾を内側へ折り、腰板の幅に合わせて縦に三つ折りにします
- 裾側から腰板に向かって、二つ折りまたは三つ折りにします
- 前紐2本を左右に伸ばし、後ろ紐を使って腰板の上で十字に組んで結びます
いちばんの要点は③です。
前のひだ5本を、すべて最後まで通しきってください。
途中で止めると、そこから崩れます。
うまくいかないときの原因
- ひだを最後まで通していない
- 乾ききっていない
- たたんだ袴の上に、重い物を長期間置いている
- たたんだまま長期間しまい込み、湿気を吸っている
剣道の袴の洗い方|素材で扱いが正反対になります
綿(藍染)の袴
- 買ってすぐは色が出やすいので、必ず単独で洗います。他の衣類、特に白い剣道着とは一緒にしません
- 水またはぬるま湯で押し洗いにし、長時間のつけ置きは避けます
- 洗剤は使わないか、使う場合は中性洗剤をごく少量に。塩素系・酸素系の漂白剤、蛍光増白剤入りの洗剤は色を抜くので使いません
- 強く絞らず、脱水するなら短時間にとどめます
- ひだを整えてから、必ず陰干しにします。直射日光は色あせの原因です
- 完全に乾く前にひだを指で整え直すと、形が残りやすくなります
テトロンの袴
- 洗濯機で洗える製品が多いですが、必ず洗濯表示を確認します
- ひだを揃えてたたんでから洗濯ネットに入れ、弱水流で洗います
- 乾燥機は使いません。プリーツが取れる、縮むという、元に戻せないダメージが出ます
- 干し方は綿と同じく、ひだを整えて陰干しです
- アイロンをかける場合は当て布をして低〜中温。高温はテカリや溶けの原因です
どのくらいの頻度で洗えばいいのか
綿は洗うほど色が落ちるため、毎回は洗わず、稽古後に汗を拭いて陰干しで乾かし、汗をかいた時期や汚れが目立つときに洗う、という運用が一般的です。
テトロンは乾きが早いので、こまめに洗っても負担が少なくて済みます。
袴の手入れと保管|ひだを長く保つために
稽古から帰ったあとの5分
袴を脱いだらすぐ、ひだを整えてハンガーに吊るし、風を通します。
防具袋に丸めて入れたままにするのが、袴を最短で傷める行為です。
汗が残ると生地が硬くなり、においも定着します。
ひだが甘くなったときのアイロン
当て布をして、ひだの折り山に沿って、腰側から裾側へ一方向にかけます。
ひだを横断する方向にかけると折り山が潰れるので、必ず折り山と同じ向きに動かしてください。
シーズンオフの保管
完全に乾かしてから、たたんで平らに、通気性のある場所へ。
ビニール袋に密閉しないでください。
長期間たたみっぱなしにすると折り線が固定されるので、シーズンをまたぐ場合は一度広げて風を通します。
2枚をローテーションするという考え方
稽古が週3回以上あるなら、袴を2枚持つと1枚あたりの寿命が延び、乾かす時間も確保できます。
結果的に費用対効果が良くなる、という考え方があります。
買い替えを考えるサイン
- 裾のほつれが広がってきた
- ひだがアイロンでも戻らない
- 紐の付け根が擦り切れてきた
- 腰板が折れた、割れた
- 色あせが著しく、試合や審査で見た目が気になる
お子さんの場合は丈が合わなくなった時点が買い替えどきですが、裾上げの折り返しが残っていれば、伸ばして延命できます。
買い足すなら、稽古用をもう一枚というのが一番無駄になりません
\稽古用の2枚目に/
袴の裾上げ・修理・刺繍|長く使うための実務
裾上げのやり方
- 袴を履いて、実際の丈を決めます(前は足の甲、後ろはくるぶしが隠れる位置が目安。道場の指導が優先です)
- 上げたい長さの位置に、ひだの折り山ごとに印をつけます
- 袴の内側へ折り返し、まち針でひだを1本ずつ固定します
- まつり縫い(表に縫い目が目立たない縫い方)で、内側から手縫いします
- 折り返し分は切り落とさず残しておくと、成長に合わせて後から伸ばせます
最重要は③です。
ひだの折り山を潰さないでください。
ミシンは速いのですが、ひだがずれて折り山が潰れやすいので、慣れていなければ手縫いのほうが安全です。
自分でやるか、お店に頼むか
ひだのある袴の裾上げは、一般的な洋服より難易度が高い作業です。
剣道具店や和裁を扱うお直し店に依頼できます。
紐が切れた・腰板が壊れたとき
| 症状 | 対処 |
|---|---|
| 紐が切れた/付け根がほつれた | 紐だけの交換を受けてくれる店があります |
| 腰板が折れた | 腰板の交換で対応できることがあります |
| 裾のほつれ | 早い段階なら小さな補修で済みます。広がる前に出すのが結果的に安上がりです |
袴の刺繍|入れる前に確認したい3つ
袴には、腰板の下部などに名前を入れることがあります。
位置・書体・糸の色(白、金、銀など)は店で選べるのが一般的です。
- 学校や道場によって、名前を入れる位置や可否の慣習が異なります
- 大会や審査での扱いは、主催者の定めが優先されます
- 綿の藍染は色が落ちていくため、時間が経つほど刺繍が目立つようになります
剣道の袴に関するよくある質問
剣道に帯は必要ですか?
剣道では帯を使わず、袴の紐だけで固定するのが一般的です。
ただし道場の方針があれば、そちらに従ってください。
袴の下には何を履きますか?
肌着やハーフパンツ、スパッツなどを着用する方もいます。
所属の道場や大会によって扱いが異なるため、先生に確認するのが確実です。
統一された規定は確認できていません。
上下セットで買ったほうがいいですか?
セットは色味が揃うのが利点です。
ただし上衣と袴では必要な性能が違うため、別々に選んでも問題はありません。
洗うと縮みますか。色は落ちますか?
綿は洗うと1〜2cmほど縮むことがあり、藍染は色が落ちます。
テトロンは縮みも色落ちも少ないのが一般的です。
新しい綿袴は、白い剣道着や他人の防具に色が移ることがあるので、最初は単独で洗ってください。
袴だけ先に買い替えても大丈夫ですか?
問題ありません。
ただし新しい袴と使い込んだ上衣では色味の差が出ます。
試合や審査で見た目を揃えたい場合は、時期をそろえるという考え方もあります。
袴が届いたら、最初にやることは何ですか?
①サイズ表と実測の照合(履いて丈を確認)②綿なら単独で一度水を通す③ひだを整えて陰干し④刺繍や裾上げが必要なら購入店に相談、の4つを順に行ってください。
まとめ|まずは一枚を、正しく着られるようになるところから
袴は、覚えることが多いように見えて、押さえるところは限られています。
- 号数は鯨尺の寸法。26号=紐下2尺6寸で、1号あたり約3.8cm
- 身長より紐下寸法の実測のほうが確実です
- 袴が下がる原因の多くは当てる位置とヘラの差し込み
- たたみ方は前のひだ5本を最後まで通しきること
- 綿は単独・手洗い・陰干し。テトロンはネット・弱水流・乾燥機は不可
最初から完璧に着られる人はいません。
一つずつ、身につけていけば大丈夫です。
\軽さと扱いやすさで選ぶなら/
あわせて読みたい記事
これから剣道を始める方は、道具一式の全体像からご覧ください。

防具の手入れについては、こちらでまとめています。

竹刀の選び方はこちらです。

この記事が参考にした資料

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