磨くと輝く|錆びた鉄の棒が教えてくれた「厳しく言うこと」の意味

錆びた鉄の棒が、子どもたちに教えてくれたこと
昨日、福岡県のあすなろ剣道教室さんにお邪魔させていただきました。そこで「磨く」ということの本当の意味を教えていただいたので、今日はその話をさせてください。
「強く言いたいけれど、強く言えない」——指導する方も、お子さんを見守る親御さんも、感じたことがあるのではないでしょうか。その答えのヒントが、そこにありました。
なぜ僕が「剣道教室」を作ったのか
僕は今、福岡県で「つながる剣道教室」をやらせていただいています。始めた理由は、はっきりしています。
YouTubeは、すでに剣道をやっている方が見て学び、強くなって継続することにはつながりやすいと思っています。でも——「剣道をやっていない人が始める」というゼロイチには、なかなか至っていないんです。「YouTubeを見て始めました」という報告をいただくこともありますが、正直まだ実感が湧くほどの数ではありません。
だからゼロイチを作ろうと思いました。とはいえ、個別指導やYouTube、講演会もあって、僕が毎日指導するのは難しい。だからこそ「普及活動をしたい」という方と一緒にできたらいい——そう考えて、福岡県城南区で始めたのが「つながる剣道教室」です。来年は、他の道場も作りたいと思っています。

「一度、この道場を見てほしい」
ちょうど同じ頃、道場を作ろうと動かれていた方がいました。ただ、さまざまな事情があって、思うように活動を始められずにいたそうです。
そんなご縁の中で、僕の稽古会にも来てくださっていて、「一緒にやりましょう」とお話ししたところ、「ぜひやりましょう」という形になりました。そこで進めていくにあたり——一度あすなろ剣道教室を見に来てほしい。そして湯口先生というすごい方に触れていただきたいと思い、遠方から福岡まで来ていただいたんです。
当初は稽古だけお邪魔する予定でしたが、湯口先生から「よかったらランチに行きませんか」とお誘いいただき、ありがたくお時間を頂戴しました。そこで伺ったお話が、本当に心に残っています。
「この鉄、錆びてるよね。綺麗にするにはどうする?」
少年玉竜旗で結果が振るわず、5人抜きをされてしまったそうです。その後、子どもたちに問いかけました。「みんな、悔しかっただろう」と。すると「悔しい」「勝ちたい」と、手が上がる。
でも——「毎日毎日、細かいことを言われたら嫌だよね」とも伝えたそうです。そして、ちょうど家にあった錆びた鉄の棒をみんなの前で見せて、こう聞きました。
この鉄、錆びてるよね。綺麗にするには、どうしたらいいと思う?
子どもたちからは「液をかける」「カビ取り剤を使う」など、いろいろな声が出ます。そこで先生が伝えたのが——「ヤスリで磨く」という方法でした。
磨いたり削ったりすると、元の銀色、鉄の輝きが復活する。でも「磨く」という行為は、よく考えると外側を削り取っているということです。削られるのは、痛い。人間の皮膚だって、削られたら、えぐられたら、めちゃくちゃ痛いですよね。それでも、削るからこそ鉄は綺麗に輝き出す。これは、人も同じ——そういうお話でした。
「厳しいことを言ってもいい人?」——手が上がった
何も言わない指導は、簡単です。「こうしたらいいよ」「そんな感じでいいんじゃない」——そう言っていれば、子どもたちが嫌な気分になることはありません。でも、それでは勝たせてあげられなかった。
そして選手たちは、勝ちたいと思っている。そのためには「挨拶をしよう」「もっと大きな声で面を打とう」といった当たり前のことも伝えなければいけない。ところが、それを言うだけで「強く言い過ぎだ」「挨拶をすれば強くなるんですか」と言われることもあるそうです。
だからこそ先生は、保護者の方と子どもたちの前で、正面から聞きました。「これから強くなるために、強く言ってもいいか。もっと厳しい言葉や、嫌なことを伝えてもいいか」と。
すると——お母さんたちの前で、手が上がったそうです。(もちろん、上がらない子もいます。)本当に強くなりたい子たちは「なるほど」と受け取った。痛いからやめておこう、ではなく「苦しいけれど頑張ろう」「もっと声を出そう」「足さばきはきついけど、速くしよう」——技術だけでなく、子どもたちが自主性を持って頑張ろうと思えるように導く。本当に素晴らしいなと感じました。
稽古で見た「可能性を引き上げる」声かけ
その後、一部・二部の稽古にもお邪魔しました。そこでお話の通りのことを、そのまま体現されていたんです。
ただ褒めるだけではありません。「声が出ていないよ」と伝える。そして「声が向こうまで届いたら天才だ」と言う。すると子どもたちは、一生懸命に声を出す。今まで出ていなかった子が出るんです。
さらに、声が出たら「20点」。少し大きくなると「40点」「50点」「60点」と伝えていく。すると子どもたちの声はどんどん大きくなり、「僕たちはできるんだ」という気持ちで、可能性が引き上げられていく——それを目の当たりにしました。ただやらせるのではなく、子どもたちの可能性を引き上げてあげる。学ぶことが本当に多い時間でした。
始めたばかりの子には、難しいこともあります。それでもまだ4回目くらいの子が、一生懸命すり足をしていたり、声が大きくなってきたりしていました。先生もおっしゃっていましたが、最初はなかなか声が出ない。でも「もっと出せるよ」「一緒にやろう」と声をかけ、点数を伝えていく。
すると、一生懸命やるうちに泣く子も出てくるそうです。出せないことへの悔しさ、体力的な厳しさ。その苦しさの中で、泣きながら振り絞るように出る声がある。そこから出るようになっていく。

個別指導・講演会
日本一9回が、その場で癖を見つけて、その場で直す。
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- 日本一9回の経験をそのまま共有(同じ壁は必ず通ってきた)
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- 初回ヒアリング無料。まずは現状を聞かせてください
※道場・学校単位での講演会・稽古会のご依頼もこちらから承っています。
大事なのは「言い方」と「線引き」
言葉だけ聞くと「やりすぎでは」と思われるかもしれません。でもそれこそが修行であり、鍛錬だと思うんです。何も言わないままでは、子どもたちの可能性を潰してしまう。
もちろん言い方は大事です。「お前ら声だけだな」「だからダメなんだよ」——そういう伝え方が良いとは思いません。ただ一方で、みんなが一生懸命やっている中で自分だけダラダラしていたり、和を乱してしまう子もいます。そういう時は「もういいよ、帰ってもいいよ」としてもいいと思うんです。それによって全体の質が下がってしまうのは、良くないですから。
この線引きと、声かけの仕方。そして愛情を持って指導すること。それがしっかり伝わってきて、本当に素晴らしいと感じました。
まとめ:磨かれるから、輝く
こういうことは、行かないと分かりません。行って、見て、感じる部分が本当にたくさんある。だからこそ「つながる剣道教室をやる」となった時、一度ここを体験してほしいと思って、来ていただきました。
錆を落として輝かせるには、磨くしかない。削られるのは痛い。でも、だからこそ輝く。お子さんに厳しいことを伝えるべきか迷っている方は、ぜひこの話を思い出してみてください。
あすなろ剣道教室・湯口先生、毎回本当にありがとうございます。これからも、よろしくお願いいたします。
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