📢 講演会・稽古会のご依頼はこちらをクリック

玉竜旗2026の10人抜き|先鋒3人が語った抜き続けた理由

この記事で分かること
  • 10人抜きを達成した3人が、抜いている最中に何を考えていたのか
  • 3人とも先鋒・3年生。それでも答えがまったく違ったこと
  • インターハイに出られなかった選手が、玉竜旗にかけていた思い
  • それぞれの強みと、大会に向けた体づくり

玉竜旗2026(第97回玉竜旗高校剣道大会)を、福岡の会場から取材しています。梶谷彪雅です。

男子は15人抜きが出たこともあって、10人抜きが少し陰に隠れています。ただ、10人抜きは、相手チーム2つ分を1人で倒し切ったということです。

今回、10人抜きを達成した3人に、試合直後にお話を伺うことができました。

3人とも先鋒、3人とも3年生。それなのに、「抜いている最中に何を考えていたか」への答えが、見事に違いました。

▼ 読みたいところへジャンプ

目次

森 慶輔選手(福岡大大濠・3年)|「インターハイに出れない分、玉竜旗で優勝しよう」

玉竜旗2026で10人抜きを達成した福岡大大濠の先鋒・森慶輔選手
福岡大大濠・森慶輔選手(3年・三段/先鋒)
玉竜旗2026男子 福岡大大濠・森慶輔選手の小手
福岡大大濠・森慶輔選手(3年・三段)

梶谷──10人抜き、おめでとうございます。まず率直な感想を教えてください。

自分は先鋒として……

森選手は、チームにいい流れを持ってこようと意識して、目の前の相手一人ひとりに集中していたら、終わってみたら10人だった、という趣旨のことを話してくれました。

梶谷──最初の入りは、どういう感じでしたか。

この大会最後ですし、インターハイに出れない分、玉竜旗で優勝しようという気持ちで立っています

この一言に、森選手の夏が全部入っていると思いました。インターハイには出られない。だから玉竜旗しかない。3年生にとって、これが最後の大会になります。

梶谷──県予選での思い、悔しかったことがあれば教えてください。

そこからこの玉竜旗だけに賭けてきたので……

インターハイ予選で敗れたあと、この大会だけに賭けてきたということでした。

強みは「先に攻め込んで打ち込む」

梶谷──ご自身のストロングポイントを教えてください。

自分は先に攻め込んで打ち込むという技が自分の強みなので、そこでその強みを活かしてやってます

一番きつかった稽古は「掛かり稽古」

梶谷──一番きつかった練習メニューは何ですか。

掛かり稽古です

食事はお肉派とのことでした。

福岡大大濠には、森選手が2人います

取材のときに確認したのですが、福岡大大濠にはもう一人、森選手がいます。副将の森大耀(もり ひかり)選手です。

梶谷──副将にも森選手いますよね?

あ、います

梶谷──兄弟とかではないですか。

違います

同姓の別の選手です。試合を見るときに混同しやすいので、書き添えておきます。

その森大耀選手は、福岡大大濠を率いる森大樹(もり だいき)監督の息子さんです。そして、昨年の玉竜旗で大将を務め、優勝を経験した森選手の弟にあたります。

兄が大将で勝った翌年、弟が副将で戦っている。しかも指導しているのは父親です。福岡大大濠の3連覇には、こういう時間の積み重ねも入っているということになります。

福岡大大濠は昨年の玉竜旗男子を制しています。そのときのチームについては別記事にまとめています。

山口 光貴選手(高千穂・3年)|「大将に回さないように」

玉竜旗2026で10人抜きを達成した高千穂高校の先鋒・山口光貴選手
高千穂・山口光貴選手(3年・三段/先鋒)

記録は10人抜き。実際に抜いたのは12人でした

先に、記録の数え方について書いておきます。

山口選手は10人を抜いたあと、次の試合でも相手の先鋒・次鋒を抜き、中堅の選手に敗れています。連続で勝ったのは12人です。

ただし、玉竜旗の抜き記録は5人単位で扱われます。5人抜き、10人抜き、15人抜き、という区切りです。12人を抜いても、記録として残るのは10人抜きになります。

梶谷──10人抜きを達成した直後の感想を教えてください。

12人抜きしても次の試合があったので、気持ち切り替えて……

本人の口から出てきたのは「12人」でした。記録に残る数字と、実際に戦った数字が違う。抜いた本人だけが知っている2人分が、ここにあります。

玉竜旗2026男子 高千穂・山口光貴選手の小手
高千穂・山口光貴選手(3年・三段)

梶谷──5人を抜いて、次の試合の6人目に入るとき、「10人抜きしてやろう」という気持ちで入るんですか。

10人抜きしようって入るんですけど、大将戦にならないように、大将に回さないように……

ここが山口選手の答えでした。記録は意識している。でもそれ以上に、「大将に回さない」が先に来るです。先鋒が抜き続ければ、大将まで回りません。自分の記録ではなく、チームの誰を出さずに済ませるかを見ていたということになります。

梶谷──抜いている最中はきつかったですか。

焦らずに、とりあえず1本取ろうという感じ

10人を抜いている最中に「焦らずに、とりあえず1本」。数ではなく、目の前の一本を積み重ねた結果が10人だった、ということだと思います。

強みと、稽古以外にやっていること

強みを伺うと、運動神経のよさだと話してくれました。

梶谷──素振りやトレーニング系はあまりやらない感じですか。

走るのが好きなんで、走ったりします

走るのは長距離とのことでした。

高千穂は昨年の玉竜旗でも10人抜きが出ています。当時の選手にも話を伺っていました。

古野 悠誠選手(島原・3年)|強みは「冷静さ」

玉竜旗2026で10人抜きを達成した島原高校の先鋒・古野悠誠選手
島原・古野悠誠選手(3年・二段/先鋒)
玉竜旗2026男子 島原・古野悠誠選手の面
島原・古野悠誠選手(3年・二段)

梶谷──ご自身のストロングポイントを教えてください。

冷静さだと思います

古野選手は、常に想定外を想定内にするという意識で稽古や自主練に取り組んできた、と話してくれました。

試合で想定外のことが起きても、それを「起こり得ること」として準備してあれば、慌てずに済みます。冷静さは性格ではなく、準備の量で作れるということだと思います。

10人抜いたあとに口にしたのは、反省でした

梶谷──10人抜きの試合中の感覚や心境を教えてください。

勝った後、体力がちょっと切れて足が止まったところを打たれたりした部分があったので、次の試合ではそういうところをしっかり直していきたいと思います

梶谷──先鋒の時点で、体力的にきついという感覚はありましたか。

ありました

10人抜いた直後に出てきたのが、達成感ではなく「足が止まって打たれた」という反省でした。しかも「次の試合で直したい」と、もう次を見ています。

体づくり

梶谷──プロテインは飲んでいますか。

飲んでます

食事は肉派とのことでした。

3人に共通していたこと、違っていたこと

同じ10人抜きでも、3人の答えはまったく違いました。

選手抜いている最中に見ていたもの自分の強み
森 慶輔
福岡大大濠・3年
目の前の相手一人ひとり
「終わってみたら10人」
先に攻め込んで打ち込む
山口 光貴
高千穂・3年
大将に回さないこと運動神経のよさ
古野 悠誠
島原・3年
想定外を想定内にする準備冷静さ

森選手は数えていません。山口選手はチームの誰を出さずに済ませるかを見ています。古野選手は準備してきたことを出せるかを見ています。

抜き続けるための「正解」は1つではない。それでも3人とも、10人を抜き切りました。

共通していたのは、3人とも先鋒だったこと

勝ち抜き戦では、先鋒が抜き続ければ、後ろの4人は試合場に立たないまま勝ちが決まります。10人抜きは、それを2試合ぶんやったということです。

そしてもう1つ。3人とも食事は「肉派」でした。抜き続ける体を作るところは、3人とも同じでした。

玉竜旗2026 男子|10人抜きを達成した9選手

今大会の男子で、10人抜きを達成したのは9選手です。いずれも2日目(7月28日)の記録になります。

選手学校学年・段位
森 慶輔福岡大大濠(福岡)3年・三段
古野 悠誠島原(長崎)3年・二段
吉岡 澪音樟南(鹿児島)2年・二段
重永 将嗣佐賀学園(佐賀)3年・三段
山口 光貴高千穂(宮崎)3年・三段
野尻 一志大分鶴崎(大分)3年・三段
高橋 翔真惺山(山形)2年・二段
奥田 昌宗東九州龍谷(大分)1年・二段
田中 翔長崎日大(長崎)2年・三段

太字の3選手に、今回お話を伺いました。

今大会の男子では、15人抜きも生まれています。本庄第一(埼玉)の先鋒・吉野一真選手です。

5人抜き以上の全記録と、最終日の対戦カードは速報記事にまとめています。

まとめ

  • 玉竜旗2026 男子で10人抜きを達成したのは9選手です
  • 今回話を伺った3人は、全員が先鋒で、全員が3年生でした
  • 森選手は「インターハイに出れない分、玉竜旗で優勝しよう」と話しました
  • 山口選手は記録よりも「大将に回さないように」を先に挙げました
  • 古野選手は強みに「冷静さ」を挙げ、10人抜いた直後に反省を口にしました
  • 山口選手は実際には12人を抜いていますが、玉竜旗の記録は5人単位のため10人抜きとして残ります

大会はまだ続いています。結果が出次第、速報記事のほうを更新していきます。

この記事の引用は、すべて玉竜旗2026の会場で、梶谷彪雅がご本人から直接伺った内容です。

よかったらシェアをお願いします
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次