【玉竜旗2026優勝】中村学園の5人が語る、日本一までの道のり

- 玉竜旗2026を制した中村学園、優勝メンバー5人の言葉
- 選抜予選での敗戦から、日本一までに何をしてきたのか
- 強豪校の選手が実践している、稽古と食事の考え方
2026年7月26日、第97回玉竜旗高校剣道大会 女子の部で中村学園(福岡)が優勝しました。3年ぶり11回目の頂点です。
決勝の相手は、昨年の覇者・八代白百合(熊本)。連覇を狙う王者を止めての優勝でした。大会の全結果は玉竜旗2026 結果速報まとめでご覧いただけます。
試合後、先鋒から大将まで5人全員に話を伺いました。共通していたのは「感謝」と「信じる」という言葉、そして選抜予選で負けた日から積み重ねてきた時間の話でした。
優勝メンバー(中村学園・福岡)
| ポジション | 選手名 | 学年・段位 |
|---|---|---|
| 先鋒 | 稲富 怜花(いなどみ さな) | 3年・二段 |
| 次鋒 | 福田 晶(ふくだ あき) ※5回戦から 下池 七愛(しもいけ なな) | 3年・二段 |
| 中堅 | 中家 妃泉七(なかいえ ひいな) | 3年・三段 |
| 副将 | 木原 愛由花(きはら あゆか) | 2年・二段 |
| 大将 | 牛嶋 柚希(うしじま ゆずき) | 3年・三段 |
先鋒|稲富 怜花選手「いいところを打っても決めきれない、を課題に」

梶谷──優勝おめでとうございます。今の率直な気持ちを教えてください。
優勝できて嬉しい気持ちもあるんですけど、次はインターハイに向けて稽古を上げていきたいです。
梶谷──選抜予選から玉竜旗まで、特に意識してやってきたことはありますか。
いいところを打っても決めきれないというのが課題だったので、そこをしっかり決めきるというのを練習でやりました。
梶谷──ここからインターハイまで、意識して練習したいことがあれば教えてください。
あとはチームで最後ひとつになってやっていくだけだと思うので、仲間を信じて、先生を信じて、自分を信じて戦ってきます。
「打てている」で終わらせず、「決めきる」まで詰める。先鋒として最初に流れをつくる立場だからこそ、その一本の重みを分かっているのだと思いました。
次鋒|下池 七愛選手・福田 晶選手「負けが続いた時期を、みんなで越えた」

次鋒は4回戦まで福田 晶選手が務め、5回戦から下池 七愛選手が入りました。お二人に一緒に話を伺いました。
梶谷──優勝おめでとうございます。今の率直な感想を、お一人ずつお聞かせください。
下池選手
素直に嬉しいのと、今まであまり結果が出せていなかった分、たくさんの人たちに支えられてここまで来られたので、感謝の気持ちでいっぱいです。
福田選手
自分も素直に嬉しいという気持ちと、仲間に感謝だなと思います。
梶谷──この大会に向けて、どういう気持ちで稽古してきましたか。
下池選手
最後は気持ちの部分だと思うので、どんなことがあっても諦めずに、自分を信じて、仲間を信じて、先生を信じてやっていく。それをずっと意識していました。
梶谷──ここまでで一番苦しかったことはありますか。
福田選手
やっぱり負けが続いていたので。その中で、練習の中で越えていくという部分が自分たちできつかったんですけど、みんなと一緒だから乗り越えられたと思います。
梶谷──食事の面で意識していたことはありますか。
下池選手
結構多く食べて、ご飯を多く食べるというところを意識しています。
梶谷──お肉派ですか、魚派ですか。
お肉です。(下池選手・福田選手ともに)
お菓子については「あまり多くは食べられない」とのことでした。
中堅|中家 妃泉七選手「後ろに2人いるから、取りに行けた」

梶谷──先に一本を取りに行った場面がありました。どういう気持ちで試合に入りましたか。
自分は中堅同士で戦うことになったんですけど、まだ後ろに木原と牛嶋がいたので、その2人を信じて、自分は自分の剣道をやりに行こうと。チームのために一本取ろうという気持ちで試合をしました。
梶谷──引き分けで回すのではなく、取って回そうという気持ちだったんですね。一本取った後は、どう戦おうと考えていましたか。
一本取ったら相手は取りに来ると思っていたので、そこはしっかり足を使って、自分の剣道を変えずに試合をしていこうという気持ちでした。
梶谷──ご自身の強みを教えてください。
足を使って、自分のスピードを生かして思い切って打ち切っている時が、いい時だと思います。
梶谷──スピードを上げるために、やってきたことはありますか。
トレーニングでダッシュをするんですけど、その時に一歩目を速く出すことを意識しています。どちらかというと短距離の方が多いです。
長い距離を走るより、一歩目の速さ。剣道の間合いは、その一歩で変わります。短距離中心という答えは、非常に理にかなっていると感じました。
梶谷──インターハイへの意気込みをお願いします。
今回は木原が一生懸命チームのために戦ってくれたので。インターハイは3年生にとって最後の大会になるので、しっかり3年生の意地が見せられるように、目の前の相手に集中して戦っていきたいと思います。
2年生の木原選手が決勝で決めた一本を、3年生の中家選手は「木原が戦ってくれた」と語りました。次は自分たちの番だという言葉に、このチームの空気が表れていました。
副将|木原 愛由花選手「自分の一本で負けた借りを、返しに来た」

決勝で、八代白百合の大将・楢橋選手から小手を決めたのが副将の木原 愛由花選手です。チームの中でただ一人の2年生として、この舞台に立っていました。
梶谷──優勝おめでとうございます。今の率直な気持ちをお聞かせください。
やっぱりたくさんの方々に支えられて、この優勝があったと思うので、すごく感謝の気持ちでいっぱいです。
梶谷──ここまでで、特に辛かったことがあれば教えてください。
選抜の福岡県予選でベスト8で負けてしまって、しかも負けたのは自分の一本でチームが負けてしまったというのがあったので。今回の大会ではその借りを返す、自分が絶対に勝って中村を日本一にしたいという強い気持ちで挑みました。
梶谷──その結果が、決勝のあの小手だったと思います。どういう意識で出た技でしたか。
本当に考えとかはないんですけど、とにかくみんなを勝たせたいという思いで竹刀を振って、その気持ちが表れた一本だったと思います。
梶谷──食事面で意識していたことはありますか。
やっぱり体作りは必要なので、絶対に当たり負けない体を作るためにも大盛りを食べていました。予選で負けてからは、学校でマネージャーさんがおにぎりを作ってくださって、それも食べて、どんどん体を強くしていきました。
大将|牛嶋 柚希選手「前の4人がつないできてくれた、その先で待っていた」

梶谷──優勝おめでとうございます。今の率直な気持ちを教えてください。
率直に嬉しいという気持ちと、つないで来てくれた仲間や、最後に一本取ってきてくれた木原、上で応援してくださっていた保護者の方々とか、すべての人に感謝の気持ちでいっぱいです。
梶谷──決勝、大将として待っている時の心境を教えてください。
少し緊張していた部分もあるんですけど、自分に回ってきた時は、前の4人が必死につないできてくれたものでもあるので、絶対にここは自分がチームを勝たせるという心の準備はしていました。いつでもいける準備はできていました。
梶谷──今大会は準決勝で1試合だけの出場でした。急に試合に入る時、どういう気持ちで臨みましたか。
自分が第1試合目だったところで、動きの面で不安になるところもあったんですけど、最初に自分のペースをつくっておけば、必ずその後も自分のペースで試合ができると信じていたので。最初の1分くらいでどれだけ自分の剣道を出し切れるか、そこに特に集中して取り組みました。
梶谷──「自分のペース」というのは、具体的にどういうことでしょうか。
小さい技でも大きい技でも、しっかり自分の意志で打ち切るというところは意識しています。
梶谷──選抜予選で悔しい思いをされて、そこから玉竜旗までどう過ごしてきましたか。
負けてしまってから今日まで、正直、辛い日の方が多かったんですけど、そこは仲間と助け合って、声を掛け合ってやってきました。負けてしまったその日から死ぬほど竹刀を振ってきて、日本一自分たちが振ってきたという自信をつけて挑んだので、試合で振り切っている時は本当に自信を持って振り切ることができました。
梶谷──インターハイへの意気込みをお願いします。
玉竜旗の優勝を自信に変えて、今日出た課題もたくさんあるので、それを修正しながら、必ず奈良インターハイで優勝できるように頑張っていきたいと思います。
大会後、木原選手がインタビューを受けている間、少し離れたところから仲間たちが見守っていました。

5人の話に共通していた3つのこと
5人それぞれに話を伺って、はっきり共通していたことが3つありました。
1. 勝った直後に「感謝」から話し始める
全員が、自分の活躍より先に、支えてくれた人の話をしていました。仲間、先生、保護者、マネージャー。日本一になったチームほど、自分ひとりで勝ったとは考えていません。
2. 「負けた日」から始まっている
選抜の福岡県予選でベスト8。そこからの日々を、複数の選手が「辛い日の方が多かった」と表現していました。優勝の話をしているのに、出てくるのは負けた日の話です。
3. 食事を「稽古の一部」として扱っている
食事について聞くと、全員が同じ方向の答えでした。
- とにかく量を多く食べる(大盛り・おかわり)
- お菓子はあまり食べない(部としての決まり)
- 当たり負けない体をつくるための食事という意識
稽古と同じ熱量で、食べることにも取り組んでいる。強いチームほど、この部分が徹底されています。

次はインターハイへ
5人全員が、優勝の話の最後を「インターハイ」で締めくくりました。玉竜旗の頂点に立った直後に、もう次を見ています。
中村学園のみなさん、優勝おめでとうございます。インターハイでの戦いも、楽しみにしています。
玉竜旗2026の全結果はこちら
大会の全結果、各パートの勝ち上がり、5人抜き以上を達成した選手、現地で撮影した写真は、玉竜旗2026 結果速報まとめにまとめています。

昨年の玉竜旗で、八代白百合の先鋒として勝ちをつなぎ続けた楢橋選手のインタビューもあわせてどうぞ。今年は大将として、決勝の舞台に立っていました。




