試合会場で親がやるべきこと|八段の先生が娘に指導しない理由が深すぎた

試合会場で、つい「こうしろ!」と言いたくなっていませんか?
お子さんの試合会場。緊張しているのは親の方かもしれません。
「もっと前に出ろ!」「今、打て!」「なんで打たないんだ!」——つい大きな声でアドバイスしたくなる瞬間、ありませんか?
先日、関西選抜大会を観戦しに行った時、八段の木和田先生から衝撃的な一言をいただきました。「保護者のアドバイス」に対する考え方が、180度変わる話でした。
今日はその話と、保護者が試合会場で本当にすべきことをお伝えします。
関西選抜大会で、木和田先生とお会いできました
1月24〜25日に行われた関西選抜大会。中学生と小学生の部を応援しに足を運びました。
会場では、たくさんのお子さんたちから「写真を撮ってください」「サインをください」と声をかけていただきました。本当に嬉しかったです。
そこで偶然、木和田先生(八段)とお会いする機会をいただきました。娘さんが出場されていて、審判ではなく純粋な応援として観客席にいらっしゃったんです。
木和田先生は、僕が学生時代に剣道から離れそうになっていた時期、真摯に向き合って心の支えになってくださった恩人のお一人です。久しぶりの再会で、指導方法や考え方をじっくりお聞きしました。
「俺は子どもに指導しない」——八段の先生が語った衝撃の一言
木和田先生の娘さんは、学校の剣道部に所属されています。指導者は若い先生——大学を卒業したばかりの25歳くらいの方とのこと。
普通なら、八段の先生が目の前にいれば「指導してあげてください」という場面です。でも木和田先生はこう言いました。
俺は全く指導しない。そこで出しゃばったらいけないと思ってる。こっちが先生にお願いしますって預けてるんだから、それは全部先生に任せてること。こっちが出しゃばることじゃない。
木和田先生(八段・梶谷彪雅の恩師)
これを聞いた時、正直、背筋が伸びました。
八段の先生が、自分より遥かに経験の浅い25歳の指導者を完璧に立てる姿勢。これ、簡単にできることじゃありません。
でも、アドバイスしないと子どもが可哀想な時もあるんじゃ…?
この気持ちはよくわかります。でも、木和田先生の考え方はこうです。
「先生にお願いして預けた」時点で、指導権は先生のもの。保護者や外野が口を出すと、指導者の立場が崩れ、子どもは「誰の言うことを聞けばいいのか」と混乱します。結果として、一番損をするのはお子さん自身です。
「子どものため」と思ってしたアドバイスが、実は子どもの成長環境を壊している——これは剣道に限らず、スポーツ全般で起こっている問題です。
なぜ「出しゃばらない姿勢」が、子どもを伸ばすのか
理由①:指導者への信頼を守ることが、子どもの成長を守る
お子さんが「親は先生を信頼しているんだ」と感じると、先生の指導を素直に受け取れるようになります。
逆に親が「先生のやり方はどうかな」と疑う姿を見せると、お子さんは指導を半信半疑で受け取る。吸収スピードが一気に落ちるんです。
理由②:指導者が自信を持って指導できる環境になる
若い指導者ほど、保護者の視線を気にします。
保護者が出しゃばらず、信頼して預けてくれる環境では、指導者が伸び伸びと持ち味を発揮できる。それが結果として、お子さんへの指導の質を上げます。
理由③:お子さん自身の「自分で考える力」が育つ
親が「こうしろ、ああしろ」と言わない環境では、お子さんは自分で考えるしかありません。
試合で打たれた時、負けた時——その振り返りを自分で行う習慣が、最終的に「強さ」の土台になるんです。
木和田先生が教えてくれた、竹刀操作の練習法
ちなみに木和田先生に「どんな指導をされていますか?」と伺ったところ、最初に出てきたのが「竹刀操作」の話でした。
多くの先生は「足さばきが一番」とおっしゃることが多いので、これは新鮮でした。
竹刀操作の練習法:相手が構えている竹刀に対して、当たらないようにくるくる回す。そして目をつぶっても当たらないように回せる状態を作る。これができるようになると、「ここだ」と思った瞬間に竹刀を自在に操作できるようになる。
届かなかった打突が届くようになるのは、足さばきよりも竹刀操作能力が大きい——木和田先生の哲学です。
この話、ぜひお子さんに伝えてあげてください。「八段の木和田先生が大事だって言ってたよ」と一言添えるだけで、受け取り方が変わります。
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今日からできる3つの一歩
試合中、客席から聞こえる親の声は、お子さんにとって味方であると同時にプレッシャーでもあります。
応援の「頑張れ!」はOK。技術指導の「もっと前に出ろ!」はNG。この線引きを、今日から意識してみてください。
「なんであそこで打たなかったの?」ではなく、「今日の試合、自分ではどうだった?」
評価する前に、お子さん自身の振り返りを聞く。これだけで、お子さんの「自分で考える力」は確実に育ちます。
「今の先生にお願いしてよかったね」「先生を信頼して頑張ろう」
この一言があるだけで、お子さんは指導を100%吸収できる状態になります。逆に親が陰で先生の愚痴を言っていれば、どれだけいい指導も半分しか伝わりません。
まとめ:一番強い保護者は、一番「出しゃばらない」保護者です
八段の先生が、若い指導者を完璧に立てる。自分の娘にすら指導せず、全てを任せる。
この姿勢は、僕らが簡単に真似できるものではありません。でも、「近づこうとすること」はできます。
アドバイスしたくなる気持ちを抑えるのって、本当に難しいですよね…
わかります。僕も父親として、つい言いたくなる瞬間があります。
でも、「言わない」という選択こそが、子どもへの最大の信頼です。お子さんは、親に信頼されていることを感じれば、自分で立ち上がる力を育てていきます。
木和田先生に教わった、一生忘れない指導哲学。ぜひ今日から、ご家庭で試してみてください。

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