栄花先生とのZoomで学んだ3つの教え|剣道を語らずに剣道を伝える普及哲学

「自分の指導は、本当に剣道を伝えられているのだろうか」「剣道だけを語っていたら、剣道未経験の人に届かない気がする」――こんな違和感を抱えている指導者・道場運営者の方は、意外と多いのではないでしょうか。
先日、僕が支援させていただいた栄花先生のクラウドファンディングの御礼を兼ねて、初めてのZoom顔合わせをさせていただきました。彪雅剣道合同会社のスタッフ2名も同席。1時間の会話の中で、僕の中の「剣道普及の常識」を完全に塗り替える3つの学びがありました。
9月頃に予定している共同稽古会の準備を兼ねた打ち合わせでしたが、ただの予定確認ではなく指導観そのものが揺さぶられる時間になりました。今日はその学びを、皆さんに惜しみなくシェアします。
今回の記事で受け取れることは下記のとおりです。
- 栄花先生から学んだ剣道普及3つの極意
- 「剣道だけを伝えない」普及の発想
- 腐ったみかんを切り捨てない人を育てる視点
- 9月開催予定の栄花先生×梶谷の共同稽古会について
栄花先生との初Zoom:1時間で得た衝撃
栄花先生のクラウドファンディングに僕が個人で支援させていただき、リターンとして「稽古会・講習会の共同開催権」をいただきました。9月開催に向けて、初めて顔を合わせるZoomがこの日の本題だったわけですが――
蓋を開けてみたら、日程調整より、先生の指導観・人間観の話で大半が埋まる濃密な時間に。クラウドファンディングのページだけでは絶対に分からない、先生の根っこにある思いに触れさせていただきました。
本当に聞きたいことが、聞きたいだけ聞ける時間。こんな貴重な機会はそうそうありません。心の中で大号泣でした。
学び①:剣道だけを伝えようとしない
1つ目の学びは、僕にとって一番のパラダイムシフトでした。
普通の「剣道普及」のアプローチ
剣道を広めたいと思った時、僕も含めて多くの指導者がやるのはこんな伝え方です。
- 「剣道は素晴らしい武道です」
- 「剣道をやると礼儀作法が身につきます」
- 「剣道で精神が鍛えられます」
これ自体は間違っていません。でも、すでに剣道に興味がある人にしか届かない。新規の方には響きにくいんです。
栄花先生のアプローチ:剣道未経験者に「剣道」を意識させない
栄花先生のアプローチは真逆でした。剣道未経験の人と話す時に、剣道の話をほぼしない。むしろ、姿勢・所作・日本文化の話をする。
相手「姿勢いいですね、何かされてたんですか?」
栄花先生「剣道をやってたんですよ」
相手「あ、だから背筋が綺麗なんですね。礼儀も素敵」
――結果として剣道に興味を持ってもらえる
つまり、「剣道を伝えよう」ではなく「自分の所作で剣道を体現する」。これも立派な剣道普及だ、と先生は言われていました。
竹の例え:日本文化を語る視点
もう一つ印象的だったのが、「竹」のたとえです。
| 対象 | 特徴 | 逆境への強さ |
|---|---|---|
| 竹 | 節を作りながらまっすぐ伸びる/しなやか | 台風が来てもしなって耐える |
| 電信柱 | コンクリートで一見強そう/1本まっすぐ | 大きな力で倒れることがある |
苦しいこと・辛いことを経験して「節」を作りながら成長する人は、しなやかで折れない。これが日本文化の本質であり、結果的に剣道精神そのものだと。
僕は今まで「剣道を通じて気づくもの」だと思ってきました。でも栄花先生は「剣道を知らない人にも、この感覚を届けられる」と。剣道を文化全体の中に位置づけ、文化に触れてもらう中で自然と興味を持ってもらう――この視点が、僕の中で完全に新しい扉でした。
学び②:腐ったみかんを切り捨てない人を育てる視点
2つ目の学びは、教育者としての栄花先生の哲学です。
「腐ったみかん」を退学させる教育への違和感
学校現場でうまくいかない子、ちょっと荒れている子に対して、退学させたり、辞めさせたりするような対応がよくあります。「腐ったみかんが箱全体を腐らせる前に取り除く」という発想です。
でも栄花先生は、はっきり言われていました。
「僕は、そういう考え方が嫌いです。悪い部分をなくすのではなく、どう改善して、その人をもっと良くしていくか。その視点で人を見るのが教育者の仕事だと思っています」
「切り捨てる」ではなく「引き上げる」
変化の兆しに早めに気づいて、その人が変われるような関わり方をする。これが学校教員生活で栄花先生が一番学ばれたことだそうです。
そして驚いたのが、先生がこう続けられたこと。
「剣道界からしたら、梶谷君みたいに新しいことに挑戦する人も、見方によっては腐ったみかんに映るかもしれない。でも僕は、それを切り捨てるんじゃなくて、どう一緒に良くしていくかを考えたい。だから今回、君と組ませてもらいたいんです」
このお言葉、心の中で号泣しました。剣道界の中で挑戦することは、時に「変わり者」扱いされる。それを承知の上で「一緒に良くしていこう」と言ってくださる方がいる。これほど嬉しいことはありません。
学び③:基本を何よりも大切にされている姿勢
3つ目は、僕自身の課題でもある「基本の伝え方」についての学びです。
正直に告白:応用ばかり発信してきた理由
僕も基本が何より大切だと思っています。でも、現実問題、YouTubeで再生数を取りにいくと、どうしても派手な技や応用テクニックに偏ってしまうんです。
| 動画タイプ | 再生数 | 剣道普及への寄与 |
|---|---|---|
| 応用技・派手なテクニック | 多い | 限定的(既に剣道好きな人向け) |
| 基本動作・素振り・足さばき | 少ない | 本質的だが届く人数が限られる |
基本の動画を作っても、編集コストはかかるのに広告費が得られず、赤字になる。だから応用に偏らざるを得ない。「梶谷彪雅って応用ばかり教えてるよね」という声があるのは、その通りでそうみられても仕方ないと思っています。
栄花先生の「基本へのこだわり」
そんな僕に対して、栄花先生は明確に「9月の講習会では、基本の大切さをしっかり伝えたい」とおっしゃってくださいました。
これは僕にとって、ものすごく嬉しい話です。なぜなら――
- 梶谷が「基本が大事」と言っても説得力に欠ける
- でも、長年正しい剣道を貫いてこられた栄花先生が伝えると圧倒的に重みが違う
- 応用×基本のコラボで、参加者が両輪を学べる
- 僕自身も先生から改めて基本を学ばせていただける
「梶谷は応用専門」と思われがちですが、本気で正しい剣道を伝えてこられた先生から学ばせていただくことで、応用だけじゃなく基本もしっかり積み上げている姿を見せられる。これも今回のコラボの大きな価値だと思っています。

個別指導・講演会
日本一9回が、その場で癖を見つけて、その場で直す。
マンツーマン、または最大3名の少人数で、実際に竹刀を交えて稽古できます。動画や言葉では届かない”手元の違和感”を、1回の稽古で1つ以上持ち帰ってもらう。これが個別指導の一番の価値です。
- 日本一9回の経験をそのまま共有(同じ壁は必ず通ってきた)
- 道場・学校・ご家庭の個人稽古、いずれも対応可能
- 初回ヒアリング無料。まずは現状を聞かせてください
※道場・学校単位での講演会・稽古会のご依頼もこちらから承っています。
9月開催の共同稽古会について
栄花先生との共同稽古会は、9月頃の開催を予定しています。
なぜ9月なのか
- 夏の大会・道場連盟大会などが一段落する時期
- 来年に向けて新たな積み上げを始めるベストタイミング
- 気候的に稽古しやすい
会場と詳細
体育館の確保を含め、現在準備中です。確定情報はメンバーシップ・公式LINE・SNSで第一報をお届けします。先着順になる可能性が高いので、繋がっておいていただけると確実です。
これは「ただのコラボ稽古会」ではなく、思想を共有する場にしたいと思っています。子どもにも大人にも、持ち帰れる学びの時間を全力で作ります。
今日からあなたができる3つの小さな一歩
まとめ:栄花先生から受け取った3つの宝物
本記事の要点を整理します。
- 栄花先生とのZoomで、剣道普及の常識が塗り替えられた
- 剣道を伝えるのに、剣道の話をしないアプローチもある
- 「腐ったみかん」を切り捨てるのではなく、どう良くするかで人を見る
- 基本の大切さを、長年貫いてこられた先生から学ばせていただける
- 9月開催の共同稽古会で、応用×基本×思想を一気に体感できる
- 挑戦者を切り捨てない、優しい剣道界を一緒に作りたい
剣道は「人間形成の道」です。これは指導者にとっても同じ。教える側の指導観・人間観が、子どもたちの未来に直接届きます。「切り捨てる剣道界」ではなく、「引き上げる剣道界」へ。栄花先生と一緒に、その流れを作っていきたい。
9月の共同稽古会、ぜひ楽しみにしていてください。「子どもの剣道だけでなく、自分の人間性も磨きたい」という保護者の方にも、心からおすすめできる時間になると確信しています。








