剣道の筋トレ完全ガイド|握力・体幹・自宅で強くなる筋力の鍛え方

この記事は、剣道の筋トレを「何を・どこを・どう鍛えるか」まで落とし込んだ完全ガイドです。握力・体幹・下半身を、自宅とジム・年代別に、実戦目線で部位別に処方していきます。
先にひとつだけお伝えします。筋トレは、やり方を間違えると腰や足を痛め、かえって動きが硬くなります。僕自身、そこで一度つまずいた経験があります。
この記事の核心は、筋トレの正解は「部位別に・自宅とジムで・年代別に」使い分けることです。動きが遅くなるかどうかは、鍛え方次第で決まります。
- 筋トレをすると、体が硬くなって剣道の動きが遅くなりそう
- 何を・どこを鍛えればいいのか、そもそも分からない
- ジムに通えない。自宅でできる筋トレが知りたい
- 握力や手首は、どうやって鍛えればいいのか
ひとつでも当てはまるなら、この記事がそのまま地図になります。まずは筆者の自己紹介から。
彪雅KENDO合同会社
代表 梶谷 彪雅
大分県出身。高森中学校、九州学院高等学校、明治大学卒業。剣道の全国大会で9回の優勝を経験し、現在は指導者として活動しています。高校時代に左手首を痛めて握力が落ちた時期も、手の内で一本を取ってきました。自身もウエイトを避けていた側から導入した当事者として、剣道に効く筋トレを実戦目線で伝えています。
今回の記事で学べることは下記のとおりです。
- 「筋肉をつけると動きが遅くなる」俗説の真相
- 剣道に効く5部位(握力・手首/体幹/下半身/背筋/肩甲帯)の鍛え方
- 自宅(自重)とジム(ウエイト)の使い分け
- 年代別の考え方(小中学生は自重が基本)
- 腰や足を痛めないケガの防ぎ方
- 筋肉を定着させる栄養と回復の基本
先に結論(部位別メニュー早見表)だけ知りたい方は、「剣道に効く筋肉マップ」の見出しの早見表からどうぞ。まずは自分に必要な部位を特定するのが最短ルートです。

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日本一9回が、その場で癖を見つけて、その場で直す。
マンツーマン、または最大3名の少人数で、実際に竹刀を交えて稽古できます。動画や言葉では届かない”手元の違和感”を、1回の稽古で1つ以上持ち帰ってもらう。これが個別指導の一番の価値です。
- 日本一9回の経験をそのまま共有(同じ壁は必ず通ってきた)
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※道場・学校単位での講演会・稽古会のご依頼もこちらから承っています。
「筋肉で剣道の動きが遅くなる」は本当か|結論は鍛え方次第
結論から言うと、これは半分だけ本当です。筋トレ自体が悪いのではなく、問題は「やり方」にあります。剣道は瞬発系の競技なので、鍛え方を合わせれば、むしろ動きは軽くなります。
正直に言うと、僕自身も昔はこの俗説を信じていました。「重いものを持ち上げると動作が遅くなる」と思い込み、ウエイトを避けていた側の人間だったのです。
遅くなるのは「高重量をゆっくり」だけを鍛えたとき
動きが遅くなる筋トレとは、高重量を低回数でゆっくり上げるやり方に偏った場合です。ボディビルのように「大きく・重く」だけを目指すと、剣道の速い動作とはズレていきます。
逆に言えば、可動域を保ったまま鍛えれば、体を軽くコントロールできるようになります。硬くなるのは筋肉のせいではなく、鍛え方の設計ミスなのです。
剣道に効くのは瞬発力|可動域を保てば体は軽く動く
僕がたどり着いた剣道特化の考え方は、「高重量×低回数でゆっくり」より「瞬発的な動作」を鍛える方が剣道に効くということです。踏み込みも打突も、一瞬で爆発させる力が勝負を分けます。
筋トレは「重く上げる練習」ではなく「速く動ける体を作る練習」だと考えを切り替えた瞬間、剣道との相性が一気に良くなりました。
梶谷彪雅
体力トレーニングには、負荷や特異性といった科学的な原理があります。剣道の競技特性に合わせて設計することの大切さは、公的機関も次のように整理しています。
体力トレーニングは、目的とする競技の特性に合わせ、科学的な原理・原則にもとづいて行うことが重要とされています。
体力トレーニングの科学的原理:全日本剣道連盟
「基本は不要、年齢とともに補助として必要」という考え方
そもそも剣道に筋トレは必須ではありません。恩師の星子先生も「基本的に筋トレは不要だが、年齢を重ねると補助として必要になる」と話されていました。稽古量が十分なら、稽古そのものが最高の筋トレです。
僕がウエイトを始めたのも、社会人になって稽古量が確保できなくなったからでした。学生時代は毎日3時間以上振れましたが、環境が変われば補助が要る。その経緯は下の記事で詳しく書いています。
▼なぜ全国トップがウエイトを始めたのか、その「なぜ」の詳細はこちら

「筋トレ=遅くなる」ではなく「合わない筋トレ=遅くなる」。剣道に合う鍛え方さえ選べば、筋トレは味方になります。
では実際に、剣道のどこを鍛えると何に効くのか。まずは部位マップと早見表で全体像をつかみましょう。
剣道に効く筋肉マップ|どこを鍛えると何に効くか【早見表】
剣道で意識したい部位は、大きく5つに分けられます。ぜんぶを一度に鍛える必要はありません。今の自分に足りない場所から手をつけるのが、遠回りに見えて一番の近道です。
上半身:握力・手首・前腕・背筋・肩甲帯
竹刀を操作するのは、握力・前腕・広背筋・上腕です。中でも握力と手首は「手の内」の土台で、小さい振りでキレと冴えを生みます。背筋は打突後にブレない軸を作る要です。
体幹:軸・つばぜり合い・踏み込みの土台
体幹は、つばぜり合いで崩れない・崩す力であり、踏み込みや高重量を扱うときの土台でもあります。腹筋と背筋で「筋肉のコルセット」を作るイメージです。
下半身:踏み込みと蹴りの瞬発力
下半身は、隙を感じた瞬間に飛び込む瞬発力を生みます。ふくらはぎの蹴りと大腿の飛び込み。ただし下半身だけを先に強くすると、後述するように腰を痛めます。
下の早見表で、鍛えたい部位から「自宅メニュー」「ジムメニュー」「注意点」をたどれます。まずは気になる行を探してみてください。
| 鍛えたい部位 | 自宅(自重) | ジム(ウエイト) | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 握力・手首・前腕 | 素振り/打ち込み台で手の内 | ハンドグリップ/リストカール | 時間がかかる・長期戦 |
| 体幹(腹・背・回旋) | プランク/背筋20回/ひねり | マシン体幹/回転系動作 | 下半身だけ先行させない |
| 下半身 | スクワット/ジャンプ/HIIT | スクワット/ランジ | フォーム軽視で腰・膝を痛める |
| 背筋 | 背筋運動(速く上げ遅く下ろす) | ローイング/ラットプル | 上半身偏重は手打ちの原因 |
| 肩甲帯・上腕 | 素振り3本体制 | 瞬発重視の動作 | 力任せは肩の運動になるだけ |
もう少し詳しく、部位ごとの「剣道での効果」まで並べたのが次の比較表です。自分が伸ばしたい能力から逆算して選べます。
| 部位 | 自宅の狙い | ジムの狙い | 剣道での効果 |
|---|---|---|---|
| 握力・手首 | 手の内の感覚づくり | 前腕・瞬間握力の底上げ | 小さい振りでキレ・冴え、引っかかり減 |
| 体幹 | 軸の安定・回旋 | コルセットの強化 | 崩れない・崩す、打突の軸 |
| 下半身 | 瞬発・持久のバランス | 踏み込みのパワー | 飛び込みの速さ・蹴りの強さ |
| 背筋 | 打突後の軸づくり | 引く力・広背筋 | 打った後にブレない |
| 肩甲帯・上腕 | 脱力した振りの習得 | 瞬発的な振り | 速く・冴えのある一本 |
全部を一気にやろうとしなくて大丈夫です。「今の自分に一番足りない部位」を1つ選ぶところから始めましょう
部位が分かったら、次は「どこで鍛えるか」。自宅とジム、そして年代別の使い分けを見ていきます。

自宅トレとジムトレの使い分け|年代別の鍛え方【比較表】
結論から言うと、小中学生や稽古量の多い人は自宅(自重)で十分、稽古量が減った高校以上や社会人はジム(ウエイト)が補助として効くという住み分けが基本です。
自宅(自重)が向く人とメニュー
自宅トレは、素振り・スクワット・背筋・ジャンプが柱です。特別な器具が要らず、毎日の稽古にそのまま組み込めるのが最大の強み。成長期の子どもや初心者には、これがベストな選択です。
ジム(ウエイト)が向く人とメニュー
ジムトレは、デッドリフト・スクワット・リストカール・マシン体幹などが中心です。稽古で足りないパワーや瞬発力を、補助的に足していくイメージ。ただし高重量ゆっくりより、瞬発重視の使い方を意識します。
| 観点 | 自宅・自重 | ジム・ウエイト |
|---|---|---|
| 向く年代 | 小中学生・成長期・初心者に最適 | 高校以上・稽古量が減った社会人 |
| 主メニュー | 素振り3本/スクワット/背筋/ジャンプ | デッド/スクワット/リストカール/マシン体幹 |
| 剣道での狙い | 動ける体・技術と直結 | 補助的なパワー・瞬発力 |
| リスク | 低い(過負荷にだけ注意) | フォーム軽視・体幹不足でケガ(腰) |
| 継続のコツ | 毎日の稽古に組み込む | 通いやすさを最優先(週1でも可) |
年代別の考え方|小中学生は自重が基本
年代によって、優先すべき筋トレは変わります。成長期の子どもに高重量のウエイトは推奨しません。骨や関節がまだ発達途中だからです。自重と素振りで十分に強くなれます。
| 年代 | 基本方針 | おすすめの中心 |
|---|---|---|
| 小学生 | 自重のみ。遊びの延長で | 素振り・ジャンプ・重り登下校 |
| 中学生 | 自重が基本。高重量は避ける | 素振り3本体制・自重スクワット・背筋 |
| 高校以上 | ウエイト可(フォーム重視) | スクワット・体幹+瞬発メニュー |
| 大人・社会人 | 補助・ケガ予防が主目的 | 体幹中心+無理のないウエイト |
ちなみに、僕がジムを選んだ決め手は「強さ」ではなく「通いやすさ」でした。徒歩10分・月1万円ほどで常駐トレーナーがいる一般ジム。継続できなければ意味がないからです。※料金や設備は僕が通った当時の一例で、地域や店舗で異なります。
「まずは自宅の素振りから」で十分です。器具を買う前に、今日から振れるものを続けるほうがずっと伸びます
小中学生の自宅トレを、部位別に3種の筋力へ分ける具体メニューは、次の記事にまとめています。
▼小中学生の自宅トレ3種(素振り・下半身・背筋)はこちら

使い分けの軸ができたら、ここからは部位別の具体メニューへ。まずは剣道の土台となる「握力・手首」から見ていきます。
剣道の握力・手首の鍛え方|「握力=すべて」ではない理由
握力の話をすると、多くの人が「数値を上げること」を目標にします。でも先に言っておくと、握力の数字だけを追ってはいけません。大事なのは「握力」と「使い方(タイミング)」の掛け算です。
手の内=握力+使い方|握力20kgでも一本にできた実話
僕は高校時代に左手首を痛め、握力が20kgを切っていた時期があります。それでも右手の手の内があったおかげで、インターハイや国体で一本にできました。握力がすべてではないと、身をもって知った経験です。
手の内が効くと、剣道にはこんな変化が生まれます。数値の高さより、この「使い方」を身につけるほうが試合では効きます。
- キレ・冴えが出る
-
小さい振りでも打突が締まり、一本に見えやすくなります
- 起こり(隙)が減る
-
振り上げが小さく済むので、打つ前の予備動作が相手に読まれにくくなります
- 打突後の引っかかりが減る
-
特に小手で、打ったあとに竹刀が引っかからず抜けやすくなります
握力・前腕の具体的な鍛え方(自宅とジム)
握力と手の内は、次のステップで育てるのがおすすめです。いきなり器具に頼らず、まず素振りで感覚をつかむのが遠回りに見えて確実です。
- 素振りで、振り下ろしの最後に剣先がスッと落ちる感覚を探す
- 打ち込み台で、肩や腕を使わず手の内だけで打つ練習
- ハンドグリップ(可変式)で瞬間握力、パワーボールで手首周りの持久筋
- 実際の打突で意識し、最終的に無意識でできるまで反復する
ハンドグリップは可変式が便利です。僕の体感ではMAX80kg級で十分で、90kgは全く握れませんでした。安物より良品のほうが負荷がしっかりかかります。※握れる重さには個人差があるので、無理な強度から始めないでください。
手首を柔らかく・強くするコツ
手首は、リストカールやパワーボールで周りの筋肉を鍛えつつ、素振りの振り下ろしで剣先を落とす感覚を磨くのが近道です。スナップは力ではなく、絞りとタイミングで生まれます。
握力・手の内の強化は時間がかかり、挫折しやすいのが正直なところです。全国予選の2ヶ月前から始めても間に合いません。今すぐ、長期戦のつもりで始めてください。
手の内と握力の関係を、さらに深く掘り下げた記事がこちらです。あわせて読むと理解が一段深まります。

手の内が育つほど、竹刀の重さ・バランスの違いが手に伝わるようになります。そこまで来たら「自分の手に合う一本」を持つと、稽古の質が変わります。
僕が全国の舞台で戦ってきた感覚を落とし込んだのが、彪雅シリーズの竹刀です。手の内を活かせるバランスにこだわっています。15種類の選び方は彪雅シリーズ竹刀完全ガイドにまとめました。気になる方は下のバナー、または販売ページをご覧ください。
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手元が決まったら、次は打突を支える「体幹と下半身」。3種の筋力に分けて組み立てていきましょう。
剣道の体幹・下半身の鍛え方|3種の筋力で組み立てる
体幹・下半身を鍛えるときの核になる考え方があります。それは、筋力を「パワー・瞬発力・持久力」の3種に分けることです。剣道はどれか1つだけでは勝てない、バランスの競技だからです。
握力・手首の章でも触れた「瞬間の力と持久の力」を分ける考え方と同じく、体幹・下半身もこの3種で設計します。下の表が、その分け方の全体像です。
| 筋力の種類 | 素振り | 下半身 | 背筋 | 休憩・回数の目安 |
|---|---|---|---|---|
| パワー | 重い木刀10回ギリギリ(目安2〜3kg〜) | 重りスクワット5〜10回/重り登下校 | ゴムバンドで軽負荷 | しっかり休む・低回数 |
| 瞬発力 | 竹刀を速く振る10〜12回×4セット | ジャンプ・ミニハードル(重り無) | 上げるとき速く・下ろすとき遅く | 休憩3分ほど |
| 持久力 | 軽い木刀100本連続切り返し | HIIT形式で動き続ける | 回数を多く | 休憩短め・動き続ける |
※重さ・回数はあくまで一般的な目安です。年齢や体格に合わせて、無理のない範囲から始めてください。
体幹|背筋こそ「筋肉のコルセット」
打突のあとに体がブレてしまう子。その原因は、多くの場合背筋(脊柱起立筋)の弱さにあります。人間の上半身で一番強い筋肉は背筋で、腹筋より背筋を鍛えるほうが軸は安定します。
ポイント:打突後にブレやすい子は、まず1日20回の背筋運動を足すだけで変わります。腹筋と背筋、そしてひねり・回転も入れて「コルセット」を前後左右から作りましょう。
体幹は「割れた腹筋」より「崩れない軸」。前後だけでなく、ひねりと回転まで鍛えて初めて剣道で使える体幹になります。
梶谷彪雅
下半身|踏み込みと蹴りの瞬発力
下半身は、重りスクワットでパワーを、ジャンプやミニハードルで瞬発力を、HIIT形式で持久力を養います。重いものでパワーをつけた直後に竹刀を振ると、驚くほど軽く感じる——これが瞬発力アップの正体です。
余談ですが、僕は小学生の頃ドラゴンボールの亀仙人の甲羅に憧れて、ランドセルに10kgの重りを入れて登下校し、竹刀入れに重い木刀を仕込んで毎日振っていました。子どもの遊び心でも、続ければ立派なパワートレになります。
素振りを「重い木刀・竹刀・軽い木刀」の3本体制で分ける具体は、素振りの完全ガイドにまとめています。足さばきの俊敏性はリズムトレも効果的です。

▼足さばきの俊敏性を上げるリズム・ラダートレはこちら

パワー・瞬発力・持久力を1ヶ月でローテーション
3種の筋力は、1ヶ月でローテーションすると管理しやすいです。ひとつの例として、次のような4週サイクルがあります。これで細くなりすぎず・パワー不足にもならず・スタミナも保てます。
- 1週目:パワー週(重い木刀・重りスクワット)
- 2〜3週目:瞬発力週(竹刀を速く・ジャンプ)
- 4週目:持久力週(連続切り返し・動き続ける)
メニューが揃うと、次に怖いのが「やりすぎ」です。僕が実際に腰と足を痛めた失敗から学んでください。
剣道の筋トレでやってはいけないこと|ケガと失敗の警告
ここは、僕の失敗談をそのままお伝えします。良い話より、痛い目に遭った話のほうが、きっと役に立つはずです。まず、絶対に避けてほしいNGを3つ挙げます。
- 下半身だけを先に強化し、体幹を置き去りにする
- YouTubeの見よう見まねで、フォームを自己流にする
- 1ヶ月で仕上げようと、短期で結果を求める
下半身偏重で体幹が追いつかず腰を痛めた失敗
全日本選手権の予選、その1ヶ月半前から週1回のウエイトを始めました。8回目のトレでデッドリフト130kgを下ろす瞬間、腰にピキッと電気が走り、ぎっくり腰のように痛めました。
正直、「1ヶ月で筋肉をつけよう」というのが甘い考えでした。原因は体幹力の不足。下半身は130kgを扱えるほど強くなったのに、体幹が追いつかず、相対的に弱いまま高重量を扱っていたのです。
※130kgという数字は、あくまで当時の僕の一例です。読者への推奨値ではありません。重量は必ず、自分の体幹とフォームが伴う範囲にとどめてください。
フォーム軽視・自己流・ベルト過信の危険
信頼できるトレーナーに相談したとき、指摘は明快でした。「①フォームが大事、②体幹力が重要」。この2つです。見よう見まねの自己流は、ケガへの最短ルートだと痛感しました。
自宅とジムの比較表で「ジムのリスク=フォーム軽視・体幹不足でケガ」と書きましたが、まさにこれが、僕が腰を痛めた原因そのものでした。対策は、2週間ごとに体幹と下半身を交互に鍛えてバランスを取ることです。
▼腰痛の顛末と体幹力の重要性は、こちらで詳しく書いています

やりすぎの副作用|持久力低下・足指の裂傷
筋トレを始めてから、大人になって切れなくなっていた足の指が、左足に3箇所も裂けました。原因は蹴る力が上がったこと。皮膚が負荷に耐えきれなくなったのです。持久力の若干の低下も感じました。
ただ、これは悪いことばかりではありません。足指が切れるのは床をしっかり掴んで蹴れている証拠でもあります。両面あると知ったうえで、テーピングや保湿でケアしながら付き合うのが現実的です。
▼足指の裂傷と筋力向上の関係、そのケアはこちら

痛みが出たら、無理をせず専門家に診てもらってください。筋トレは半年後・1年後を見据えた長期戦です。焦って詰め込むほど、ケガで遠回りになります。
中学時代の僕は逆に、上半身を鍛えすぎて手打ちになり腰を痛めました。下半身を鍛え直したら治った。結局、上半身・下半身・体幹はバランスが命なのです。
ケガを避けられたら、最後は「育てる」側。栄養と回復で、鍛えた筋肉を体に定着させます。
剣道の筋肉をつける栄養と回復|超回復と食事の基本
どれだけ鍛えても、栄養と回復が伴わなければ筋肉は育ちません。3種の筋力で追い込んだ体を定着させるのが、この章です。まず食事から。
脂肪は筋肉に変わらない|カロリーとタンパク質の基本
最初にはっきり言います。「脂肪は筋肉に変わる」は大嘘です。脂肪はどれだけ筋トレしても筋肉には変わりません。そして体が大きくならない子は、まず摂取カロリー不足が原因のことが大半です。
ポイント:稽古でカロリーが足りないと、体は筋肉を削ってエネルギーにする最悪のパターンに入ります。まずは「消費より多く食べる」。これが筋肉づくりの大前提です。
ただし、揚げ物やマヨネーズの脂質でカロリーを稼ぐのはNGです。正解は「ご飯+低脂質のタンパク質」。下の表で○×を整理しました。
| 項目 | ○ 正解 | × NG |
|---|---|---|
| カロリー源 | ご飯(炭水化物)+タンパク質 | 揚げ物・マヨネーズなどの脂質 |
| タンパク質源 | 鶏胸肉・ささみ・卵・魚(低脂質) | 脂身の多い肉に偏る |
| 炭水化物 | お米を優先 | パン・パスタ・ラーメン(小麦)に偏る |
| 食事回数 | 1日3食+朝スムージー | 朝食欠食(溜め込みモード) |
| 考え方 | 脂質を抑えつつカロリーを稼ぐ | 脂肪が筋肉に変わると思い込む |
ちなみに「小麦より米が合う人が多い」は、あくまで僕の持論で、医学的に断定するものではありません。食べる量が苦手な細い子には、朝スムージー(プロテインやヨーグルト+バナナ+牛乳)が飲みやすくおすすめです。
▼「細くて打ち負ける子」を太らせる栄養の実践はこちら

筋肉痛と超回復|回復を早める5つの方法
正直にお伝えすると、筋肉痛を翌日パッと治す裏技はありません。ただし、回復スピードを上げる方法は確実にあります。下の5つが、僕が実践している回復法です。
| 方法 | ポイント | やりすぎ注意点 |
|---|---|---|
| 血行を良くする(最重要) | 冷やした後に温める/座りっぱなしを避ける | 冷やしっぱなしは逆効果 |
| ストレッチ | 練習前は動的/練習後は静的で使い分け | 痛い部位の無理な伸展は避ける |
| マッサージ | 軽めの揉みほぐし | ゴリゴリ揉むと炎症が悪化(実体験) |
| 睡眠 | 成長ホルモンが修復を助ける | 夜更かしは回復を遅らせる |
| 栄養 | タンパク質+ビタミンB・C・E | サプリ過信せず食事が基本 |
僕もデスクワークで座りっぱなしになり、ふくらはぎがパンパンに張った失敗があります。マッサージをゴリゴリやりすぎて、翌日かえって痛くなったことも。回復もやりすぎは禁物です。
「筋肉痛にまったくならない」現役の子は、じつはもっと追い込める余地があるサインかもしれません
▼筋肉痛の対処と回復を早める方法は、こちらでさらに詳しく

疑問が残った方へ。最後に、よくある質問をまとめて解消しておきましょう。
剣道の筋トレによくある質問
剣道に筋トレは必要ですか?
稽古量が十分なら、必須ではありません。恩師も「基本は不要だが、年齢を重ねると補助として必要になる」と話していました。稽古量が減った高校生以上や社会人は、補助として取り入れると効果的です。まずは稽古そのものを最優先に考えてください。
剣道で筋肉をつけると動きが遅くなりませんか?
これは俗説です。高重量をゆっくり上げるやり方に偏ると硬くなりますが、瞬発的な動作を中心に、可動域を保って鍛えれば、むしろ体は軽く動きます。問題は筋トレそのものではなく「やり方」だと考えてください。
小中学生でもウエイトトレーニングをやっていいですか?
成長期の高重量ウエイトはおすすめしません。骨や関節がまだ発達途中だからです。素振りを重い木刀・竹刀・軽い木刀の3本体制で分けたり、自重スクワットや背筋運動で十分に強くなれます。自宅・自重を基本にしてください。
剣道の握力はどう鍛えますか?握力が弱くても勝てますか?
手の内は「握力」と「使い方」の掛け算です。ハンドグリップ(可変式)やパワーボール、打ち込み台での手の内トレが有効です。私自身、握力が20kgを切っていた時期でも手の内で一本にできました。数値だけを目標にしないことが大切です。
手首を柔らかく・強くするにはどうすればいいですか?
リストカールやパワーボールで手首周りを鍛えつつ、素振りの振り下ろしで剣先がスッと落ちる感覚を磨きましょう。スナップは力ではなく、絞りとタイミングで生まれます。柔らかさは日々の素振りの積み重ねで少しずつ育ちます。
筋トレで腰や足を痛めないためにはどうすればいいですか?
下半身だけを偏らせず、体幹を同時に鍛えることです。フォームは自己流にせず専門家に確認し、ベルトに頼りすぎないこと。半年〜1年の長期戦と捉え、短期で無理をしないでください。痛みが出たら、必ず無理をせず専門家に相談を。
筋肉痛を早く治すにはどうすればいいですか?
1日で治す裏技はありませんが、回復を早める方法はあります。血行を良くする(冷やしてから温める)、練習前は動的・後は静的ストレッチ、揉みすぎない、睡眠をとる、タンパク質+ビタミンを摂る。この5つを地道に続けるのが近道です。

個別指導・講演会
日本一9回が、その場で癖を見つけて、その場で直す。
マンツーマン、または最大3名の少人数で、実際に竹刀を交えて稽古できます。動画や言葉では届かない”手元の違和感”を、1回の稽古で1つ以上持ち帰ってもらう。これが個別指導の一番の価値です。
- 日本一9回の経験をそのまま共有(同じ壁は必ず通ってきた)
- 道場・学校・ご家庭の個人稽古、いずれも対応可能
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まとめ|剣道の筋トレは部位別・年代別・鍛え方が9割
剣道の筋トレは、闇雲に重いものを上げることではありません。部位別に・自宅とジムで・年代別に、鍛え方を使い分けること。それができれば、筋トレはあなたの剣道を確実に前へ進めてくれます。
- 動きが遅くなるかは鍛え方次第。剣道は瞬発重視
- 部位別×自宅ジム×年代別で使い分ける
- 握力は数値でなく手の内(使い方)で活かす
- 体幹・下半身はパワー/瞬発/持久の3種で組む
- ケガはバランスの崩れから。長期戦で無理しない
- 栄養と回復で、鍛えた筋肉を定着させる
そして、握力・手首・手の内を鍛えていくほど、竹刀の「重さ」や「バランス」の違いが手に伝わるようになります。そこまで来たら、ぜひ自分の手に合う一本を。彪雅シリーズの竹刀が、鍛えた手の内をさらに活かしてくれます。
\鍛えた手の内を活かす一本/







