竹刀の矯正型・小判型に注意|「肉体的強制力」の正しい使い方と握り

悪い癖を「縛って直す」と、逆効果になる理由
打つ時に顎が上がる、右手打ちになる、上に飛びすぎる、左足を引きつけて打ってしまう——お子さんにも、こんな癖はありませんか?
- 子どもの悪い癖を、縛って固定してでも直そうとしている
- 矯正型・小判型の竹刀を使っているが、正しい使い方が分からない
- 良かれと思ってやった矯正が、逆効果になっていないか心配
今日は、こうした癖を直す時に大事な「肉体的な強制力には注意が必要」という話です。
良かれと思ってやった矯正が、実は逆効果になることがあるんです。
竹刀の矯正型・小判型を使う方にも、ぜひ知ってほしい内容です。
まずは、なぜ「縛って固定」が逆効果になるのか、その仕組みから見ていきましょう。
顎を「縛って固定」すると、逆に上げる力がつく
たとえば「顎が上がる」癖。これを直そうと、面の突き垂れと首を縛って、顎が上がらないよう強制的に固定したとします。
すると、どうなるか。
顎を上げる癖はそのままなので、縛られた状態で打とうとすると、「上に上げようとする力」がついてしまうんです。
本来つけたいのは「顎を引く力」なのに、縛ると反発する力がついてしまう。
そして紐を外した瞬間、これまで以上に勢いよく上を向いてしまう——狙いと真逆の結果になるわけです。
イメージはデコピンです。
親指で中指を止めて、耐える力とためを作るから、離した瞬間に強い力が出ますよね。
縛るのは、この「親指でためを作る」のと同じ。だから縛って固定すると、かえって顎を上げるスピードが速くなってしまうんです。
つまり、押さえつけるほど反発の力が育ってしまう。ここが一番の落とし穴なんです
では、縛らずにどう直せばいいのか。次は、僕が実際にやっていた方法をお話しします。

直したいなら「自らの意識」で下を向く強制力を
では、どうすればいいか。顎を下にする筋力・意識をつけることが大事です。
僕が高校時代にやっていたのは、面金にガムテープを貼る方法です。
普通に構えた状態では前が見えない位置に、ガムテープを貼っておきます。
すると顎が上がった瞬間に視界が遮られ、相手が見えなくなる。だから、自然と下を向かざるを得なくなるんです。
これが「自らの力で、意識的に顎を上げないようにする強制力」です。
ポイントは、縛って物理的に固定するのではなく、自分の意識で直すことなんです。
この「自分の意識で直す」という考え方は、竹刀の矯正型・小判型にもそのまま当てはまります。
竹刀の「矯正型・小判型」も、同じ原理
握りを直したくて、矯正型の竹刀を使っているんですが…
竹刀の小判型・矯正型も、基本は「上から握る」「内側に手首を入れる」といった動作を、握りの形で強制するものです。
ここに、いくつか注意点があります。
- 内側に手首を入れすぎると可動域が狭くなり、剣先が落ちにくくなる
- 剣先が落ちきらないと、首元まで打ち切れず、打突が軽くなる可能性がある
- 矯正型に頼りすぎると、丸型に戻した時に横から握ってしまう可能性がある(首を縛るのと同じ原理)
誤解しないでほしいのですが、僕は矯正型・小判型がダメと言っているわけではありません。
むしろ、「上から握る」「力を加える」という感覚を理解しやすくする、必要な道具だと思っています。
横から握ると力が入らないので、上から握る感覚を掴むのにとても役立ちます。
大事なのは、最終目標を「丸型に戻しても、上から握れること」に置くことです。
矯正型で「この形で握るんだ」という意識をしっかり持っておかないと、普通の竹刀に戻った時に横握りに戻ってしまいます。
道具に矯正してもらうのではなく、道具で”意識”を掴み、それを自分の力で再現できるようにする——ここが一番のポイントです。
この考え方を踏まえて、僕自身の竹刀がなぜ「左手丸型・右手小判」なのか、お話しします。
なぜ僕の竹刀は「左手丸型・右手小判」なのか
ちなみに、小判型・矯正型は手元の重心を削るので、先重心(先が重く感じる)になりやすいという特徴があります。
だから僕の竹刀は、左手は丸型、右手は小判型にしています。
左手は常に握り続けて力を加えるので、丸型でも左右にずれにくいんです。
手元に重さを残すことで、先の重心を落とせるメリットがあります。
一方、右手は常に握り続けないので、小判型にすることで「正しく握って、刃筋よく打つ」意識を持てます。
さらに、右手を左手より少し細くすることで、竹刀が軽く感じるんです。
左手より右手が太いと重く感じる原因になるので、そこに注意して製作してもらっています。
- 左手(丸型)
-
常に握り続けて力を加える手。手元に重さを残し、先の重心を落とす役割
- 右手(小判型)
-
正しく握り、刃筋よく打つ意識を持たせる手。少し細くして竹刀を軽く感じさせる
ここまでの話を、最後にぎゅっとまとめておきます。

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まとめ:「強制」ではなく「強制の中に意識」を
今日の一番のポイントは、「強制」ではなく「強制の中に意識を持ってくる」ことです。
物理的に縛って固定すると、反発する力がついて逆効果になりがちです。
だから、ガムテープや矯正型のように「自分の意識で直すきっかけ」として道具を使うのが正解です。
お子さんに悪い癖がある時は、「どうすれば意識的に改善できるか」を考えながら練習すると、直しやすくなります。
お子さんの癖、焦って押さえつけていませんか?まずは「意識で直すきっかけ」を作ってあげてくださいね
ぜひ取り組んでみてください。
最後に、握りや打突をもっと深めたい方へ、おすすめの記事を紹介します。
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