タイで痛感した「外に出ないと現在地は分からない」|円安とお金と剣道

外に出ないと、自分の「現在地」は分からない
僕は年に一度、必ず海外に行くようにしています。今年はタイでした。観光というより、かなり真剣に考えさせられたことがあったので、今日はその話をさせてください。
先に結論をお伝えすると——実際に外に出て現地に行くことで、自分が今どこにいるかを感じられるということです。人は比べる対象がないと、自分の現在地を正しく認識できないんですよね。これはお金の話でもあり、剣道の話でもあります。
剣道でも、同じ経験をしてきました
僕自身、「日本一になりたい」「強くなりたい」と思いながら、中学1年の1年間を大分で一生懸命やっていました。
でも1年後、そのチームと対戦した時、そして実際に転校させていただいた時に、自分自身の弱さを、現地に行って初めて感じたんです。高校も同じでした。稽古に参加してみて「日本一の選手は、こんなレベル感でやっているのか」と体感する。現地に行くことで、自分がどこにいるのかを正しく認識できる——これは剣道も海外も、まったく同じだと思います。

①「円の価値が下がっている」を、体感しました
「円安だ、円安だ」——言葉としてはずっと聞いていますよね。でも日本で暮らしていると、なかなか意識しません。「卵が高くなったな」「牛丼やハンバーガーが値上がりしたな」くらいの感覚ではないでしょうか。
かつて1ドルは100円前後、100円を切っていた時期もありました。それが今や150円を超えています。タイの通貨バーツも同じです。数年〜10年ほど前は1バーツ3円ほどだったのが、今は4.8円台。しかも現地の物価自体も上がっているんです。
たとえば5年前に20バーツだった食べ物があったとします。当時のレート(1バーツ=約3円)なら約60円。ところが現地の物価が上がって25バーツになり、今のレート(約4.8円)で計算すると約120円。為替と物価、両方が動いた結果、体感では倍近くの金額になっているんです。600円だった朝ごはんが1,000円に、1,000円だった夕食が2,000円に——そう考えると、めちゃくちゃ高いですよね。
この計算をした時、「やっぱり円安は進んでいるんだな、怖いな」と実感しました。同じものを買うのに、日本人にとっては5年前の倍の金額が必要になっているということですから。
②「貯金だけで守れる時代」ではなくなっている
金利が上がったなら、預金も増えるのでは?
そう思いますよね。日本の政策金利はようやく1%まで上がり、「31年ぶりに金利のある世界が戻ってきた」と言われています。でも実際のところ、普通預金の金利は0.4%ほど、定期預金でも0.5%ほどです。
100万円を預けた場合の利息は年5,000円ほど。そこから税金が引かれるので、実質4,000円弱です。100万円を5年預けても、2万円程度にしかなりません。その間に物価が上がり、円の価値が下がっていくとしたら——2万円増えても、どうにもならないですよね。
つまり、銀行に預けているだけでは、金利で増える分より物価が上がる分の方が多く、実質的にお金の価値が目減りしていく。たとえば昔60万円で買えた車が120万円になっていたら、100万円+利息2万円では届きません。貯金だけでは、自分の資産を守れない時代になってきているのを、数字で突きつけられました。
だからこそ、お金を「どこに置くか」以上に、時間を「どこに使うか」がとても大切になってくるのではないかと思います。
③比べる対象があるから、学びになる
今回の学びは、お金の話だけではありませんでした。たとえば街の音です。
フィリピンやベトナムでは、交通量の多い場所でクラクションがずっと鳴り続けています。でもタイでは、滞在中にクラクションを聞いたのは2回ほど。同じ東南アジアでも、街の空気がまったく違う。雰囲気が似ている部分はあっても、この静けさの違いは、行ってみないと絶対に分かりません。食文化もそれぞれ違います(完全に好みの話ですが、僕は3カ国の中ではフィリピンの味が一番好きでした)。
「自分はこっちが好きだ」が増えること自体が、学びだと思っています。これも比べる対象があるからこそ、自分の好みや立ち位置がはっきり見えてくるんですよね。
剣道も同じ|自分の道場だけでは、現在地が見えない
剣道もまったく同じです。自分の道場だけで稽古していると、自分がどのくらいの位置にいるのか分からない。
今の先生が悪いという話では、まったくありません。いろいろな知識があるはずです。そのうえで——たとえば9月20日の栄花英幸先生の講演会のように、外の学びに触れることで「こういう考え方もあるのか」「もっとこうできるかもしれない」という気づきがあれば、そこから人生が大きく好転するかもしれません。自分に足りないものが、はっきり見えてくるかもしれない。外に出るというのは、そういうことだと思います。

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まとめ:使うことで、増えるものもある
今回は友人とも一緒に過ごし、会社の運営をどうしていくか、剣道を普及していくためにどうするか——他の方の視点を聞きながら語り合う時間にもなりました。
お金の置き方や使い方は、人それぞれ条件が違います。だからこそ使い方をしっかり考えながら使っていきましょう。使うことで増えるものも、たくさんあります。お子さんの稽古も同じです。ぜひ一度、外の環境に飛び込んでみてください。
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